101 姫と王子が好きな業界
姫とか王子とか、最初に言い出したのは……
県内の、とある場所。一般家屋の建築現場にて。
「……さぁーて、ボチボチ始めるか」
「親方!!あの、ちょっと予備の充電器を車まで取りに行っていいっスか!!」
「あぁん??電池が切れそうなのか」
「いえ、この後ずっと点けっぱなしだと、電池切れそうで」
「何いってんだお前」
この若造、何をふざけた事を言ってるんだと親方の目が吊り上がる。動画でも見ながら大工仕事でもするつもりかと。よそ見で仕事をミスしたら、施工主に言い訳もできない。
「いや、高校野球のテレビ放送が面白いんスよ!!」
「高校野球ならラジオで充分だろ。そこに置いてあるじゃねぇか」
ラジオでは高校野球の実況が流れている。予算の少ない地方スポーツの、しかも高校野球の実況だ。たぶんテレビと共用の音声だろう。今も実況の解説の島本監督が色々と状況を解説しており、投球や打撃のタイミングでアナウンサーの実況解説が入る。
「今日のテレビ解説は別物なんスよ!!歴史に残ります!!」
「高校野球の解説ごときで、そんな事があるか」
今ラジオから流れている実況を聞く限り、とてもそうは思えない。仮に歴史に残るとしたら、試合の内容や試合結果の方だろう。なにせ、今日は女子高野球部が準決勝までコマを進めたという、地方の高校野球史においても驚くべき試合だ。しかも相手は県下の名門、明星高校。一昨年までは『県下に敵なし』と言われるほどの強豪だ。勝てずとも健闘できれば、県の高校野球史に名が残る試合になるだろう。
「今、KYコンビが解説やってるんスよ!!」
「ハァ?!テレビの方だけ、特別にか??」
「たぶん何かの手違いでしょうけど、めちゃ面白い事を言ってますよ!!」
「ちょっと聞かせろ」
親方はスマホから伸びているイヤホンを引っ張って男の耳から引き抜くと、自分の耳に当てた。
※※※※※※※※※※※※
本来の解説者と実況アナウンサーの声は一切入らないという、放送事故の実況は変わらず続いている。県内の某高校、格技館で高校野球中継を見ている学生視聴者達が、『よかったぁ』と、胸をなでおろす。
とはいえ、まともな実況では無いのは間違いない。なぜなら試合の状況、流れを事細かく説明したりはせず、個人の独断と偏見によるポイント解説、あるいはタダの雑談などが語られるばかりの、学生観客目線での内容だったからだ。そのため、試合内容は自分で見て状況を判断するしかない。得点状況や細かいカウント等は画面を見なけりゃ分からん、という状態だ。しかしその反面、普通に考えても意味の分からないレベルの内部事情などまで解説してくれる、そんな不思議な実況音声が続いていた。
そして北島 悟の指摘によって明らかとなった、雲雀ケ丘女子野球部への、山崎 桜による技術指導の事実。これから何が語られるのか、そこに注目せざるを得ない。
『――女子と、ナックルボールの関わりは今に始まった事ではないわ』
山崎が何かを語り出していた。
『――そも、野球の紀元は、原型となった技術体系が古く、古くは紀元前の中国に端を発し、最古の記録は春秋戦国時代までさかのぼる』
『それは集団戦闘技術の一体系であり、兵士の【 兵 】、男衆などの集団を指す【 衆 】、暴力の【 暴 】、流れの【 流 】、それを合わせて【 兵衆暴流 】と言い、ベースボールとは、それがなまったものなのだ』
『知っていたのか、北島よ』
『いい加減にしとけ。お前どこの電波書店の回し者だ!!ボケずに解説しろよ!!』
『乗ってきたくせにぃ』
完全に学生のバカトークだった。解説では無かった。
『じゃあ話を戻しましょうか』
『おう。頼む』
『女子とナックルボールには特別な関わりが無いとも言えなくてね。女子投手がイイ感じのナックルボールを投げると、【 姫 】と呼ばれる伝統があるのよ』
『それマジなの??ボケじゃないわけ??』
