122 暗黒
いつもの時間に更新が間に合わなかったわん。でもGWだからすぐ投稿します。
―― 開会式から、12日ほど経った。
「待ちに待ってた2回戦よ!! 」
「「おう!! 」」「ホンマそれ」「待ちわびたで」
弘前高校野球部、夏の高校野球選手権大会。夏の甲子園での二回戦。本来ならば1週間ほどで迎えたはずの2試合目のその日が、度重なる豪雨による順延により日程が伸びて…… ようやくやってきた。グラウンド練習の時間も少ないのに、これ以上日程が伸びたら冬場並に試合感覚が鈍る!! いい加減にしてくれ!! と思っていたところ、ようやく試合の順番が回ってきたところだ。
なお、弘前高校野球部員は関西地域の出身である余慶学院との交流が増えたせいか、一部の部員に関西弁が少しうつってしまっている。かくいう俺も不意に関西弁のイントネーションとかが自然に出てしまう事がある。もしかしたら関西弁というモノには伝染性があるのかも知れない。
ちなみに余慶学院も1回戦を勝ち抜いている。あの連中との付き合いはもう少し続きそうだと思うとともに。それも俺達が今日の試合を勝てばの話だな、と。少しばかり気を引き締める。
「試合日程がズレ込んだり開始時間が変わったりしてるけど、気持ちを切らさないように行くわよ―― !! 」
「「「おおっしゃ―――― !! 」」」
平塚監督でも松野キャプテンでもなく、山崎が音頭を取るこの光景も、なんだか久しぶりに感じる。待ちに待ってた試合の日!! 全国大会の2回戦に挑むという緊張感よりも、試合ができる!! という高揚感を胸にして。俺達は宿泊所から出発していった――――
※※※※※※※※※※※※
そんな俺達が甲子園球場に着いて。
俺達の前の試合が終わる順番待ちをしている。
もう5時間近くも待っている。
「アカン気持ちが切れる」「だめっスわ」
「もういい加減にして欲しいんですけどねぇ」「ねえ試合まだー?? 」
仲間の口から、そんな言葉が漏れているのが聞こえる。
順番待ちである。前の前の試合が終わるくらいには現地に到着し、試合を終えたチームのインタビューが終わって屋内練習場が空いたらすぐに入れ替わりで入って、ウォームアップしながら気持ちをさらに盛り上げて、テンションマックスでグラウンドに入ろうと思っていたのに。
ここ最近は当たり前になってきた『雨により一時中断します』という例のヤツで屋内練習場への移動をしばらく待つ事となり。
屋内練習場に入る事ができて、試合前のインタビューを受けたり試合の準備をして軽く体を動かしつつ前の試合が終わるのを待っていたら。
俺達の前の試合が、またも中断と続行と中断で長引き、まだ終わらない。休憩をはさみながら体を動かしているので体の調子は悪くないのだが、気持ちの方が下降気味だ。
まだかなー、と。ぼんやり考えていると、大会関係者と思われる人が通路から駆け込んできて辺りを見回すと、平塚監督の方へと小走りに近づいていった。
『 ―― 弘前高校の皆さん、準備をお願いします。試合前のグラウンド練習は時間短縮になりますので、そのつもりでお願いします』
「分かりました。よぉ――しみんな!! 集合だ!! 」
「「「はいっ !! 」」」「「待ってましたぁ!! 」」
元気よく返事をしてから、わぁーい、と歓声を上げて喜ぶ俺達だった。やっとグラウンドで野球ができるぞと喜びながら、行儀よく整列して歩いてゆく俺達。今日の試合も前回と同じく三塁側ベンチだから、1回戦の時に使った通路と同じ順路を歩いてゆきグラウンドへと入る。
