表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

神域の森:女王の寵愛

タイトルが微妙にダサいような…

「も、もう大丈夫ですから…あと私あなたの名前聞いてないんですが…」

「その口調なんかいや。もっと楽にしていいよ。名前、名前…えーと」

名前を覚えてないのか…?確かにこんな森だし、人と会う機会がないのは知ってたが…

「あ!そうだ!アンリフィート!アンリって呼んで!そっちの方がいいと思う!」

「じゃあ…アンリ」

「うんうん、いい感じ!」

アンリの見た目は自分より少し上…二十歳だろうか?というか人と会った事が無いからなのかテンションがおかしい。ふと外を見ると日が落ちてきていた。随分と長話をしたようだ。異世界の夕日も地球と変わらないと窓を眺めていると、

「もう夜ね…晩ご飯にしましょう!…といっても果実しかないけどね」

そういってアンリは一つの果物を持ってきた。スイカ程の大きさだ。これをどう調理するのだろうかと思っていると

「えいっ」

アンリが素手で真っ二つにした。

「えいえいえいえいっ」

そして手頃なサイズに切り分けられた。

「どうぞー」

「あ、あぁ…」

これが異世界の調理方法なのだろうか…ちなみにその果物はとてもジューシーで美味しかった

それからはいろいろあった。

「寝るところは私と一緒!」

「いきなりそれはレベルが高い…!」

と、なんとか断ろうとしたのだが…

「私がクロトのそばにいる!だからもう寂しい思いはさせないよ…」

そう言いながら抱きしめられると…

「あ、あぁ…わかった…」

「ふふっ…」

これを知ってしまった俺は抱きしめに逆らえ無かった。

sideアンリフィート

ふふ、ふふ、ふふふふふ…やっぱりクロトは可愛い。孤独な雰囲気を漂わせてるクロトだけど、抱きしめてあげると一気にふにゃふにゃになる。彼が私に身を預ける感覚が気持ちいい。隣で寝ている彼を撫でる。そうすると私にくっつく。私という暖かさを逃したくないのだろう。私に抱きついてきた。

「私は居なくならないよ…」

そこで気づいた。彼が、クロトが涙を流していたのだ。昔の夢を見ているのだろう…か細い声で

「いかないで…いかないでよぉ…」

と泣いていた。私は堪らず彼を抱きしめた。

「大丈夫…大丈夫…私はここにいるよ…!」

私は決めた。彼が起きている時にやりたかったが、いまやる事にした。

「クロト…んっ」

彼の唇を奪った。起きないように、でもじっくり。そして、

「我は妖精の女王、名はアンリフィート。風見黒斗、我が愛し子。そなたに永遠なる妖精の祝福を。妖精女王アンリフィートの寵愛を授けよう…んっ」

加護の詠唱をし、首に口づけをする。本当はどこでも良いのだが、なんとなくそこにしたくなったからだ。物語の妖精達も、そこにしていたし。

「…ちゅ…はぁ。ふふっ」

首にしっかりと痕をつけた。その痕は少しの間仄かに光って、消えた。

「何度だって言うわ。あなたの孤独は、私が癒す。」

彼を抱きしめて目を閉じる。クロトはもう涙を流していなかった。

ブクマや感想など励みになります…!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