23話「再び集う者達」
そこからはもう問答無用、破竹の勢い、スプラッタ
弱点や特性はミドが瞬時に判断して抑え込む
矢で無理ならピノの剣がある
いずれにしても魔物の強みはすぐに消え失せ、あとは毒でやられるか単純に削られるかである
俺はというと、見ているだけだった
ピノの速さには到底付いて行けず、特別な力も発揮できない
どちらかと言えば、武器強化や荷物持ちといった役割になってしまっているのだ
「シュウ、やっぱあんさんはシュウやわ」
ローズが意味のわからんことを言う
そういえば以前も俺は後ろで二人の行動を口を開けて見ていたような気もするが
「いや、俺だって今は凄い魔法だって…いや、ローズほどは使えんな…」
威力が高いだけで制御も上手くいかないようなものを魔法とは呼べないだろう
俺はホロリと涙を浮かべているのだった
「4つ目のスキルの書ゲットー!」
何十体も倒してようやく集まったアイテム
一個あたりに使われた魔素ポイントが12000ほどだというのだから恐ろしい
せっかく10万以上あったものが今や僅かに550ポイント…
当分海産物が出るダンジョンとして、しっかり冒険者達から魔素を奪ってやろうじゃないか…
「じゃあ罠もいっぱい仕掛けようか?」
こないだシネレアに教えた罠を早速作ってみたいようである
踏むと一定時間状態異常になる
迂闊に部屋に入ると閉じ込められる
魔物が周りに出現して囲まれる
ゲームでやられた思い出のあるものを案として出しておいたのだ
意気揚々とダンジョン製作に取り組むシレネアはどこか恐ろしい表情も見せている
きっと気に入らない冒険者に仕掛けてやろうとか思っているんだろうなぁ…
「なぁ早よ開けようや」
ローズがスキルの書の開封をせがむ
スキルを得られる機会などそう無い二人にとっては非常に待ちきれない物なのだろう
早速開けてみることにする
まず最初に待ちきれないとローズが開封したのだが
[装飾(上級):あらゆる装具の加工能力の上昇と行使]
「つまり?」
俺が聞く
「多分細工が上手になる能力かと…」
ピノが続く
「ま、まぁ役立つかもしれませんし」
ミドの言葉もフォローにならない
しかし、ローズは喜んでいたのだった
「なんやの?これ、最高やん!これでどエライ細工もん作ったら大儲けやんけ!」
当然周りは言葉を失う
それに気づいたローズも、『…冗談やがな』と誤魔化すのであった…
そんな事はさて置いて、次はミドが書を開く
[究極合成(限1):対象とされる双方のものはこれを拒むことが適わない]
まさかのスキルである、ここで限定行使スキル…しかも使い方次第では恐ろしい力を秘めているであろう…
ミドはさすがに今すぐ試す気になれないようなので、今は見なかったことにしておいた
さて次はミドだ
「次こそアジリティじゃなきゃ良いな」
「なにそれ?フラグ?」
めっちゃ睨まれた
本人も毎度ワクワクしていたもんだから気が立っているのだった
(いやそもそもなんでフラグなんて言葉知ってるんだよ!)
[強奪(限1):対象とされる不憫なる者はその全てを失うであろう]
ピノに渡してはいけないものが出てしまった…
これからは事あるごとにこれで脅されてしまいそうである
「みたいな事思ってるなら本当にそうしてあげても良いんだけど?」
「ひぇっ…」
さて俺もスキルの書は楽しみである、どんなスキルでもハズレは無いからな
「おい…あれ…」
「ミド様…じゃねえか?」
「シネレアちゃん、もしかして王族と知り合いなのか?」
突然周りが騒がしくなったので、振り返ると多くの冒険者がこちらに向かってきていたのだ
ミドは羽織っていたローブに付いているフードを深く被りローズの後ろに隠れる
いやもう完全にバレていたのだけど、仕方なく俺たちは退散することにした
「シネレア、うまく誤魔化しておいてくれるか?」
「わかったよー、後で甘いものちょうだいね」
リドラを呼び出し、冒険者達が近付く前に飛び去るのだった
「しかしダンジョンが人気なのも考えものだな」
「あれではあまり利用できませんわね…」
俺も時々はアイテム目当てで潜りたい
ミドはお忍びでダンジョンに行きたかった
まぁ魔素ポイントも少ないし、しばらくは別のところに行くことにしよう
「ほなリキングバウト行こうや!」
突然ローズが提言する
それは、まだここにいないレギに会いに行きたいということだった
「お爺さんはもうこの時代にはいないんでしたよね」
「あぁ、ピルスルは元々100年前に生きていた剣士だからな
大きな像がリキングバウトに作られてあったぞ」
「うぇ…ウチ有名になってもそんなん作っていらんわぁ…」
「あと確か…魔物のオークも一緒に冒険してたような気もするのですが」
「うんうん、ウチもそれ思っとった」
ドルヴィンの事はオークとして記憶されたようである
まぁ俺もオーク姿のドルヴィンが印象強くて、ドルヴィン=オークになっちまってるんだがな
片道一週間以上かかったところをリドラならば一時間ほどで着いてしまう
二人はこちらに来たことが無いらしく、夢ではない初めて見るリキングバウトに興味津々であった




