奇跡の再会
シオンがホームページから消えてからはや1ヶ月。
あれから何度か店に足を運んだがシオンが出勤してくる事はなかった。
勇気を出してボーイさんに聞いてみたが店を辞めてその後の消息は不明とのことだ。
これが失恋か。
付き合ってた訳でもないのにすっかり元カレ気分の陽一である。
陽一に残ってるシオンへの手掛かりはたまに寄ることがあると言っていたディスカウントストアのみである。
ここへは何度もシオンに会いたい一心で通ったが一度も会える事はなかった。
シオンちゃんにどうしても会いたい。会える可能性があるとしたらここだけだ。そう思い店に足を運んだ。
奇跡だろうか?あの後ろ姿は紛れもないシオンである。ここで声を掛けなければ二度と会えないであろう。そう思い陽一は思い切って声掛けた。
「しおんちゃんだよね!突然店に居なくなって心配したよ」
「えっと、陽一くんだよね?お店に迷惑掛かるから外で話そうか?」
陽一は訳が聞けると思って期待してシオンに付いていった。
「もうお店を辞めたんだしあなたとはもう関係ないの。分かる?」
陽一の期待とは裏腹にシオンから掛けられた言葉は冷たかった。
「そんな事言わないで、お金なら払うから話を」
「そういう事じゃないの。あなたは紳士のつもりで手を出して来なかったのかもしれないけどソープってエッチする所だから!あなたの話をグダグダ聞いてるぐらいならエッチをしてた方がまだ楽だった。もう見掛けても話かけてこないでね、サヨウナラ」
陽一は何も言えなかった。
お店で無ければこんなものなのか。
陽一にはシオンとの愛を確かに感じていたが童貞の勘違いだったみたいだ。
このまま1人で居ては潰れてしまう。
傷心の陽一に懐かしいグループから一通のメッセージが届いた。
大学の頃のメンバーで久々に集まらないか?
結婚して疎遠になっていた男からのメッセージである。
普段集まりに参加しない陽一だが1人で居るのが虚しいので参加する事にした。