49 次の試合への気持ち
それぞれの雰囲気。
とある日の夕方。夕食時間を待ちつつ、俺たちはテレビを見ていた。
『スポーツが精神を必ず健常化するわけでもありません。野球ひとつをとっても、部内の暴力事件などは過去にいくらでもあります。もちろん、闘争心とルールを両立させるもの、ルールを伴なった闘争がスポーツである以上、健全な精神、というものの育成にスポーツが一定の効果はあると思います。しかし根本にあるものは、その競技における理念、精神性。いわば【何を誇りとするか】という点です。これを【教育する】ことこそが、学生のスポーツにおいて最も肝心な事だと思います』
『弘前野球部では、どのような教育を?』
『ウチは野球部の強さで言えば、弱小の中の弱小レベルでしたからね。それが練習であろうと試合であろうと、野球をプレイする事で嫌な気持ちになる事がないよう、それを部員同士が心がけていたと思います』
『練習で辛い思いをしたり、試合に負けて嫌な空気になった事は?』
『ありませんでした。そもそも、弱かったので【戦犯探し】などの、責任を誰かのせいにして自分を守る状況に無かったですし、弱かったので【成果を出すための練習】だと、皆が納得して練習していましたからね。練習時間も限られていたので、無闇に身体を動かすだけ、という事はしませんでしたね。部員が知恵を出して練習方法を決めました。弱さを自覚しているからこそ、仲間や相手に対する【思いやり】というものがあったと思います』
『根性論などについて、思うところはあるでしょうか』
『根性によって壁を乗り越える、という事はあります。しかしそれは【根拠のある方法論】が根底になければ無意味です。精神だけで何事も可能になるならば、人間は念じるだけで空を飛べるようになっていないと不自然です。根性は肉体能力の限界を攻めて上限を上げる効果を狙う、つまり自分の能力を正確に理解しつつ超回復などによる肉体強化を得るために必要なものであって、理論の無い精神論ではありません。スポーツ教育者は、その点を自覚する必要があると思います。そもそも、根性論が多く唱えられた時代、今から30年前とか40年前とかに比べれば、選手の練習環境も大きく変わりました。気温30度で猛暑だ、と言われていた時代と、気温30度で涼しいですね!と言われているくらいには環境が違うんです。そういう事を思い起こして、現代環境に合ったスポーツ教育を…』
テレビではスポーツ問題討論的な、緊急立ち上げ感が漂う番組に、平塚先生がスカイプで参加していた。甲子園大会が始まる前から特訓していたインタビュー練習の成果もあり、その態度たるや堂々としたものだ。実に安定感が出ている。
「なんか平塚先生の顔を、ここ最近のテレビで見ない日が無いんだけど」
「一躍、時の人だなぁ」「テレビでの顔が精悍に見える気がする」
「人格者として評価されているみたいな」「いつの間に」
「野球教育者として株が爆上げらしい」「買いか」
口ぐちに平塚先生の感想を言う俺たち弘前高校野球部員。それをまとめるように、山崎が口を開く。
「スポーツ教育の現代の顔!として、取材依頼が入りまくりだそうよ。なんか疲れてた。あとねー、本当に買いに入った人もいるらしいわよ。平塚先生って、独身じゃない?」
その言葉に、皆の言葉がピタリと止まる。山崎を振り返る。
「それって、まさか」
「非公認ファンクラブが立ちあがってるらしいわよ。あと、交際申し込みみたいなものが何件かあるんですって!主に地元の教育関係者らしいけど。平塚先生も40過ぎだし、人生の墓場に入るにはちょうどいい頃合いよね。蔵の戸が開いているうちに年貢を納めにいけばいいんじゃない?結婚には真面目な人が安心できるって事かなー。地方公務員だし」
ここに来て、まさかの平塚先生モテ期か。いや、遅れてきた甲子園バブルだろうか。
しかし野球教育という点ではほぼ放し飼い状態だし、教育者という点では温厚で常識人というくらいで平塚先生の教育は目立った欠点もないが特に目立ったところもなく、取材に答える基本的な方針やら何やらのほぼ半分くらいは山崎が原稿を渡していたものを平塚先生がアレンジしたものだ。専門的な質問があったらどうするべきか、とかを山崎に聞いていたところを見てるし。平塚先生の虚像がすごい。
