第三十八話 正体
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「ヴィール嬢!大丈夫ですか!?」
シャリエッツはヴィールもことを1㎜足りとも心配していなかったが、聞いたことのない重銃撃音に慌ててヴィールの車両へ駆けてきた。
シャリエッツが三号車に到着すると、ヴィールと知らないエルフが椅子にゆったりと腰掛けていた。
「お、シャリエッツ」
「物凄い銃撃音が聞こえましたが……」
「ああ、このエルフがガトリング銃を車内でぶっ放しただけだ」
ヴィールが「見ろ」と三号車の奥に転がっているものに顔を一瞬向ける
そこにはかつて人だったものが転がっており、魔導列車の車掌を含む乗務員たちが話し合ったりどこかに電話したりと忙しくしていた。
「……麗しきエルフの人よ、顔が分からなくなるほど銃弾を撃ち込むのはどうか思いますよ」
「本当は胸のあたりを狙ったんですけど、銃の調整不足でしたわ」
「……そうですか。今回はその透き通るような美しさに免じて許しましょう」
「あら、ありがと♪」
エルフは美しさを褒められ、シャリエッツにニコッと笑う。
「エルフよ、質問があるのだが……」
「私の名前はエルフじゃなくてトーデスよ」
「……我の名はヴィール、こっちの痴女がシャリエッツだ」
「ヴィール嬢、私は痴女ではなく性の研究s
「トーデスよ、さっきお前がガトリング銃で殺した男の正体について何か知っていないか?」
「あら?てっきり知っているかと思っていましたわ。なら、お教えしますわ」
「ヴィール嬢、そういった放置プレイは夜n
「黙れ」
トーデスは男の正体について話し始めた。
組織名、ルテス・ムア。聖国アムステルを活動の拠点とし、麻薬密売、人身売買、殺人、拷問などありとあらゆる悪行を尽くすギャングの一派である。世界大戦後に急速に勢力を拡大、幾度となくアムステルの聖騎士団と血みどろの争いを繰り広げてきた。
ルテス・ムアのトレードマークは髑髏に一本のチューリップで、ギャングたちはそのトレードマークを右肩に刺青で入れている。
トーデスはヴィールを襲った男の右肩にそのトレードマークがあるのを見つけ、ヴィールから戦いを買い取ったのだ」
「身なりからして見当はついていたが、やはりギャングか」
「ヴィール嬢、スタンポの冒険者組合には常にルテス・ムアのギャングの者たちが潜んでいて、我々が大金を手に入れるのを見て襲ってきたかも知れません」
「……うむ」
「私は目的が金銭だとは思いませんわ」
ヴィールとシャリエッツが納得しそうになった時、トーデスがそれを妨げた。
【Pendant ~忘れられし英雄たちと戦いの物語~】を読んでいただきありがとうございます!
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