第三十三話 ???
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ほとんどの者が辿り着くことができない、暗黒の世界。
その世界は一見すると完全に闇ではあるが、目を凝らしてみれば微かな明かりが灯っている。
微かな明かりは巨大な門を照らしており、その巨大な門にはある一人の男が立っていた。
「……」
男が門へと触れると、門は音を立てることなくゆっくりと開いていく。
門の中もまた暗黒ではあるが、床には皮が敷かれ、奥へと道先を示すように続いている。
男は臆することなく、その皮を伝って歩んでゆく。
しばらく男が歩くと、開かれた空間に到着した。
男は歩くのをピタリと止め、その場に頭を下げ跪く。
「ルシファー様、計画の進捗についてご報告があります」
男が頭を上げれば、目の前にはいつの間にか玉座があり、その玉座には女が座っていた。
三対六枚の黒い翼を持ち、微笑む紅髪の美女の名は堕天使ルシファー。
神と反逆の天使たちの戦争、天使戦争を起こし、天界から追放された堕天使の一人である。
「……ちょうどいいタイミングだわ、ルヴァデツ。私もあなたに言っておきたいことがあるの」
「……なんでしょうか……」
「誰かが魔のペンダントを手に入れたわ」
その言葉に暗黒の世界はざわめいた。
行方知れずのペンダントの所在が分かったという驚声、計画が進むという歓喜の声。
「いかがいたしましょうか、ルシファー様」
「こちらから干渉する必要はないわ、アンユラマンユラは復活するために互いに互いを導かせる。いずれその者とは巡り逢うでしょう」
「御意」
「遮ってしまったけど、計画は順調かしら?」
「はい、問題なく」
「報告ありがとう。では、解散」
暗黒の空間はより一層暗くなり、門を照らす灯りもフッと息をかけられたように消える。
ルヴァデツが顔を上げれば、ルシファーは幻の如く消えていた。
「もう少しか……」
ルヴァデツは誰もいなくなった空間で、一人呟いた。
第一章 完
次章へ続く……
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