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第四十四話 真夜中の戦い③


 シャリエッツの運転する車は路地へ猛スピードと入っていく。

 それを追いかけ、黒い魔導車も路地へと入る。


(今はヴィール嬢やアーケラ嬢の裸体のことを考えるな、運転のことだけを考えるんだ私)


 真夜中の路地を猛スピードで運転することは、自殺行為に等しい。

 路地はずっと真っ直ぐという訳ではなく、所々道が斜めになっていたり、突然分かれ道が現われるからである。行く先を確認できるのは魔導車に取り付けられた二つのライトのみ。

 また、シャリエッツの出身は聖国アムステルではなく、カメリーア共和国。土地勘などは無い。

 一つでも運転を誤れば即死。シャリエッツは運転と、道を指示するアーケラの声に集中力の全てを注いでいた。


 キイイイイイイイィィィィィィィィィィーーーー!!!!


「! コイツ、正気か!?」


 黒い魔導車の男は何度も何度も車体を、シャリエッツの運転する魔導車にぶつける。

 魔導車が民家の壁に擦りつけられ、高い金属音とともに車体の塗装が剥がれる。

 シャリエッツは黒い魔導車を運転する男の正気を疑った。この車二台分しか通れない道で、もしシャリエッツの魔導車が事故れば、必然的に黒い魔導車もその事故に巻き込まれるからである。


「次、分かれ道で右です!」

「! そんなに死にたければ、お望み通りにしてあげよう!」


 シャリエッツはあることを思いつき決意する。

 魔導車のアクセルを踏み込み、さらに魔導車のスピードを上げた。

 魔導車のメーターの針はあっという間に限界を指した。


 黒い魔導車も追従してスピードを上げる。

 真夜中の路地を二つの光が凄まじい速さで進む。


「シャリエッツさん!、前!、前!」


 ライトが照らした道先に、分かれ道が現われた。

 このままのスピードなら、間違いなく魔導車は大破する。


「分かってる、さ!!」


 シャリエッツは分かれ道が見えたのと同時に、ブレーキペダルを思いっきり踏んだ。

 魔導車のブレーキパッドが悲鳴を上げる。


 黒い魔導車はシャリエッツの魔導車に車体をぶつけようとしたが、シャリエッツがブレーキをかけて魔導車を後退させたことで、民家の壁に車体側面から激突してしまう。

 すかさず、シャリエッツは再びアクセルペダルを踏み込み、斜め後ろから黒い魔導車に追突する。

 黒い魔導車は斜め後ろから追突されたことで車体が半回転し、シャリエッツの魔導車が黒い魔導車の側面に衝突しながら運転する形となった。


「! はぁっ!」


 分かれ道の直前、シャリエッツはハンドルを右に切る。

 コントロールを失った黒い魔導車は分かれ道に進むことができず、分かれ道の正面にあった料理店へと突っ込んでいった。

 激音とともに、料理店のガラスが飛び散った。


「よくやったぞ、シャリエッツ」

「ギリギリでした……」


 シャリエッツの魔導車の左サイドミラーは無くなり、車窓には大きなヒビが、ボンネットは左半分が凹んでいた。

 あと少しでもハンドルを切るのが遅ければ、シャリエッツの魔導車は大破していただろう。

 シャリエッツはとりあえず一息をつくことができた。

 

【Pendant ~忘れられし英雄たちと戦いの物語~】を読んでいただきありがとうございます!

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