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虚空の星 プロローグ3

精霊のアディールと機皇帝の息子ウオーサム。歌舞伎町で出会った彼等は人里離れた山で戦うのだった。




ウオーサムは刀に闘士を込めた。[我が刀よ。答えよ。奴の結界を破る術は………少しで良い。奴の力を押さえられれば]構えた刀がカタカタ揺れる。[まだまだ未熟だな。向かい風に立てばどうなるか知らんのか?無鉄砲にも程がある]




…………向かい風に打ち勝つ法か?何かあるはずだ。奴の力を利用すれば…………ウオーサムは天を見上げた。



………綺麗な星だな。俺は常にオヤジの背中を追ってきた。機皇帝パイロンの影を。産まれた時から、いつか俺も皇帝の座を継ぐと。そう言われて来た。惨めなもんだな。精霊とやらにも勝てぬとは……………いや待てよ。奴の死角を見つけた。天だ。風は弧を描いている。あの風の壁を飛び越えれば…………




ウオーサムは刀を背中に戻し、風に向かいかけ上がった。



ズサーッ



風圧で飛ばされるウオーサム。[まだだ!もっと高く。あの星を掴むんだ。オヤジの背中を!]スックと立ち上がりウオーサムは再び風に立ち向かう。




何度も何度も立ち上がった。[………奴め。無鉄砲にも程がある。風を飛び越えるなど。だが美しい。その根性だけは認めてやる]




ふとした拍子にウオーサムは風に背を向けた。弧を描き天高く飛ばされるウオーサム。[危ない!こいつだけは失いたくはない!風神よ。その力を封印せよ!]風が収まり静かになる。ビュンと空を飛びウオーサムをキャッチする。[フン。こいつ気絶してやがる。負けたよ。久々に熱い男に出会った。全知全能の神。創成神エルガイアよ。この者の行く末に光あれ]





[ウ〜ン…………ここは?][オオ!気づいたらか?ウオーサム。安心しろ我が城だ。何か食べるか?][城?あんたは一体…………][天空の覇王、精霊アディールだ。ゆっくりしていけ][天空の覇王?あんた………助けたのか?俺を………][他に道が無かった。その機皇帝パイロンにも会いたくなってな][オヤジに?][アア。息子を預けて欲しいとな。願いたい。武術の先生もいないんだろう?][………あんたが?…………][そうだ。若き獅子よ。いずれ皇帝の座を継ぐんだろ?俺が鍛えよう]





傷が癒えたウオーサムは自分の城に案内した。[父上。今、戻りました][遅かったではないか。息子よ。一月も何処へ?][アディールのお人好しの所よ][お初にお目にかかります。機皇帝。我が名は天空の覇王、精霊アディール。面倒を見ていました][精霊だと?地球の神々か?それはそれは。どうだね。ワインでも][頂きましょう。1つお願いがございます。息子さんを預けては頂けませんか?必ずや機皇帝の名に恥じぬ戦士に致します。エルガイアの名に掛けて][エルガイア?地球創成の神か?ありがたい。こいつは曲者でな。父親が偉大だと子は育たぬ。いつか継ぐときも来る。その日まで稽古をつけてはくれぬか?]パイロンは立ち上がり土下座をした。[…………オヤジ…………][頭をあげて下さい。機皇帝。貴方の功績は風が教えてくれました。地球人を機械で洗脳したと。その昔、誘惑の神、バルキュリアにそっくりですな][バルキュリア?我が父を知っているのか?][名は聞いたことがあります。古代、フランスの戦神バルキュリア。左様でしたか。機皇帝の父君がバルキュリアでしたか]




二人は夜通し語り合った。お互いの理想について。



[では、パイロン様。いずれ我が城にお越しください。天空城に][オオ!そうであったな。家臣よ。アディールを送ってくれないか?][自分で帰れますから。愛馬ペガサスも退屈してますしね][ホウ!乗馬をたしなむか。良かろう。家臣よ。丁重に出迎えよ。我が息子の旅立ちだ][ウオーサム様。お元気で]





[宜しいのですか?パイロン様][機械と精霊。まさに最強の戦士になるだろうな。我が王位も危ういわ。カッカッカッカッ……………]




こうして機皇帝パイロンの息子、ウオーサムの冒険は始まった。




二人の出会いから何年経ったのだろう。紅き鎧の恰幅の良い、髭を蓄えた男は地上を見ていた。[師匠。相変わらず混沌の時代ですね][ウオーサムよ。今こそ修行の成果を試してみるか?下界で][ハイ!見回りに行ってきます。来いよ。イークフリード]透き通る様な青い毛並みに白いタテガミの馬。イークフリードを操りウオーサムは下界に降り立った。



虚空の星。プロローグ完結

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