あれは、爺ちゃんの霊なんかじゃない!爺ちゃん本人だ!
大声を張り上げてはみたがその反応は真逆で
俺を凍りつかせた
その空間は静まり返り皆ピクリとも動かない
空気が凍り付くとは正にこんな状況を指すの
だろう
額に三角頭巾を付けて登場した爺ちゃんも
同じくピクリとも動かない、いや動けない
のか?
ハロウィンの出し物とはいえ不謹慎過ぎたか、
話を持ち込んだ爺ちゃん本人は以外にも面白
がってくれて快く引き受けてくれたのに結果
がコレだ。爺ちゃんにも皆にも申し訳なくて
文字通り脂汗が額に滲む
どうしよう、どうなる。俺のプランは、大爆
笑に包まれた筈なのに大爆死だ
フと気が付くと皆消えていた。爺ちゃんも。
どうなってんだと不思議に思ってると
俺の意識も遠ざかっていく感覚に襲われた
吸い込まれるその瞬間は、毎晩眠りに就く
感覚に似ていた
そして眠りこけ、汗でビッショリ濡れたパ
ジャマの不快な感覚で目を覚ました
夢だったのか。助かった。本気で胸を撫で
おろした。しかし間もなくショッキングな
状況に叩き込まれたのであった。爺ちゃんが
亡くなったという連絡だった
唖然とし愕然としあんなフザケたハロウィン
プランを考えた自分が急に恥ずかしくなった
爺ちゃんごめんなさい、俺の不謹慎なお願い
聞いてくれて。俺があんなネタ考えなければ
もしかしたらこんな事にならなかったのかも
知れない。溢れ出した涙を拭う視線の先に
見えてきたのは爺ちゃん。その表情は
そんな事はない、お前は何も悪くない、だから
何も気にするな
そう言ってくれてる気がした。天国へ登る爺
ちゃんを見守った。爺ちゃんは優しい微笑み
を浮かべ何時までも何時までも俺を見守ってく
れていた
大空に包まれ消えてゆく爺ちゃんを
見届けた
タイトルは何だか笑えるセリフだなと思い付いた文句。そこに無理矢理物語を肉付けしギャグ作品に落ち着かせるつもりだったのに、結局なんだかちょっと?イイ話に着地するという、文字通り紆余曲折しまくった話になりました。