山崎の外面、弘前高校野球部イメージ、平塚先生の野球教育者としての顔と、なにやら虚像が一人歩きしている感じがすごい。中には甲子園マスクみたいに虚像が現実化したような怪奇現象まである。これがマスメディアの力か。恐ろしいな。
「あ、そういえば新商品が出てたわ」
山崎が足元の手提げから包みを出して包装紙を破る。
パッケージには『甲子園マスクまんじゅう(ミルク・コーヒー味)』と書かれていた。
「安定の商品だな」「ミルク味欲しい」「おれコーヒー」
最近のお小遣いの一部は、甲子園マスク関係の菓子に使われている。ゴーフル・煎餅・クッキー・どら焼き・饅頭などの焼き菓子、チョコや飴なんかも出ている。大体は既存の商品のパッケージ変更品と思われるものばかりだが、その中には『甲』の文字がプリントされたクッキーなんかもあって、『これ絶対に関係ない商品だろ!』と突っ込みを入れるような代物もあった。関西的にボケとツッコミまでが商品の一部なんだろうか。
ミルク饅頭をモシャモシャやりながら、俺は誰に言うともなく口を開いた。
「そろそろ第3試合も近づいてきたなー」
第2試合が終わってから、甲子園マスク(の呪いと量産型)が大暴れするという事態を含め、マスメディア各種の取材や負傷者の治療の手続きもあって、誰かが何かしら雑用をやっているような雰囲気があった。平塚先生は今も忙しそうだし。
それでも大会は着々と進んでいる。もうそろそろ第3試合、3回戦の第1試合、俺たちの3つ目の試合が近づいてきていた。
「正直、やり切った感があるわよね」
「イベント盛りだくさんな感は否定できんが」
試合の他も含めてな。
ラフプレーをした、された、の事情聴取だって普通の選手には縁がないものだし。負傷した2人に至っては被害者の気持ちとかを根掘り葉掘りインタビューされていたし。
試合は試合で、大会記録更新しまくりな初戦に、特殊な意味で気を抜く余地の無かった第2試合。試合間隔がすごく開いているから休みは充分だが、気疲れは半端ない。次の試合は普通だと思うが、普通の試合を続けてきた他のチームに対して、ウチは普通の試合というだけで気が抜けそうだ。
「そろそろ勝てないような気もするし。でももう1つくらいは勝ちたいわよねー」
おや、山崎さんが弱気かな?
「勝てないと来ましたか」
「そろそろウチのアドバンテージが失われつつあるというか」
ほほう。
それは興味あるな、と皆も山崎に向き直る。夕食前で集まっていたから、監督を除く野球部全員がここにいる。会議には問題ない。
「弘前野球部の強さとしてのアドバンテージは、部員の野球能力が突貫工事的に上がったため、前年度のデータが役に立たなかったり、そもそも選手データが無かった事による、情報不足ってものがあるわよね?」
「まあな。前年度の秋も今年の春も、人数不足で参加すらしてないし」
「中学の有名選手なんて1人もいないし。山崎と北島は謎枠だけど」
「夏の県大会だって、ベスト8に入った時点じゃ問題外扱いだったし」
「偵察とか取材が始まったのって、準決勝からじゃなかったっけ?」
思い返せば、そんな感じだった気がする。
「真面目にウチの対策を取ってきたのって、県大会だと雲雀ヶ丘と明星くらいしか覚えがないでしょ?」
「まあなぁ。決勝はともかくとして、雲雀ヶ丘は自分達が弱い方だと自覚してるからこその全方位対策だって事だろうけど」
それでも勝つつもりだったんだよな、雲雀ヶ丘は。だからこそ苦戦した。
「しかし弘前はもう実績もできた。なんちゃって強豪校の仲間入りよ!」
「「「言い方」」」
確かに強豪2校を倒してるし。聖皇はもとより、入善東も普通に実力はあった訳だし。
「ウチの県大会の試合内容から、対策を研究もされてると思う。となると」
「と、なると?」
どうなるのかな。
「手札が少なく、基本的な練習量の足りない特化型チームである弘前は、相性の悪いチームや、手札の多くてレベルの高いチームとやり合うと、勝率が格段に落ちてくる」
「「「ああー」」」