「前の試合で『このカクテルライトを見るのは、これが最後ね』とか思ってたけど…… そんな事は無かったわね!! 」
「今日もナイターだもんな!! 」「もう最近は普通だし」「雨もな」
「帰りに照明をよく見ておこうっと」「俺も」
本日もナイターです。弘前高校、甲子園球場でのナイターは2回目。
「まだ小雨が降ってるし。風邪を引かないようにしないとね」
「回転よく試合を進めようぜ」
雨に関しては全く油断できない。今日一日ずっと雨が降っていたせいか気温も低め。室内よりも屋外の方が気温が低いように感じる。雨は収まってきているが、霧のような雨が降り続いている。体を動かしている間は問題ないだろうが、待機時間に体が冷えてしまわないように気を付ける必要があるだろう。ベンチに戻った時にはタオルをすぐに使うように、お互いに声かけするべきだな。そして待機時間を短く、テンポよく進めて行こう。
なお、今日の天気と遅くなる事が確定している夕食の事も気になっているが、もちろん今日の試合の相手チームの事だって忘れてはいない。
今日の対戦相手は関東地区から参加している『 小嶋 商業 』。学校の歴史はそれほど古くはないが(つまり昭和以降に開校されたという事だ)夏の選手権大会への出場回数は今回で10回目。充分に強豪校である。
もっとも俺達、弘前高校野球部での認識は『地元で言うとたぶん飯坂工高みたいな感じ』というくらいの、ふわっとした感覚。もちろん投手関係の情報は予習復習しているし、相手監督の性格分析みたいな事もしている。だが物凄く注目されているスター選手みたいなプレイヤーは居ないし、『普通に強い県代表』みたいに認識している。実力で予選を勝ち抜いて来た、真っ当な代表校。ただし特別な特徴は無い、みたいな。
そんな事よりも今は自分達が普段通りの能力を発揮できるかどうかが問題だ、と思っている俺達だった。とにかく1回戦と2回戦の間は試合間隔が長いし、今大会は天候不順でさらにスケジュールが遅れている。
大会進行がもっと進めば試合間隔が狭くなって、良い意味で試合感覚とかが維持できるし、ある意味で練習不足的な事も気にしなくて済むのだが。試合間隔は適度に短い方が都合いい事もあるんだよなぁ。
「相手校は甲子園でのナイターは初めてよね。立ち上がりはウチのチーム有利かな?? 」
そうだったかな。山崎の言葉で思い出したけど、小嶋 商業さんの1回戦はデーゲームだっけ。いや、高校野球の全国大会は基本的にデーゲームなんだけどさ。ナイターもあります、っていうのが今後は普通になるんだろうか。
「今日も会社帰りのお客さんが多い感じよね」
「夏の高校野球って、地元の娯楽なんだよなぁ」
ビアガールのお姉さん達が、今日も元気に観客席を回っているのが見えた。雨が多少降ってても、大人はやっぱり飲むんだよな……
空を埋め尽くしている厚い雨雲のせいか、夜の訪れが早く感じる中。
試合開始のサイレンが鳴り響いた。先攻は小嶋商業、弘前高校は守備からのスタートだ。スターティングメンバーは大会開始時に決めた基本メンバーのまま。投手の組み立ても同様。川上先輩から前田へとつなぎ、抑えは山崎。余裕があれば1年生投手をピンポイントで起用する可能性もあるが、それは今日の相手チームの調子次第という所だろう。
そんな事を考えつつ、投球を見守る。
カキィン
三投目。ちょっといい音を立てて飛んだ打球は高く上がり、ライトへと飛んで行った。本塁打ではないが深い所まで飛んで行く打球だ。いいとこ打って来ますね!!
