転売や転売ヤーは何が悪いのか? 何が問題なのか?
『安く買って高く売る』コレは昔からある商売の理念です。
分かりやすい例を出すと、米の相場が安い場所で大量に仕入れて相場の高い場所で売る事で利益を得る、ゲームだと三国志や信長の野望などで資金を稼ぐ方法として知られています。
コレだけを聞けば転売は何も問題ないと思う人も出るでしょうが、実際の転売の状況では市場を破壊していく害悪でしかありません。
では何故害悪なのかという理由をポケモンカードとPS5本体の二つの例で挙げていきましょう。
<ポケモンカードの場合>
10月現在はある程度緩和されましたが、以前はパックやボックスの入手が転売ヤーからの購入以外では非常に困難な状況が続きました。
この入手困難な状況が続く事によって何が起きるかというと、新製品が手に入らない事でプレイしている一般ユーザーの引退と新規ユーザーが離れたり入って来なくなります。
これらが続けばプレイ人口は減少し、ポケモンカードが廃れて販売・サービス終了する可能性も出てきます。
他にも転売ヤーの買い占め行為により過剰供給となった販売元やカードショップが、ユーザーの離脱によって不良在庫を大量に抱える羽目になり経営を圧迫させられる事態も引き起ります。
<PS5本体の場合>
現在転売ヤーのせいで一般の人にはPS5本体の入手がさらに困難になっています。
コレでは一般の人へ届きにくいという問題が一番目に付きますが、一番の問題はゲーム機が普及しない事でPS5用のゲームが売れなくなっているのが非常に痛い問題なのです。
なぜ痛い問題なのかというと、PS5本体が普及しない事にはPS5用のゲームでは利益が出ず、ゲームが売れない事には本体を販売しているソニーにも利益が回って来なくなります。
でも本体が売れているソニーは利益出ているんじゃないか?
と思う人もいるでしょうがPS5本体は売れば売るほど赤字です。
※この赤字という情報はソニーの決算短信・業績説明会資料の中で
『(-)PS5™ハードウェアの製造コストを下回る戦略的な価格設定による損失』と記載されています。
なのでこの状況が長く続くと新型PS5が出るのも遅れるだけでなく、本体を欲しがる人の減少により本体とゲームが売れずソニーがゲーム機事業から撤退する可能性すら出てきます。
この様に転売ヤーによる買い占めは我々一般ユーザーだけでなく販売メーカーにすら害を与えているのが現状であり、例え商品やメーカーが潰れても別の獲物に移っていくだけの転売ヤーは蝗害よりも害悪でしょう。