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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第7章《ふたつの人生》
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3話「野菜いっぱい」

魔神から力を奪ったからいけなかったのか、時折イライラしているような様子を見せていたのは体調が悪かったせいなのか

いずれにしてもピノは倒れてしまったのだ


このまま医師に任せておけば良くはなるのだろうけれど、居ても立っても居られずに再びダンジョンに戻ってきていた


「あれ?シュウおかえり、ピノは大丈夫だったの?」

「まぁ俺がいても何もしてやれないしな

回復アイテムの出そうなダンジョンに作り変えてもらっても良いかな?」

冒険者達は外で酒盛りをしているし、ローズ達も街に残してトラベルでここに来てしまった


俺は一人でダンジョンに潜るつもりなのだろうか

自分でも何がしたいのか、よくわからずにいたのだった


「なーんだ、シュウはやっぱり優しいね」

ピノを放ってきたのかと思われていたらしい

まぁ実際そうなんだけど、シネレアは『良くなると良いね』って言ってダンジョンを作り変えていた


「ダンジョンアイテムにどんだけの効果があるかはわからないけど、一番の薬は隣でシュウが見守ってあげる事だと思うよ

だからさ、さっさと切り上げて戻ってあげなさい」

シネレアに説教めいた事まで言われてしまい情けなくなってしまう


「まぁなるべく早く戻るようにするよ、ありがとな」

そうして入っていったダンジョンには何故か野菜がたくさん…


いや、野菜のような魔物がたくさんなのだ


大根人参玉葱ピーマン…

薬草とかドロップしそうな魔物ではあるけれど、何を思って野菜なのか

しかもやたら強い、シメジなんか斬っても斬っても増殖していくもんだから俺も発狂寸前だった


結局炎に弱い事に気付くまで苦戦しまくって

拙い魔法でもってようやくマトモに戦えるようになったのだった


「大収穫だったねー」

ダンジョンから出るとシネレアが声をかける

魔素ポイントが15000くらい減ったのを知って、結構な量のドロップアイテムを入手したことが分かるのだとか


「栄養たっぷりのお野菜が健康には一番だよ!」

あぁ、最初からそのつもりでこのダンジョンを作ったのか…

まぁ俺たちは基本肉か魚がメインだったからな

野菜が足りてないのは認めようじゃないか


「でもピノは獣人だぞ?普通肉だけで栄養足りるんじゃないのか?」

「ま、まぁそれは気分だよ気分!シュウが気遣って持ってきた物ならなんでも大丈夫だって」


そう言っていたから野菜を抱えて戻ってきたというのに

「あ、獣人の方に玉葱はおやめください」

なんて言われた日にゃ恥ずかしくて隠れたい気分だったよ

まぁ、それを見てたピノも笑ってたから元気になって良かったなって思えたんだけどさ


「で、原因はわかったんですか先生?」

「あー…うん…」


俺たちは色々医師からのアドバイスももらい

その日の内に退院できたものだから、ミドの屋敷にいた


「元気になって良かったですね」

「ほんま倒れた時、何があったんかと思うたわ」


しかし、レギがいないのだがどうしたのだろうか

「レギは?」

ローズがミドの方を向く、ミドもまたローズを見て苦笑いをする


「あっはは…実はミド様のことよく知らずにアプローチしてたみたいやねん…

さっき屋敷に来た時に王族の令嬢や知って、恥ずかしくなってかどっか飛んでってもた」


なんと、レギは俺が知らぬ間にミドに恋心を抱いていたのか?!

まぁ俺から見たらミドとローズの間には割って入る余裕など無いように思えてしまうのだが

なんと勇敢なのだろうか、レギよ…


「ま、まぁええやん」

「しばらくしたら戻って来られると思いますので…」

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