『いや、これが本当なのよ。使えるレベルのナックルボールを投げると、日本だったらすぐに【 ナックル姫 】と呼ばれ、海外だったら【 ナックル・プリンセス 】とか呼ばれるのよ。もちろん大抵が10代の女子を対象とした通り名なんだけど、不思議な事に男子投手が投げても、なかなか【 ナックル王子 】とか【 ナックル・プリンス 】とか呼ばれないわけ。まぁ、近代日本のスポーツ関係者は【 王子 】っていうの大好きみたいだから、何かで目立つとナントカ王子、みたいな名前をつけたがる傾向があるんだけど。ちなみに【 太郎 】っていうの、野球専門誌の他では聞いた事ないなぁ』
『ナックル太郎は無いな』
確かに太郎は無いな。そしてマジでそうなの??姫って言われるの??と、テレビ前の視聴者の多くが思っていた。……なお、中継を見ている県内の野球報道関係者、そして国内外の野球ニュースに少しでも詳しい野球ファンは『あぁー、確かに言うわぁ……』と、苦笑いを浮かべていたという。
『であれば、仕込むしかないでしょ』
『そんな理由なの?!』
『もちろん、【 使えるから 】という理由もあるわよ。悟、変化球のキレは何で決まると思う?』
『当然、速度とボールの回転力。外的要因も関係してくるけどな』
『その通り。一般的な投球の軌道は、投球速度と回転力によって大きく決定される。マグヌス力と呼ばれるヤツね。しかし、ナックルボールのように無回転に近いボールの変化を決めるのは、ボールの向きと縫い目の位置、空気の粘性、風の影響などの、外的要因が大きい。ボールの最初の向きや速度は投手がある程度制御できるけど、それこそ無回転に近いボールの場合、一度変化を始めたら、その後どうなるかは投手にも分からない。【 行き先はボールに聞いてくれ 】ってヤツよ。もちろん、細かい変化をするか、大きい変化をするかを含めてね』
『球速が出なくとも、打者を翻弄する変化球を投げられる、という事だな』
『キャッチャー泣かせの球種だけどね。空振りさせたとしても、ボール半個も外れてミットの土手に当たれば、後逸して振り逃げが成立しちゃうかもしれないでしょ?制御できない変化球なんて、普通の捕手は、あんまり使いたがらないものよ』
『使える、だが、使えない。捕球の練習をしても練習しただけの成果が上がるとは限らない。という事か……』
なるほど、と。テレビの前の視聴者もうなずいた。
ナックルボールは『魔球』としても有名ではあるが、達人としての使い手がとても少ない。それは投手の能力によるところも大きいが、それ以上に捕手の能力が要求されるボールだからだ。空振りさせても捕手が取れないボールなど、ランナーがいる時には使う訳にはいかないし、ランナーがいなくともあまり使いたいボールではない。体で止めろ、などと簡単に言うヤツもいるだろうが、ミットの土手ではじいたボールなど、どっちに飛んで行くか分かったものではないのだ。体で止めるのにも限度がある。
だが、山崎は雲雀ケ丘女子の1年生、緒方にナックルボールを教えた。そうする必要があると考えての事だろう。裏を返せば、それくらいのリスクを抱えなくては、県予選で優勝する事はできない。そう言いたかったのかも知れない。鍛えても追いつけない筋力の差。純然たるパワーの差を埋める武器。それが緒方のナックルなのだろう。
『それにしても、雲雀ケ丘も点が取れないなぁ』
『打撃に関しては何か教えてないの?』
『それはほとんど教えてない。基本的な部分だけね。そもそも戦術がウチみたいなパワー主義のものじゃないから、変な事してもダメだろうし。そこは雲雀ケ丘女子のカラーそのまんまね。変化球とか投球に関してはけっこう口を出したけど……他は筋トレ方法とか食事関係とか、そんなのかな。とりあえず【 まだ食が細い!! 】と言っておいたわ』
『お前を基準にされても困るだろうに』
正常に放映されているテレビ画面の映像では、明星と雲雀ケ丘の試合が続いていた。KYコンビの雑談とも解説とも知れない会話の中、雲雀ケ丘の打線は粘りに粘るも得点にはつながらず、無得点のまま攻撃を終える。そして明星の攻撃もまた、1年投手の緒方の投球の前に、無得点に終わろうとしていた。
『……あのさ、山崎』
『何かしら?』
