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「優しいね」

陽一は始まってもないし相手に認識されてるかどうかも怪しいのに深く考え込んでしまった。

昨今、連れ子の虐待等の胸が痛くなるニュースを良く耳にするが考えてみたら俺はどうだろう?

他人の男との子供を愛せる程お人好しだろうか?

深く愛すれば愛する程憎しみに変わっていくんじゃないだろうか?

「おい、まだ何も始まってないのに何を考え込んでるんだよ。試合も終わって帰るみたいだから声を掛けてこいよ」

湯原に促されて陽一はスマホに予め打った文章を見せにいった。

(先ほどはぶっかってすいませんでした。お詫びにご飯でも行きませんか?)

相変わらず唐突な文章だった。

シホは少し考えるようなそぶりをして文章を打ち込み始めた。

(ごめんなさい、子供が待ってるんです。少しなら時間があるんでお喋りしませんか?文章ですが笑)

食事は断られたがなんと少し繋がりがもてそうだ。

(喜んで。俺、陽一と言います。試合見てたんですけどサーブカッコ良かったです。てかお子さんいるんですね)

(私はシホと言います。陽一くんって呼んでいい?本当?褒められて嬉しいな。うん、子供は耳の聞こえない私にとっては希望の光なんだ。)

(お子さんの事大切に思ってるんだね。)

(うん。子供の話をするのは好き。付き合ってたと思ってた男は既婚者で妊娠を伝えた瞬間に音信不通でそれっきり。)

(酷い人だったんだね。俺なら大切にするのに。)

文章だからか陽一はいつも以上に強気だ。

(陽一くんは優しいね。)

優しいねだって?俺は湯原にシングルマザーだと聞かされて色々と酷い事を考えてた。買い被りすぎだよ。

陽一は上手く次の文章が浮かばず辛うじて(ありがとう。)とだけ打ち込んだ。

(ねぇ、陽一くん連絡先交換しようよ!)

こうして陽一はシホと連絡先を交換した。

女性との連絡先も増え、マッチングアプリもいいねが相手から時々くる。

今が俺のの人生で一番女性との接点が多いと思っているとさっそくマッチングアプリからの通知だ。

開いてみると女性の顔に見覚えがあった。

この特徴的なモアイ顔はまさかマサヨシの彼女のシオリでは…

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