それは納得する。正直、第1試合は負けてもおかしくはなかった。相手が正直に正面からやりあってくれた上、俺たちの情報が少ないのをいい事に逃げきっただけで。もう1回試合をやったら負ける可能性が高い。
もう守備が弱い攻撃特化型というのはバレてるし、投手能力としては山崎を抜けば全国レベルには足りない。山崎を投手に据えると内野守備力が落ちるし、さすがの山崎も全力投球で9イニングは投げられないだろう。投手メインの練習してないからなー。
要は地力が足りない。うまい事やって打撃戦のドサクサで勝ち抜いたチームと言えなくもないわけだ。しかし、打撃は強いわけだし勝てないわけでもない、と思うが。
「そりゃ勝てないわけでもないけれど、そろそろ勝率は5分以下になるでしょーよ」
「そりゃもっともか」
いきなり全国優勝とか無理と言えば無理。まぁ、それも運次第だろうが。そこら辺を割り切っているからこその気負いのない試合姿勢とも言えるのだが。
「本来、あたしはセーブ投手なわけで。でも、主力の投手が1名欠場状態。前田くんには死ぬ気でプレッシャーと戦ってもらうとして」
げええ、という声が前田の方から聞こえた。
「失点はいつもより多め、それ以上の得点をできるか…?と言えば?」
「そろそろキツイかぁ」
さすがに全打席敬遠とか、実績ができた記録本塁打数選手とはいえ、初出場校の無名1年坊主相手には無いと思うけど、要所要所での敬遠は普通にありそう。
「それに、あたしにだって打てない球はあると思うしね」
「「「えっっっ」」」
絶句。おれも。
静寂が俺たちに訪れる。こいつ、絶対無敵のホームランモンスターじゃないの?
「そりゃまだ見てないけどね。でも、可能性としてはあるわよ?あたしや悟でも対応できないような、鋭い変化と速度の変化球とかね?」
「…うーん。確かに。あくまで、『今まで適応できた球が相手だった』からだしなぁ」
確かに山崎は俺よりも遥か上だと思うが、それでも【俺の上位互換】であるはずだから、俺達が無敵のチートキャラではない、という事は理解している。
肉体能力の限界、物理限界を超えられないし、そもそも俺達の『覚醒』は、あくまで『正確な予測と対応』を可能にする能力だ。【予測を超える未見の変化率や球種】あるいは【肉体の対応能力を超えてしまった場合】とか、もっと言えば【予測をめちゃくちゃミスった場合】なんかも打てない、あるいは『思いっきり打ち損なう』可能性がある。
つまり経験不足で打率がぐんと下がる、という可能性はある。可能性としてだが。あとホームラン以外を打った場合、守備次第でアウトになる可能性も充分あるし。
「大抵の事には対応できるつもりだけど、それでも、あたし達は経験がそれほどでもないからね。知らない技術とか慣れてない駆け引きとか。気づいてない欠点を突かれるかも。ちなみに皆、自分が不得意なところを突かれて、そこそこ対応できる自信は?」
「「「無理っス」」」
俺も。というか、能力的に山崎の下位互換なのに。山崎に対抗できる相手とか出てきた場合、俺が対抗できるとは思えない。無理ゲーとか言うやつじゃなかろうか。
「まぁ、全国大会の初出場校としては、2回も勝ったんだから申し分ないと言えば申し分ないんだけど…」
「だけど?」
少しだけ真面目で、それでいて邪悪な目つきで、山崎は言った。
「プレミア感のために、できればあと1回勝ちたいという欲は出てきた」
「「「言い方」」」
どうしてそういう言い方をするか。
「いやだってほら、3回戦を勝てば準々決勝、ベスト8よ?現状だってベスト16と言えるけどさぁ、組み合わせ抽選のあるベスト8とベスト16じゃ、プレミア感が相当違うというか。全国ベスト8って言えば実力者!って感じがするけど、ベスト16以下じゃあ」
「「「言い方ァ!!!」」」
それ以上言うな。
世間の見方としてそういうイメージがあったとしても、スポーツ関係者として言っちゃいけない言葉ってのがあるんだよ。お前はもう少し表現を抑えろよな。外面だけは注意してるんだから、もっと普段からちゃんとしなさいよまったく。
だいたい、6回勝ったら優勝のトーナメントなんだから、3回勝ったらプレミア感倍増なのは仕方ないじゃん。それでも全国大会なんだからな!ベスト16だって大したものだよ!
