第四十二話 真夜中の戦い①
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「奴らはどうしている、観測手」
『三人とも階段を上がって右の部屋に寝ています』
「確かだろうな?」
『熱感知装置と魔力感知装置は正常に起動しています。仰向けになっている人型を確認できます』
「よし、何か動きがあったらすぐ俺に報告しろ。お前ら、絶対に音を立てるなよ」
アーケラの自宅の裏口には、覆面を被り黒衣を身に纏った男たちがいた。
目には暗視装置を装着し、手には魔導自動小銃を構えている。物々しい雰囲気であった。
一番前にいる隊長格の男が、後ろにいる男たちにハンドサインで合図する。
後ろにいた一人の男が裏口の扉に近づき、ピッキングを開始した。
手慣れた手付きで鍵を弄り、わずか1分足らずで扉の施錠を解除する。
家の中に侵入した覆面の男たちは音をたてぬよう、冷静に、慎重に、且つ素早く家の中を進んでいく。クリアリングは欠かさない。
覆面の男たちは2階の寝室へと到着する。
隊長格の男はそっとドアを開け、ベッドと床に毛布の膨らみを確認した。
ハンドサインで隊長格の男は、3人の男を膨らみの前へと立たせた。そして、右手を挙げると____
右手を勢いよく振り下ろす!
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
3人がそれぞれハンドガンで、頭、首元、腕、足のあたりを正確に撃つ。
マズルフラッシュが点滅し、その光は窓から外へと漏れ出す。
隊長格の男は挙げた手を下げ、覆面の男たちは撃つのを止めた。
部屋の中には火薬の匂いが充満している。
「死体を確認しろ」
「分かりました」
覆面の男たちが、所々銃弾で焼け焦げた毛布を一気に剥がす!
しかし......毛布の中から現れたのは、ヴィールたちの惨殺死体ではなく、等身大の人形であった。
予想外の事態に隊長格の男が慌てながら、観測手の男にすぐさま聞く。
撃った覆面の男たちも驚きのあまり、うろたえる。
「観測手!! どういう事だ!? 俺らが撃ったのは人形だぞ!?
「いや、装置は人の値を...あれ、建物全体が赤くなっt』
「ちくしょう!嵌められたっ!!」
刹那、建物のあちこちの家具から、サーチライトのような閃光が迸る。
暗視装置を付けていた覆面の男たちはもろにその光をくらい、激痛によって悲鳴を上げた。
「あれはっ!?」
あまりの事に呆然としていた観測手だったが、ある物を見つけ、慌てて通信装置を起動する。
『こちら観測手!作戦は失敗した!不審な魔導車が東方面へと走行中!対象らが搭乗している可能性アリ!!』
観測手の持つ魔力感知装置には、人が3人乗った車が映し出された。
【Pendant ~忘れられし英雄たちと戦いの物語~】を読んでいただきありがとうございます!
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