卵焼き
主人公である夏野 舞のちょっと意外な日常を描いた作品です。
父である夏野 康介との会話や、舞の心情を楽しんでもらえれば幸いです。
それは長く続いた冬の寒さがゆるやかになって、長袖で外に出られるほどの気温になった日のことだった。私、夏野 舞は朝の6時に起きて、2人分の朝食を作り始める。トントントン…という包丁の音が、静かな家の中を響き渡る。まな板から鍋へ具材を流し、味噌と水を加えると、ボウッと火をつける。後ろの方から、何やら言葉にならない声が聞こえる。
「おはよう、舞。今日の気温はだいぶ暖かいなぁ。」
「お父さん、おはよ。私忙しいから、火見てて。」
私はそう言って、今度は卵焼きを作り始める。お父さんは、夏野 康介といって、冴えないサラリーマンである。髭がもっじゃりしていて、いつも過疎化が進行している頭頂部を気にしている。そんなお父さんは、私に冷たく返されて気を落としている。
「舞もそろそろ彼氏なんかを作ったらどうなんだ?」
私はドキッとして、卵を溶く手が止まる。
「うちの高校に良い男いないんだもん。ガキだよ、ありゃ。」
そう言い放って、フライパンに流し込む。そりゃあ、彼氏がいた方がきっと高校生活は楽しくなるんだろうけど、母を亡くして生活に困っている時にそんなこと言ってられない。あと、良い男がいないのは本当だし。そんなことを考えながら、卵焼きを作っていると、フライパンから異臭が。
「あぁー!やっちゃった。」
その日の弁当箱には、厚さの薄い卵焼きが入ることとなった。
初めてこういった雰囲気の小説を書いてみたのですが、どうでしょうか。まだまだ慣れていないので、これから改善していこうと思います。