「悟!! 」「おう!! 」
俺は返球のカット位置へと走り、山崎は二塁カバー位置へと。そんないつもの動きをしながら、俺達の2回戦は始まったのだった。
そして小雨が降り続く中、試合は進んでゆく。
※※※※※※※※※※※※
【 国営放送 放送席 】
『 ―― 天候不順のため、グラウンド練習を短縮して本日の最終試合が始まりました。先攻は小嶋 商業、守備側には弘前 高校。小嶋 商業は打線を少しいじって来ましたが、弘前は1回戦と同じ布陣ですね。センターとライトの1年生部員も変更無しです』
『弘前は部員が少ないですし、選択肢は多くないですからね。安定したパターンでいつもの展開に持って行ければ良し、という事でしょう。小嶋 商業としては弘前の作戦というか方針は想定通りでしょうし、弘前の先発と中継ぎからどうやって効率よく点を取るか、という事で色々と対策を立てて来たんじゃないでしょうか』
『 ―― カウントはボールツー、ノーストライクですね』
『次は来そうですね。当たったとして打球がどこへ飛ぶか。センターからライトの間なら長打もあり得ます』
『 ―― 打ちました!! 打球は一塁線を…… フェア!! 転がるボールをライトが追う間にランナーは二塁へと向かいます!! 』
『いい所へ飛びましたねー。ナイターですし、今日の天候では打ち上げたボールの目測を見誤る事も充分にあり得ます。ゴロはともかく、上に上がればどうなるか分かりませんよ』
『今日の試合は雨の影響でエラーが多かったようですが、この試合も荒れそうですかね? 』
『雨の程度問題かも知れませんが、慣れるまではエラーが増えるかも知れませんね』
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【 途中経過 】3回表 終了時点
小嶋 2 1 2 |5
弘前 3 0 |3
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【 国営放送 放送席 】
『両チームともエラーと、それに近いプレーが多く発生して試合が進行している気がしますね。特に弘前の失点は捕球ミスが多かったような。どう思われますか? 』
『仕方ない気もしますが、小嶋 商業に比べても、少し目立ちますね。外野への安打以外でも、一塁線や三塁線でのエラーが発生していますし』
『ときどき雨の降りが強くなっていますし、打撃もそうですが、守備は特に大変そうですね』
『はい。体感温度だけとっても、降りが強ければ寒くなるし、弱ければ蒸し暑いですしね。我々が思っている以上に体力を消耗しているかも知れません』
『しかし、その中でもKYコンビは軽快に動いてますね』
『捕球や送球のミスもしてませんし、他の部員に比べても、あまり雨を気にしてないみたいですね。イレギュラーな環境の練習でもしてたんでしょうか? 単に目や指先の感覚が慣れるのが早いのかも知れませんが…… 』
『打撃も相変わらず安定してますしね。今のところ申告敬遠もありませんが、今後はどうでしょうか? 』
『得点差しだい、でしょうかね? 今のところ追いつ追われつ、という展開ですし』
『打撃戦の展開になりますか? 』
『雨のせいか守備が弱くなってますからね。充分に考えられます』
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【 途中経過 】5回終了時点
小嶋 2 1 2 2 3 |10
弘前 3 0 3 3 1 |10
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【 国営放送 放送席 】
『逃げて追って、逆転されてまた逆転の好ゲーム、ですね』
『雨で守備が荒れての乱打戦みたいな感じですが、これぞ高校野球とも言える気力の勝負となっていますね。環境は良くないですが、どちらも同じ条件です。気力と運を味方につけた方が勝つのかも知れませんね』
『KYコンビは打撃、守備ともに安定していますが、今後はどうでしょうか? 』
『雨模様がいつ変わるか分かりませんしね。―― うわっ!! 』
『 ―― おっと!! また雨が強くなってきました!! 』