『緒方さんて、ナックルとチェンジアップだけ?』
『他にも持ち球はあるけど、明星に通用するのはその2つだけでしょうね。それに緒方さんの持ち球の中で、ピッチングトンネルが同じ程度で投げられるのは、この2つくらいだから。ま、だいたい8割がたはナックル投げてくるんじゃない?』
『文字通りのナックルボーラーか。そりゃ、ナックル姫とも呼ばれそうだ――』
そんな会話の中、CMに切り替わる画面だった。
「はい、今なんか知らない単語が出てきたけど、分かるヤツはいる?」
「あれか。ピッチングトンネル??」
「トンネルっていった??どういう意味??」
「検索しろ検索」「スマホ出してるやつー。仕事」
スマホによる、検索ツール先生による検索結果。
――ピッチング・トンネルとは、【 一定空間の、打者がボールの軌道を判断するための空間の軌道をトンネルに見立てたもの 】の事であり、【 トンネルの出口 】に見立てられる、ボールが最終的に通過したポイントがどの場所か、という事を見極める事ができれば、投手の腕の振りと合わせて、球種の予測ができる、というものらしい。
……という事が分かった。そのため、【 違う球種でも同じトンネルの出口を通過させる事で、打者の予測を誤認させる事ができる 】という駆け引きが存在する、との事だ。一流プロ同士の勝負では、これが勝敗の決め手になる事もあるという。
「えー……一流打者と投手って、そんな駆け引きやってんの……」
「どんだけ目がいいんだよ」「そんなん投手によってバラバラじゃねーか」
「そのくらい早めに予測しないと打てないって事だよな」
うわぁー、と声を上げる学生視聴者たち。なお、この格技館の中で休憩している連中の一部分には、この学校の野球部員も含まれていたはずなのだが。特に解説が無かったという事は勉強不足という事なのだろう。
そしてまた一つ、現状の解説がタダの雑談なのだとも実感する。『お互いが同程度の知識を持っているという前提での会話』をしている以上、知らない専門用語が出てくる事もあるのだ。かゆい所に手が届く、少年マンガの読者向け解説とは違う。ある程度は自分で仕事をしなくてはならないのだ。そして地方企業のCMが終わると、また雑談解説が流れ始めた。
『緒方さんにも疲れが出てきたわね。後のためにも交代させないと』
と、山崎が言ったすぐ後に、タイムがかけられてポジションチェンジが告げられる。場内アナウンスによれば、次はセンターの1年生、松本 乃利香さんがピッチャーに入るという。
『お前、テレパシーで指示でも出してんの?』
『残念ながら、現時点では目覚めてないわね』
北島の言葉は視聴者の気持ちを代弁しているものだった。だが、精神感応で指示を出していないにしろ、基本的な戦術のアイデアに関しては、技術指導の際に提案しているのだろう、という事は想像できた。そうした会話の中、松本選手が投球練習を始める。
『ちょっと聞きたいんだけどさ』
『何かしら?』
『友達って事もあるんだろうけど、雲雀ケ丘にけっこう肩入れしてる感があるんだけど、それはやっぱり、女子野球選手だから?』
『……それは、半分当たり、っていう所かな』
『半分か。残りの半分は?』
『ちょっとイラつくのよねー。県下の高校野球レベルが低い事に』
『お前、去年は【 楽に勝ち抜ける 】みたいな事を言ってたじゃねーか!!ライバルが少ない事を歓迎してたんじゃねーのかよ!!どういう手のひら返しだ!!』
『昔の事は忘れたわ。女の過去は聞かないのがイイ男の条件よ』
『こ、こいつ…………っ!!』
『ま、甲子園に出場もできたし、もっと面白く、予選から高校野球を楽しみたくなったって事かなぁ?ま、美味しいものを食べなれると、人間は贅沢になるっていうか。雲雀ケ丘をキッカケとして、県内の高校野球レベルがもっと上がればいいと思ってる』
『それで雲雀ケ丘の強化を?だが、明星には何もしてないよな?』
『あっちはもともと強いじゃん。高校生なら【 判官贔屓 】って言葉を知ってるよね?』
『そのくらい知っとるわ』
えー?なんて?ホーガンびいき??
