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第二話

この話は誰がヒロインか謎です。決めてないから。

決めとけよ、とも思いますが思い付いたまま書いてるので……

せめて皆様が楽しんで頂ければ幸いです

 銅貨三枚。それが今の全財産だった。アリアは何度も財布の中身を確認しては溜め息を吐いた。

「お腹、空いたよぅ……」

 王都に来れば仕事にありつける。そう思ってマルアールから出てきたのだが、現実は甘くなかった。

 今までマルアールでは村人の護衛で近隣の村や町に行き、報酬に食料などを貰っていた。それを糧に生活をしていたのだ。

 ある時、護衛の後に

「アリア、いつも思うがこれ程の腕があれば傭兵として生計立てられると思うぜ。興味があるなら王都にギルドの登録所があるから行ってみるといい」

 そう言われたのだった。この行商人は半年に一回位のペースでマルアールに立ち寄り、護衛を頼んでくる。 今までにも数回護衛を受けたことがあった。

 この商人は隣国の商品の買い付け等にに王都のギルドで護衛を頼むらしいのだが、聞けばアリアより実力が無いのだが金はかなりかかるとのこと。ならば、アリアが傭兵として働けばかなりの稼ぎになるはずだ、と言うではないか。

 アリアも女の子。都会に憧れ、賑わう街で買い物をしたりして暮らしたい。稼ぐ当てもある。となると王都での生活を熱望するようになった。

 半年間悩んだが結局憧れが勝り、家財を全部売り払い、最低限の装備と荷物を持って王都に出てきて今に至るのだが――。

 ギルドに行ってみればまわりの傭兵に色街を勧められた。

ギルドのおじさんが周りを抑えてくれてなんとか登録は出来たけど登録したてのアリアにはまったく依頼の指名がない。

 依頼が来たら来たでアリアを見るなりキャンセルの嵐だった。

 張り紙を見て依頼主に会っても同じだった。

 なぜここまで依頼がとれないのか。実は腕に覚えのある女性の大半は冒険者ギルドに登録する。

 傭兵ギルドとの違いはいくつかあるが一番大きいのは徴兵義務だ。

 冒険者ギルドは主に鍛冶屋や薬屋等からの雑用仕事、傭兵ギルドは貴族の護衛や徴兵等の荒事メインなのだ。

 勿論傭兵ギルドにも女性は居るが、大多数は第三者からの推挙や冒険者ギルドからの引き抜きである。

 さらに言うと女性の傭兵は貴族令嬢等の護衛として人気があり、貴族や国からの要請でギルドをやめていく。

 つまり傭兵ギルドの女性は周りからみれば「売れ残り」なのである。

 このような事情があるとは知らないアリアはこの頃になると最初に話を持ってきた行商人を恨みに思うようにもなった。

 行商人にしてみればいい迷惑である。

 さらに登録してから分かったことだが、ギルドに登録してあるものがギルド外の仕事を請けるのは違反となり、見つかると登録抹消と違約金の支払いが生じるのだ。

 しかし下宿代は前払いで支払ったので追い出される心配は無いが、食事を取らないわけにはいかない。

これはいよいよ形振り構っていられないかと思っていたところで、部屋の扉が叩かれた。

「アリア? 居るかい?」

 今までも何度か聞いた声に淡い期待をしながら、扉に駆け寄った。

 扉を開けると今までも何度か依頼を持ってきたミディアが立っていた。

「久しぶりだねアリア。元気してたかい」

「お久しぶりです。ミディアさんも」

 そこまで言った時、アリアはミディアの豊満な胸に包まれていた。

「喜べアリア! 仕事が決まったよ」

「むお?」

 嘘、と言いたかったが顔が胸に埋まっていてちゃんとしゃべれない。アリアはミディアの腕を何度か叩きようやく開放された。

「ふぅ…。で、今の話は本当ですか?」

 今までも依頼を決まったと言って紹介してきたが、依頼受諾率ゼロのアリアは不信感丸出しでミディアに聞き返した。アリアの目が疑いを多分に含んでいても誰も責められまい。

「そんな顔しなさんな。今回は大丈夫だよ。前払いってことでもう料金も頂いたし」

「え? それっていいんですか?」

 ギルドは基本的に後払いだ。無用な衝突を減らすためである。

「まぁあまり良くはないけどね。向こうにも説明して納得済みだから特別さ」

「はぁ、ならいいですけど」

 とにかく漸く仕事が出来るのだ。無用な諍いはしたくない。

「じゃあギルドに行けば良いですね?」

「ああ、しっかり準備してきなね」

 

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