『あー、まだ続行できるレベルですね…… 今日の試合は第一試合からこの試合までの間、何度か中断されていますが。これ以上強くなるとまた中断ですね…… 』
『打ちました!! しかし打球弱い!! 三塁線でボールをキャッチして―― おおっと送球ミス!! 完全にアウトのタイミングから一塁セーフです!! 』
『泥で手が滑ったんですね。 こりゃ今日は最後まで、雨に泣かされそうです』
『雨が強くなってきましたけど、雷とかは大丈夫ですか? 』
『地域のエリア分けでは、一つ向こうのエリアで雷注意報が出ているようですね。ちょっと甲子園周辺も危ないかも知れませんが…… 今日の最終試合ですし、注意報ではなく警報に変わらない限り、続行するかも知れませんね』
『少なくとも8回に入らないと試合が成立しませんしね。雨雲にはちょっと待っていて欲しいですねぇ』
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【 途中経過 】6回終了時点
小嶋 2 1 2 2 3 2 |12
弘前 3 0 3 3 1 4 |14
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
両チームともに、守備に打撃に、雨と泥に苦労しつつ回は進み。俺達、弘前高校のリードで迎えた7回。守備位置交替のアナウンスの後に、マウンドへと登るのは。
「やってきました!! あたしの出番が!! 」
そんな事を言いつつ、山崎がマウンドへと登ってゆく山崎。
ときどき強くなる雨足に今度こそ試合中断かとドキドキしつつも回は進み、とうとう7回まで試合が中断する事なく進行した。両チームともに雨が原因のエラーに悩まされ、エラー起因の乱打戦と言っていい試合展開で迎えたこのイニング。弘前が得点リードの状況で、弘前の切り札である山崎がマウンドに上がり投球練習を始めている。
天候は相変わらず良くないが、弘前高校の勝利パターンの流れになってきていた。これならいける。
ずっと降り続けている雨と地面の悪さから、エラーもあって投球数も増え、川上先輩も前田も交替の時には相当に疲れていた様子だった。得点リードで山崎につなげる事ができたし、ここは気持ちよく勝って、明日から3回戦まで休ませてやろう。
山崎の姿を見て弘前応援団からは騒ぎ過ぎない程度に声援が上がり、外野観客席からも歓声が聞こえてきたような気がする。そして相手チームである小嶋 商業の応援団は、ネクストサークルで素振りをする選手へと大きく気合いのこもった声援を飛ばしていた。まぐれ当たりだろうと何だろうと、当てれば何が起きるか分からない。守りについている俺達にも気合いが入る。
「轟く雷鳴。稲妻をバックに勝負とか、マンガ的表現には夢があるんだけどね」
返球されてきたボールをキャッチしつつ、山崎が不穏な事を言っているが。フェンスも観客席も大きい甲子園で稲光が打者の後ろに見えたとしたら、それもう球場内に雷が落ちてるんじゃないのかな。
マンガ的表現で打者の後ろに落雷表現とかあったりするけれど、本当にバックネットや甲子園の銀傘に落雷でもあった日には大騒ぎだ。普通にめちゃくちゃ怖いだろうし。
「残りの守備は最短で終わらせて、早く晩ご飯を食べないとね」
「それ重要な」
天気が悪くならないうちに勝って試合を終わらせて、おいしく晩ご飯をいただこう。マンガ的表現に憧れる気持ちは無くもないが、吹き荒れる嵐の中で試合をするのは、昔のスポーツマンガの中だけで充分だしな。雨は相変わらず降っているが、小雨で安定している。今のうちにテンポよく試合を進めよう。
そんな事を考えている間に、投球練習は終了。バッターボックスに打者が入り、応援の声援と楽曲が大きく響く中、サインを確認した山崎がワインドアップから振りかぶる。俺は何かの間違いで打球が飛んできても確実に取ってやるぞと、ボールと打者の動きに集中する。そして山崎が体重移動しつつ踏み込み、第一投を放った。
―――― その瞬間。俺は視界に何かの違和感を感じた気がした。
何の違和感かを理解する前に、山崎の手からボールが放たれて。
ボールがミットに突き刺さった。その瞬間。
どぉ ―――― ん!!!!
