「面倒くさい」
魔王様視点
「魔王様、北の地へと送った者の消息が途絶えました」
配下の者が再び食事の最中入ってくる
さぁ今から好物のステーキだというのに
「そうか、致し方あるまい」
なんと、誰かがあれを倒したというのか
龍か精霊か…それとも勇者が再び現れたとでも言うのか?
くそっ、厄介な事になってきやがったな…
ステーキを食べようとフォークを肉に刺すのだが、俺はその手を止められてしまった
なんで食べさせてくれないのだろうか
「それと、消息を絶つ直前なのですが
剣を使い模擬戦闘を行なっていたとの情報が入っており…」
「幽族とか呼ばれておる連中だろ?龍や精霊はそんなもの使わんからな
して、その雑輩がどうかしたのか?」
人やエルフなどどうでも良い
龍や勇者が動いたのでなければどうにもならんだろう
「実は消息を絶ったと言うのが、その模擬戦闘中の事なのです」
えー…剣を使う強い奴って言ったら勇者しかいないじゃーん…
まさかの勇者再誕なの?
「本当の事なのか?」
「はい、どうなさいましょうか…」
「どうもせんで良い、あちらに偵察を寄越したのは我らの方じゃからな
やられたとて文句の言えるものでもなかろう…」
次々送り込んで、また攻め入られるような事になったら嫌だしなぁ…
「では、また動きがございましたら報告いたします」
「そうしてくれ」
あー…なんで今更こんな面倒な事になるかなぁ…