などという会話が、部屋の隅っこの方で聞こえた。どこの部だろうか。現国の補習が必要になるような部員かも知れない。
『強豪としての歴史が無い学校にはよくある事だけど、雲雀ケ丘には致命的な弱点があった。一昨年までの弘前高校と同じ。【 指導者と、実地指導員の不足 】よ』
『あー……そりゃ、そうか。技術指導がちゃんとできる人がいないと、厳しいもんな』
『経験のある指導員がいないと、学生が自力で頑張るしかない。教育ノウハウを手に入れる事ができなければ、次の世代に伝える事もできない。理論を知っているのと、技術を身に着けているのは、まったく別問題だし。教える事にも経験は必要だからね』
『わかるわぁー。ものすごくわかるわぁー』
『アンタも昔は、苦労したものねぇ……』
『死ぬほどな!!俺の場合は理論教育が手抜きだったせいで死ぬほどな!!』
この二人の過去に、いったい何があったのか。そう思う視聴者だった。
『ま、そんなワケで雲雀ケ丘を手っ取り早くテコ入れするのは正解の一つ、という訳よ。才能があるとはいっても、女子にできる事が男子に出来ないわけが無い、と。埋もれた才能を持つ男子が奮起するのも良し、有能な女子アスリートが野球を目指すのも良し。現状で伸び悩んでいる男子達がやる気を出して色々と勉強して、さらに上を目指せるようになれば良し。……結局のところ、みんな、理解してないのよねぇ。それをハッキリと知らしめてやりたくなった……手始めに、県下の高校生、スポーツ指導者に教えてやりたくなった、っていうのが、雲雀ケ丘へのテコ入れの動機かしら』
『……何を、理解していないって、いうんだ?』
『人間の、真の能力』
『……………………』
『アンタなら分かるでしょう、悟。あたしもアンタも、素質こそあれど、超のつく天才なんていうものじゃない。正解の方向を知っていて、その方向へと歩き続け、時には無理して倒れるまで走ってきた。その結果に過ぎない。あたし達は、先駆者ではあっても、超人では無い。そろそろ本格的に教えてやるべきだ、とは思わない?人間の、真のチカラというものを!!分かったつもりでいる愚昧なる者共に!!人間の持つ、真実のチカラというものを!!』
『お前……その力で世界を支配するつもりなのかっ?!』
ゴクリ。
テレビから流れるKYコンビの会話に、思わず唾をのみ込む学生視聴者たち。
『ははは!!教育してやるだけよ!!時代遅れの常識を破壊し、新たな世界の扉を開ける!!まだ目も開かぬ赤子に、進むべき道筋を示す!!刮目せよ!!そして挑むがいい!!お前たちの考える限界は、けっして限界などではない!!努力次第で乗り越える事のできる、タダの崖にしかすぎない事を!!目指すべきは我が背中!!超えるべきは我が力!!鍛え、歩み、そして挑め!!あたし達は、目指すべき最強の敵として立ちはだかるのだ!!さあ悟、あたしとともに来なさい。ともに、この野球界の愚かな認識を破壊する、新たな世界への道を開く、新世界の破壊神となるのよ!!』
『おっ、プレイ始まる』
『あら、ホントね。松本さん、しっかりー』
急な会話の温度変化に、「「わぁー」」と、あちこちで倒れる学生視聴者。
山崎の今までのセリフ、どこまで本気だったのか。いや、本気の部分はあったのか。いずれにせよ学生の雑談、バカトークの部分が多分に含まれている以上、何が本当で何が冗談なのかを理解できるのは、普段のKYコンビを知っている人間たちくらいだろう。
『松本さんには、ちょっとした特徴があってね』
『うんうん』
『けっこういい鍛え方をしてるのよね。パワー型なの。ちょっと速球の指導してみた』
『ほぉー。3年になったらエースナンバーを背負いそうだな』
『たぶん一発かますと思うから、ちょっと見てなさい』