まさに『 轟音 』と表現すべき音が、球場そのものを震わせた。
おそらくその感覚は、俺だけではなく。ベンチ内を含めた両チームの選手全員が、球場に居る大会関係者の全員が、そしてネット裏、内野、外野すべての観客席に居る、甲子園球場に居る人間全員が感じたものだっただろう。
その轟音を境に。
球場の中から。
すべての音が消えた。
※※※※※※※※※※※※
――――
――――――
―――――――― ストライーク。
静寂の中。少し遅れて聞こえてきた、球審の声。
ノーボール1ストライク。らしい。
でもキャッチャーの松野キャプテンからボールは返球されない。
そりゃそうだ。
真っ暗な中で、ボールを投げるのは危ないからな。
『タイム!! 試合中断!! 審判集合!! 』
球審が声を上げ、それに続くようにして、ざわざわと声を出し始める観客たち。
俺達もお互いの声を頼りにしながら、とりあえずマウンドへと集合する。
「やーね。ブレーカーでも落ちたのかしらね」
「家でテレビ見てたみたいな感想だな」
「こんな事あんの?! いや起きてるけど!! 」
「裏手の商業施設の光も見えないし、ここ一帯が停電したんだな」
「いやー、でも球場だったら非常用の発電機とかあるんじゃないの? 」
「復旧待ちかな? 」「専用の電源くらいあるだろ」
「念のために聞きますけど、山崎先輩の仕業じゃないですよね」
「あの音って雷ですよね? 先輩のボールじゃないですよね? 」
1年生の二人が何やら言っているが、もちろんあの轟音は落雷の音だ。さすがに山崎でもあんな音を出すボールを放れる訳が無い。ムチャクチャ言ってるなと思う反面、山崎に妙な信頼を寄せているような気もする。
「あれどう考えても雷が空気を割いた時の音か、雷撃がソニックバリアを超えた時の音でしょ。あたしの投げたボールがあんな音を出してたら、ボールが軽く音速を超えてるって事じゃないの? そんな速度の球を受けてたら松野キャプテンの体は球審ごと砕けてるだろうし、だったら今そこに立ってる松野キャプテンは何なのって話よね? あらやだ!! もしかしてキャプテン、自分が死んだことに気づいてないとか? 」
「「「きゃ―――― っ!! 」」」「怖いからやめろ!! 」
「真っ暗だとシャレにならんだろ!! 」「怪談の続きかよ!! 」
鼻をつままれても気づかない、という程でも無いとは思うが、かなりギリギリの暗さだ。遠くの街の明かりが反射しているらしく、目が慣れてくると空の雨雲がほんの少し明るく感じる。おかげで何となくグラウンド中央の雰囲気とかベースの配置くらいは分かるのだが、壁になっている外周部分、観客席の方は真っ暗だ。観客が取り出しているスマホの明かりがキレイなのやら不気味なのやら。
あちこちで少しハッキリと点灯している明かりは、非常口とかの明かりだろう。ああいうのはちゃんと機能しているらしい。
『おーいみんな!! 弘前高校、ベンチに集合だ!! ゆっくり歩いてきてくれ!! 』
聞こえてきた平塚先生の指示に従って、ベンチの非常灯と思わしき明かりに向けて、ゆっくりと歩いてゆく俺達だった。
※※※※※※※※※※※※
―― そして状況確認の後、審判団によって下された判断の結果は以下の通り。
小嶋 商業と弘前 高校の、本日の試合は設備不具合による【 暗黒 】のため試合続行が不可能と判断する。7回終了前だったため試合は未成立。ノーゲームとし、再試合を行う事に決定。大会本部とスケジュール等を確認して熟慮した結果、両校の再試合は翌日の第一試合にて行われる事となった。
両校の選手ならびに関係者には、御協力をお願い致します。との事だった。
『骨折り損のくたびれ儲け』
山崎がそんな事を言っていた気がするが。とりあえず晩飯を食えればいいや、と思う俺達は、やっぱり高校生の運動部員なんだなぁ、と思ったりもしたのだった。
ルールブック(大会規約)に存在しますのん。暗黒。
コールドゲームが発生する条件の条項だったかしらん。もっとも、本当の試合で『暗黒』によりノーゲームになったりコールドゲームになったりしたのは、公式試合では数えるほどしか無いみたいですけど。プロの試合で夜間照明がある球場だと1回あったか無かったか。
だからこそフィクションではやる価値があるッ!!
そんなワケで、いつもの時間に投稿できなかったけどGWの集客チャンスを逃すワケにはいかないのでギリギリセーフという事で投稿します。遅れて気づいた方、お暇な時にチェックしていってくださいませ。そして新規のお客様、どうぞ評価とか、お気に入りユーザー登録とかしていって下さると嬉しいです。次回は今回とネタ的には前後編みたいな雰囲気になると思うので、早めに投稿したいと思っております。
そして毎度毎度の誤字報告や誤字修正機能の活用をして下さるユーザーデバッガーの皆様、何か問題点に気づきましたら指摘をよろしくお願い致します。今後ともゆるーく投稿していきたいと思いますので、気長にお付き合いくださいませ。