第五十話 真夜中の戦い⑨
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巨大な旅客船が、空から降ってくる。
ヴィールは魔神ヴェヒタールの液体で受け止めようとするが____
ドオオオォォォォンッ!!!
旅客船は突如として大爆発を引き起こした。
旅客船は木っ端微塵となり、破片がヴィールの元へと落ちてくるが、ヴィールは魔神ヴェヒタールの炎で破片を燃やし、液体で破片をはね除ける。
「ナンダッ!?」
突然の大爆発にキョーランは混乱したが、ヴィールは不思議に思わなかった。
なぜなら西方の空より、満面の酷い笑みを浮かべた金髪エルフを乗せた、重武装の軍用機が現れたからだ。
「……随分と時間がかかったようだな」
重武装の軍用機から金髪のエルフ、トーデスは飛び降りる。
そして、
「空間収納」
巨大な鎌を異空間から取り出し、地面に衝突する直前、巨大な鎌を地面へと振り下ろして突き刺し、落下速度と衝撃を殺した。
巨大な鎌を馬鹿力で地面から引っこ抜いたトーデスは、悠々とヴィールの元へとやってくる。
「申し訳ありませんわ。あの飛行機のメンテナンスに時間が思ったよりも掛かってしまいました。世界大戦時のヴィンテージものなので」
「なるほどな……通りで見覚えのあるような気がしたわけだ」
ヴィールとトーデスの上空から瓦礫を纏った影が、氷柱の如く降ってくる。ヴィールとトーデスは影の氷柱を跳躍で回避するが、地面に着弾した影の氷柱は弾け飛び、瓦礫の散弾が二人を襲う。
「影の悪夢アァッ!!」
巨大な影の塊が二人に迫る。
「冥剣よ」「空間収納」
ヴィールは魔神ヴェヒタールの炎で、トーデスは異空間から取り出した火炎放射器で、巨大な影を焼き尽くす。
「爺や!楽しい滅多撃ちよ!」
トーデスが右腕を上げ、キョーランに向けて振りおろす。その瞬間、軍用機から無数の弾丸と、榴弾が撃ち込まれた。着弾した衝撃によってハイウェイの路面は爆ぜ、近隣の住宅の窓ガラスが木っ端微塵となる。
しかし、キョーランは榴弾や弾丸を苦とせず、影となって、火炎と砲撃の隙間をスルスルと通り抜けて逃げる。
「逃げに回られると厄介ですわね……なら、逃げられるのなら、逃げ道をなくしてしまえば良いわね」
トーデスはある事を思いつき、空間収納で異空間から通信魔導具を取り出すと、軍用機を運転している爺やにあることを伝える。
トーデスは爺やに合図を送る為に、再び右手を挙げた。
「何度ヤッテモ同ジダ!!今度コソ……
ヴィールとトーデスを取り囲む様に、360度、影の槍が出現する。
「死ネエェッ!!!!!!!!」
無数にある影の槍が、二人に向けて一斉に射出される。影の槍の矛先が、一瞬にして目前へと迫る。
【ペンダント ~忘れられし英雄たちと戦いの物語~】を読んでいただきありがとうございます!
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