あれっ?今の弘前野球部って、全国的に大した事になってる?
いっつもドタバタしてるから自覚なかったけど、対外評価が爆上がり?
そういえばチームとして、新記録樹立高校として当分の間、名前が残るな…
「ああそう言えば悟」
「あっはい。何でしょうか」
意識が散漫になってた。
「アプリの会議室で雲雀ヶ丘の皆とか、あと母さんからも教えてもらったんだけどさー。地元じゃ弘前高校の野球部関係で大フィーバーだって。北島のおばさん、近所の寄り合いとかで息子の自慢しまくりだそうだし。なんか子供の教育に関する講演会とかにも呼ばれて、昨日は美容院に行ったとか」
「いやぁァァァァそんな事聞きたくないィィィ」
やめてよ!そういうのホント聞きたくないから!!
「あと事の大小はあれど、皆の家族も似たようなもんだってさ。みんな地元の祭りとかにVIP枠で招待されたりとかで息子の昔話をしまくりとか。大槻センパイの親御さんなんか、地元の機関紙で期間限定のコラム枠を担当してて。思いやりのある子どもの育て方とか何とか」
「「「嫌だぁァァァァ!!!」」」「勘弁してぇええ」
仕方ないと言えば仕方ないんだろうけど。親戚のおじさんに昔の話をされるくらいには嫌なんですけど。勘弁して下さいよ皆さん。
「こういうのも有名税って言うのかしら?」
「なんか違う気がする」
ちなみに。山崎の家も似たようなものだという。もっとも、あいつの両親は昔から娘にベタ甘で娘の自慢しまくりだったから、本人は気にしていないとか。
「ああ、それとね」
「あっはい」
山崎が何か追加してきた。
「ご近所さんつながりで、あたし達の両親が揃ってインタビュー受けたらしくてさ。そこで山崎さんの娘さんと北島さんの息子さんが、昔から仲が良かったとか何とか色々と言いふらしちゃったらしくて」
「おいちょっと待て」
何だその不穏な情報は。
「帰ってからのアンタの恋愛ブルジョワジーへの仲間入りは遠のきそうよ」
「あとで文句言ってやらぁ!!!」
風評被害ってのは、親族から始まるものだと知った。
※※※※※※※※※※※※※※※
【3回戦進出校 『私立:関東総合高校』 ミーティングにて】
「さあて。3回戦も近づいてきたな。どうだお前ら」
「「「緊張します」」」
選手からは程よい緊張感を持った声が返ってくる。監督の言葉が続く。
「全国大会前の情報の少ない弘前高校だがな、注目選手の山崎の情報が少ないながらも上がってきた。山崎は中学時代は学生リーグには在籍しておらず、なんと社会人野球の選手として大人チーム相手の傭兵稼業のような事をしていたそうだ」
「「「おおおー」」」
驚きの歓声。
「なお、その時に呼ばれていた異名が『赤い秘密兵器』だそうでな。レッドフォックスというチームのリリーフエースだったそうだ。チームとしては可もなく不可もないチームだったそうだが、山崎選手が抑えに入った試合は、すべて勝利している。まさに抑えの秘密兵器というわけだ」
「「「…ははは」」」
笑っていいのやら困ったようなリアクションが返ってくる。普通なら大笑いするところかも知れないが、山崎選手の実力からすれば、笑うに笑えないところだ。
「そして北島だが、なんと山崎の家の5軒向こうの家だそうで?昔からの幼馴染で、山崎が北島を引っ張り回していたそうだ。子供のころは、山崎の子分扱いだったらしい」
「よくそんな事まで調べられましたねぇ」
「地元の機関紙のインタビューで、御両親が話している記事が載っていたんだ。北島も謎が多い選手だが、山崎の謎ぶりと合わせて考えて、この2人をセットで考えれば謎の数は1つとも言えるな。中学以前の練習環境は、2人合わせてひとつ。おそらくは、同じ指導者に指導され、高校デビューまで温存されていたとか?まぁあくまで想像だが」
