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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第5章《ひとつの結末》
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18話「ピノと一緒に」

目がさめると王都の宿にいた

どうやら丸一日眠ってしまったようだ


悪魔は倒せたのか?みんなは無事だったのか?

俺が目を覚ますと、ピノは側で座りながら布団に頭を突っ伏していた


「ピノ…ありがとな…」

きっと悪魔は倒したのだ、平和になったのだから後は未来に戻るだけだ


ピノともここでお別れだろう、元気でやってくれると良いのだが…


可愛い寝顔のピノを見て、つい手がピノの頭に伸びる


「ん…んん…?」

ピノは、耳をピクピクさせながら目を覚ます

起きて俺の姿を見るなり、急に抱きついてくるのだった


「やっと…起きた、心配したんだよほんと…」


悪魔は消え去った、そして世界は平和になったようだ

王はその後どうしたのだろうか…

ピルスルやアイリスは、街はどうなっているのか


(うず)めていた顔を上げて俺に語りかけるピノ

「これが、シュウが望んだ世界なんだよね…

私も…幸せになれるかな?」


きっとみんなが幸せになれるよ、ピノも元気で…

「?!」


もしかして、ここは既に未来なのか?

いや、確かに前みたいに丸一日意識を失っていたのならその間に未来に戻されていても不思議ではない


「ピノ!もしかして未来まで付いてきたのか?!」

「当たり前じゃない!私だって…幸せにしてよ!」

ピノの笑った顔、その目には涙をいっぱいに溜めていて


窓の外には賑やかな街並みが見える


ここはアウロス国の城下町

人や獣人だけでない、エルフもドワーフそれに精霊や妖精だって住んでいる

街のはずれでは巨人が魔物から街を守り

それを見守る龍も存在した


「こんなに賑やかになるなんて思わなかったな」

「この世界、全部シュウが作ったんだよ」

俺たちは宿から出て街を散策していた


ちょうど工房の前にさしかかると、見覚えのある女性が中から出てきた

「ローズ…?」


いてもたってもいられず、俺はローズに声をかける


「なんや?誰やのおっさん」

相変わらずのローズだ

すると近くからミドもやってくる


「お姉様ー、お城でお茶にしませんかー?」

「ちょっとミド様、ウチのことはローズって呼んでくださいよ」

相変わらず仲の良い二人だと思う

だけど少し寂しい気持ちにもなってしまうのは仕方ないのだろう


ピノにも昔一緒に冒険した仲間だと言ったら、少しふくれた表情をしていた

「私とももっと冒険してくれますよね?」

まぁこの世界が平和なら、そんな必要も無いのだろうけれどね


「いらっしゃーい、お兄さん寄っていかない?」

街の外で魔物はどうなったのかを確認していたら、精霊が声をかけてくる


「ん?」「え?」

「「ああーーー!!」」


そこで出会ったのはなんと精霊王アイオーン

一体こんなとこで何してんだと思ったら、過去で俺が言ったダンジョンの話をマジで実行してやがった


実はあの後、騒ぎを聞きつけてアイオーンも悪魔の元に駆けつけて来たんだそうだ

最期の攻撃の後、気を失った俺の近くでアイリスが消えかけの悪魔に襲われそうになっていたようで


アイオーンがしっかり倒しておいてくれたのだそうだ

ちなみに落ちていた何万もの武器は、ちゃっかり回収しておりダンジョンの宝物に使われているらしい


もちろんそれ以外のアイテムも入手できるようで、意外と好評なのだそうだ


ここ以外にも、各地にダンジョンを作り強い魔物が外に出現しないよう調整しているらしい

ダンジョンの最下層には龍や大精霊、エルフ作の機械兵などが存在するのだが


まだ誰も踏破したものは現れていないのだった

「シュウは今レベルいくつ?」

アイオーンはニヤニヤとしながら聞いてくる


「34…だけど」


「ざんねーん、このダンジョンはレベル40以上の人限定!」


な?!

いつの間に世界のレベルはそんなにも上がったのだ!


「でもまぁシュウなら良いよ、いつでも待ってるね」

なんだか悔しい気持ちになる


おれには今でも[再開]のスキルが残っており、見るたびに仲間達の姿が思い浮かぶ

あと何年かはこれを使うこともできるのだろう

しかしその後、俺がこのスキルを使うことは無かった


これから出会うであろう仲間達

それに精霊王からの挑戦状も頂いた


これまで失ったものも多いだろう、だがそれ以上に多くのものを見つけてみせる

俺は再び世界を回る冒険に出発するのであった


このどこか抜けていて憎めない獣人、《ピノ》と一緒に

ここで一応お話は完結となります。

この先ももちろん考えてはおりますが、綺麗に終わりたい方はここで切った方が良いと考えております


お気に入りもうすぐ100人です、ありがとうございます

わずかひと月と少し、書き始めた頃は最後まで書ききれるのか心配でしたが

日々のアクセス数やお気に入り数を見てなんとか予定していた所までは頑張ることができました


今後も気にかけてくださるとうれしいです


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