虚空の星
西暦21世紀。地球はとある者たちに支配されていた。機械文明社会。何も知らない人間は自分達の手柄だとそう言っていた。
機皇帝 パイロンは編隊を組み地球に進路を進めた。
[パイロン様。お見せしましょう。今や我々の奴隷と化した者たちの姿を][オオ!美しい。皆、輝いて見える。我々の支配下も目前ではないか][ハイ。一気に落としましょう][ところで我が息子ウオーサムは何処だ?王位継承の修行もさぼりまた地球か?][ヘエ。坊っちゃんならまた行かれましたが。連れ戻して参りましょうか][まあ良い。遊ばせとけ]
[フーン。オラは知らねーけど変わった星だよな。地球って。そんなに支配下になりたいのか?]赤きマントの戦士は歌舞伎町を眺めていた。[今日は何をして遊ぼうかな]男は指を鳴らす。信号が一斉に停まり、交通事故が起こる。[ケッケッケッケッ!ストライク!イヤーおもしれーなー人間は。ちょっとイタズラしただけでこれだもんな]
[お前!降りてこい!][ハーッ?俺様か?上等だよ。あんた]赤いマントの戦士はビルの屋上に降りた。[で、何して遊ぶの?]赤きマントの戦士は屋上の鉄柵から下を覗いた。その男は茶色いフードを被っていた。[俺は機皇帝の息子ウオーサムだぜ。知ってんの?][貴様の登場を待っていた。我が名は、アディール。精霊使いだ][精霊?ハハーン。そんなもんまだいたの?][忘れられた者だ。人間からな。この世を創った創世主。人々の記憶から消えただけだ][なら消え去れよ。俺らの天下なんだぜ][イヤ。人々を救済に来た。ただそれだけだ。ウオーサム。一戦どうかな?どうせ暇なんだろ][まあな。退屈凌ぎにはなるのかい?精霊さんよ]
ビュン!ビュン!
ビルをかけ上がり、ウオーサムに拳を当てる。
[グハッ…………ハエエ!何だ?こいつ][まだ刀は抜いてないんだがな。ウオーサムさん][キッサマー!油断しただけだ!ハンデーだよ!くれてやる]
こうして謎の精霊アディールと機皇帝パイロンの息子ウオーサムの戦いが始まった。人間には見えなかった。
続く