実力を隠して無名校にこれだけの選手を送り込んだとすれば、有名校に何かしら確執のある指導者なのかも知れないと、監督はそう考える。
「まぁ、細かい事は省こう。弘前高校、打者としての山崎と北島を徹底的に抑えれば、勝ち目は充分にある。守備に気を抜かなければ、ウチの実力ならいけるだろう」
「…全打席の敬遠策、とか?」
選手からは少し心配そうな声が上がる。
「帰り道に観客から空き缶を投げられるような真似は、ちょっと俺の心臓では無理だな。敬遠はランナーがあれば視野に入れる。だが、攻略の可能性があるのなら、まずはその方法を試してみないとな。要はな、長打さえ抑えれば…山崎に関しては連続本塁打記録をストップできれば、という事だが…それでいい。三振に取る必要はない。シングルヒットなら、守備側の勝ちと言っていい相手だ。2塁打までは許容範囲と思え」
「「「はい!!」」」
失点しない試合など、滅多にない。それが強力打線を擁するチームならば、尚更だ。
「鈴木!!」
「は、はい!!」
控えピッチャーの鈴木が、驚いたような声を出す。
「お前が先発だ。山崎から北島までは、お前が相手しろ。イニング内で、小島とポジションチェンジで回していくぞ。無理しないで調子を整えておけ」
「あっ、はい!…で、でも」
何か言いたそうにする鈴木。
「何だ?何かあったか?」
「俺の球で、通じるでしょうか…?」
何だ。そんな事かと、監督は笑いながら言った。
「作戦として、可能性のある方法を試すだけだ。別に責任問題なんかにしない。そこは心配するな。…それにな。山崎と北島だが、お前の『得意技』を、苦手にしている可能性がある。少なくとも、記録の残っている試合では、社会人野球、公式戦と合わせても、経験していないはずだ。相手をした事のないタイプなら、慣れるまでは通用するかもしれん」
「はい!がんばります!!」
あんまり気を入れるなよ。長所が薄れるぞ、と声をかける監督。
「いいかお前ら。鈴木の例もあるが、どんな相手のどんな技術でも、慣れればどうにでもなる。これは鈴木の『得意技』だろうが、山崎の160キロだろうが同じだ。弘前の県大会の映像を含めて、すでに情報は出揃っている。最悪、打てる球だけをどうにかしたって、点は取れるんだ。相手は初出場の怖いもの無しだが、こちらは試合経験の多いベテランだ。落ち着いていけばいい。山崎だって、最初から最後まで全力投球はしてられんのだ」
「「「はいっ!!!」」」
いい返事が返ってくる。適度な気負いと、緊張感を感じる。
「全国の壁の厚さというものを、弘前高校には経験してもらおう」
夏の全国優勝経験のある、関東総合高校の監督、『名将』と敬称をつけて呼ばれる事もある東郷監督は、落ち着いた笑みを見せて、そう言ったのだった。
やめてくれよ母さん!恥ずかしいだろ!!よくある台詞。的な。
それはそうと誤字修正などでの誤字報告機能の活用、毎度ありがとうございます。添削に赤丸がつかないような原稿作成と投稿を目指していますので、気長にお付き合いください。
土産物の好みとしては、ハズレの少ない饅頭が好きな筆者です。ときどき「なんでこんなもん練り込んだ?!」と言いたくなるような大外れもありますけれど。番茶を練り込んだ饅頭とかなぜ作った。
更新ペースは不定期です。というか初期のころとかは先の方の書くことが決まっていて「もうとっとと話進めて次の話を書きたい」などとよく分からんスタイルで書いていたので睡眠時間を削って書いていた覚えがあります。現在はポチポチとゆっくり進めています。
こんな作品でも良ければ、ブックマークなどをポチリと。評価は最新話の下でポチポチと。お気持ちで。とりあえずまだ0時圏内だからいつもの時間更新滑り込みOKと思うので更新しておきます。