山崎の言葉に、画面を注視する視聴者。注目の第1球が、「スパァン!!」と快音を立ててミットに突き刺さった。ストライク、ワン。
『おぉっ!!速い!!去年の田中さん並みか?!』
『今は130後半だけど、もう少し鍛えればギリで140キロは超えると思うわ。ま、中堅どころの速球派男子投手ぐらいかな?ま、うまく体を使えば女子もこの程度、出来るって事の証明よね』
『いや、1年女子でそれって凄くねぇか?!記事になるぞ』
『そして、そーこーかーらーのー』
松本投手が、第2球を投げる。不意に投げられた低速の球に戸惑いつつも、それにタイミングを合わせて打つ打者。――打球は『コキン』と小さな音を立てて転がり、飛び出したキャッチャーに軽く処理されて、アウトになる。
『――ナックルじゃねーか!!』
『その通り。初速が速めのナックルよ。ま、さっきまでの緒方さんの投球がイメージに残ってるうちは、まともに打てないでしょーね。松本さんの速球は、振りもピッチングトンネルもナックルと大差ないし、速球と混ざって投げられるだけでも厄介でしょーよ』
『松本さんにも、ナックルを教えてたのか……』
『ふふっ……悟、ナックルを教えていたのが、一人や二人だと。いつから勘違いしていたのかな?いつから?』
『なん……だと……??』
『【 姫 】は、この二人だけじゃないわよ』
『何ィ?!』
「「「 何ィ?!!! 」」」
学生視聴者から、示し合わせたような驚きの声が上がる。
『2年、1年の投手全員にナックルを仕込んであるわ!!つまり【 姫 】は最低でも4人はいるという事よ!!』
『なんだと……っ!!』
『人呼んで、雲雀ケ丘のナックル姫軍団!!簡単には打ち崩せぬぞ!!』
『ああうん、スゴイとは思うんだけどさぁ、【 姫軍団 】てどうなの』
『それなんだよねー。なんかこう、うまいネーミングが思いつかなくて』
姫騎士だったらどうかな、プリンセスナイツとかどうかな。どっかのゲームにありそうなネーミングだけど無難だよね、どう思う悟、と。くだらない会話を続けるKYコンビだった。
※※※※※※※※※※※※
県内某所の、一般家屋の建築現場。
「おい、今スマホがピーッって鳴ったぞ!!バッテリー減ってんじゃねーか。充電器交換しろ、交換!!」
「へぇーい!!」
県内某所の一般家屋の建築現場では、スマホから高校野球中継の音声が音量最大で流れていた。反面、ラジオの音量は絞られており、試合経過が何となく分かる程度になってしまっている。KYコンビの学生バカトーク解説をメインに、ラジオの実況放送音声をサブにして高校野球中継を楽しむというスタイルだった。
そんな県内のテレビ視聴者を楽しませる、F県代表を選ぶ県予選の準決勝第2試合は、両チームが得点できない事もあって比較的テンポよく進み……試合は終盤を迎えるに至った。
後に『前座』『真打ち』と呼ばれる事になる、この年の夏の県予選、準決勝の第1試合と、第2試合。その真打ちの試合が、いよいよ終わりを迎えようとしていた。
1点を争う激戦の勝者が決まる。その時が――――近づいている。
誰なのかしら。
やっぱり海外メディアが先で、それをマネしたのが日本なのでしょうか。
それとも同時発生的なヤツなのかしらん。それとも賞とかで『得点王』や『新人王』とか『三冠王』とか言うから、その関係なのかしらん?プロだと『王』で、学生やアマチュアだから『王女や王子』なのかなぁ。
やはりセリフばっかりだと、行数が多くても情報量が少ないですね。あとテンポ悪ぅ。もっと素早くスッ飛ばしたいわー。という訳で、次回は決着回とします。次回も少しだけ早く更新できるように心がけたいかと思いますので、のんびりお待ちくださると幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。




