2話「外海へ」
[適正レベル35中級者向けダンジョンに飽きてきた方オススメ、宝箱を守るガーディアンを倒せダンジョン(今だけレアアイテムも出現率アップ)]
とりあえず俺はダンジョンのことをシネレアに任せて大空にいた
ケーキバイキングから一夜明けて、ピノがつまらなさそうにしていたので気分転換に東の大陸を見に来たのだ
大陸を跨いでできた傷痕も無く、ひかりの洞窟も存在していなかった
後で知ったのだけれど、あの洞窟は施設へ行くための通路として掘られたものだそうだ
「だから一本道だったんだな…」
そこで見つけた義勇者の遺物
義勇者とは一体なんだったのだろうな…
海を渡ると漁村が見える
以前は歓楽街が近くにあったのだが、やはり発展の仕方は若干異なるようだ
「そういえば俺はここと西の大陸しか知らないんだが、もっと海の向こうに他の大陸は無いのか?」
「そう言われても、私なんか帝都から出る事も稀だったし」
ピノも国の密偵として教育されてあまり長くなかったので、まだ他国へ行ったりなどの任務は与えられてなかったらしい
「ちょっと見に行って見たくないか?」
リドラなら1時間もあれば他の大陸は無理でも島の一つくらい見つけられそうなものである
「うーん…ちゃんと戻れるように登録はしておいてね」
これは帰還の鈴のことだ
毎度毎度街の移動はあまりに時間がかかるので、多少高くても買える時にまとめて買っておくのだ
「じゃあ南の方に行ってみようか」
アイオーンは言っていた、陸地以外の安全な場所を際限なく増やしてしまうと
我が物顔で侵攻を進める種族がいるのだ、と
つまり海の魔素に関しては、通常よりやや多いくらいで放置されているのだった
俺はウズウズしていた
なぜならこの真下には無数の魔物達が生息しているのだから
居ても立ってもいられず、俺はリドラに水中を爆発させるよう命じる
なるべく魔物が多そうな場所を狙い、超高温の火の玉を水中に出現させる
すると海面が徐々に持ち上がり、ドーンという音と共に一気に爆発が起こる
俺とピノの目の前を、見た事もない魔物が宙を舞う
多くの魔物が光となって消え、俺はニンマリとしながらインベントリを開いた
「…あれ?」
少しくらいアイテムが増えているはずなのだが、何が増えたのかがわからない
それもそのはず、何も増えてはいなかったのだ
水面には青い光がプカプカと浮いている
時間が経つにつれ、それらは徐々に海底へと沈んでいった
「俺の大事なスキルを奪いやがったな…アイオーンめ」
拾わなくても拾えるステキなスキル
鎧だけでは飽き足らず、思い出の詰まったスキルまで
それでも魔素ポイントは若干貯まるし、アイテムは諦めて何発か打ち込んでおいた
「シュウ…なんかご機嫌ナナメ」
ピノに心配される
もうこうなったら自分でアイテム生み出して自分で使ってやろうか…
それも可能ではあった、魔素ポイントの消費でアイテムを生み出して自分で取りに行けば良いんだから
レアアイテムばかり生み出して魔素ポイントのある限り取ってくるのも悪くは無いとおもってしまうのだった