第十四話 封印
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「どうしようかな……」
少女アーケラは魔法学校の課題である自由研究を終わらせ、聖国アムステルの首都、ランタの自宅の自室にて石像にかけられている封印について悩んでいた。
少女アーケラはカリトリの森の洞窟から脱出した数日後、自身が落ちた穴から洞窟の中へと再び入り、石像にかけられている封印を調査した。この調査で、石像にかけられている封印は非常に強力なものだと分かった。
少女アーケラは封印に関する知識は持っているが、その知識は魔法高等学校の一般授業で学んだ知識で、基礎的なものだった。少女アーケラの専門は、魔法人形の作成なのである。
この封印を今の自分が解くのは不可能に近いと、少女アーケラは悟った。
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「サヴァーーン!!来たよー?」
なにかに困った時は、専門家や博識な人間の力を借りるのが一番である。
アーケラは魔法学院高等学校の級友の一人である、サヴァンの邸宅へと訪れていた。
「玄関の鍵は開いているから入ってきてくれー」
アーケラは邸宅の中へと入る。
邸宅は三階建てで、邸宅の中心にあたる部分が吹き抜けになっており、天井には照明の巨大なシャンデリラがある。
アーケラは部屋の周りをキョロキョロと見渡すが、サヴァンの姿は無かった。
「サヴァン、どこー?」
「図書室にいる!来てくれ!」
アーケラはサヴァンの邸宅内にある図書館へと入る。
そこには、見知った銀髪の眼鏡の少年がいた。
「はい。頼まれた物。四等級から二等級の封印魔法について書かれている魔導書を用意したよ」
魔法には等級、その魔法の強さを表す値がある。攻撃系統の魔法で表すと……
五等級……当たってもそんなに痛くない。
四等級……当たると痛いが、擦り傷程度。
三等級……当たると怪我をする。死には直結しない。
二等級……当たると大怪我。当たり所が悪ければ即死もありえる。
一等級……当たれば即死。
零等級……回避不可能。一撃必殺。
という具合である。
アーケラは封印魔法についての本格的な知識を得るために、級友から封印魔法について書かれている魔導書を借りたのだ。
「ありがとう!」
アーケラは早速その日から、封印魔法についての知識を学び始めた。
【Pendant ~忘れられし英雄たちと戦いの物語~】を読んでいただきありがとうございます!
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