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卒業(仮)へ

中に入ると受付に男性スタッフ2人が立ってた。

「あっ、あの予約した橋本なんですけど。しっ、シオンさんを。」

「シオンちゃんでご予約ですね。こちらの番号札を持ってあちらの待合室でお待ちください。」

待合室に向かうと先客が何人かいた。

ヤクザ風の男、初老の男性、陽一より若そうな男性等様々である。

待っている時間、手持ち無沙汰と緊張で陽一は吐きそうになっていた。

「番号札3番の方!」

とうとう陽一の番がやってきた。

注意事項を伝えられたが頭に入ってこない。

階段を登った先にシオンさんが待っているという事はどうにか分かった。

階段の先に待っていたのは20代後半ぐらいだろうか写真は修正されていてまるで別人だったが陽一の目には可愛く映った。

「はっ、はじ、はじめまして。あのっ、そのっ」

「ふふっ、緊張しなくて良いよ。階段上がった先の部屋だからね。」

そう言って陽一の手を取る。

女性と手を繋いだのはいついらいだろう?

中学、小学、幼稚園と記憶を遡ってみるが思い出せない。もしかして俺は初めて女性の手を握るのだろうか?

部屋は思ったより広かった。

「じゃあ、ベッドに座ってね。」

おずおずと陽一は座った。

「お兄さん緊張しすぎだよ。もしかして風俗は初めて?」

陽一はなんだか妙に恥ずかしくて上手く答えられずに首を縦に振った。

「ふふっ、可愛い。60分しかないから早速脱ごうか」

シオンは慣れた手つきで陽一の服を脱がせていき洗い場に導かれていく。

「じゃあ、洗うね。」

ローションとソープを混ぜたもので陽一の体が洗われていく。初めての感覚だ。

陽一のペニスに手が触れる。

陽一は悟った。

「あっ、あっ、もうもうイキます。」

陽一は凄い勢いで発射してしたった。

これは卒業なのだろうか?

「えっ、もう出ちゃったのごめんね?まだ頑張れる?」

情けない気持ちでいっぱいになってしまった。

「もう少ししたら復活すると思う。」

「じゃあ、お風呂に入ったらベットに行こうか?」

陽一は頷いた。お風呂でイソジンうがい薬と歯ブラシを渡されその後キスをされた。母親意外からの初めてのキスだった。悲しきかな陽一はこの時点でシオンに惚れてしまった。その後お風呂で口でしてもらったが勃つ気配もなくベットへ。

そこで色々な話をした。

自分が大企業の役員だと盛って話した仕事の事、もちろん嘘だが恋人と最近別れた事を陽一は話した。

直ぐ嘘だと分かるような内容だったがシオンは否定もせず楽しそうに話を聞いてくれた。陽一はもうシオン意外いないと思った。

その後勃つ事もなく無情にも60分終了を知らせる電話がなる。延長するお金も持ってきておらずに陽一の初風俗は終わりを告げた。

そして数日後、手作りのお菓子を忍ばせ恋人の館の前に立つ陽一の姿があった。

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