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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第5章《ひとつの結末》
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15話「幸せのために」

いまいちやる気が出ない

この世界で新たに生活をしなくてはいけないのだが

ドルヴィンやローズ

レギにミド

ピルスルとアイリス

キルディアやアレク

銀狼亭も無ければ工房も無い


多くの仲間たちは今この世界には存在しない

俺は街でぶらぶらと買い物をしたり、アイテムの整理をしたりで1日を潰している


「シュウ、もう晩飯出来てるみたい」

ピノが部屋の扉を開けて呼びに来てくれている


「ピノは、まだ過去に戻らないんだな」

ピノが消えてしまえば本当に一人きりになってしまうような感覚に襲われる

リドラもいるのだが、人がいるのとはやはり何かが異なる


「まぁ今はご飯食べようや、せっかく女将さんが作ってくれてるんやし」

昼頃までは、過去に戻るんだなってソワソワしていたピノも夜になったらそんな事を忘れてしまったかのようだ


宿のご飯は味気ないような気がする

肉も魚もどれも美味しいはずなのだけど…


次の日もピノはそこにいた

過去に戻ってこの先起きる頃を伝えて欲しかったのだが、もしかしたらこのまま過去へは帰れないのかもしれない


ピノも過去の世界の仲間を思い出すようで、時折寂しそうな表情も見せている

そんな日々が数日続くと、互いに互いを意識しだすもので…


「シュウ、リドラに乗って遠くに出かけない?」

俺たちは最近よく出歩くようになっていた

大きな街へ出向き買い物をしたり、海岸や上空から綺麗な景色を眺めていたり

男女の仲になるのもそう先の話でもなかった


「過去に戻れなくても、もうこのまま過ごすのも良いかも知れないな…」

俺は心からそう思うようになっていった

【過去へ戻る事は可能です】


久しぶりの超感覚さんだ

そういえばリドラとピノだけじゃなく超感覚さんもいたんだったなぁ…


「…過去に戻れるの?!」

となりにいたピノも、俺の大声にビックリする


どういう事かと聞いたら、スキルが残っているからアイリスに会いに行けると言うのだ


[再開(限1)]

意味がわからない

一度使ったら消えるはずなのに何故残っているのか

【リドラに残ったスキルを拡張スキルで複写されています】


つまり、俺が譲渡されたスキルがリドラにコピーされて

俺がスキルを使った後にリドラに残されたスキルが俺にコピーされたと?

永遠に使い放題じゃないか!

【アイリスが生存している限りそのようになるでしょう】


なんてこった!なんでもっと早くに気付けなかったのか俺…


俺はピノに向き合って超感覚との会話を説明する

しかも俺が過去に戻った後、ピノは再びスキルで追いかければ過去に戻れるだろう


前回は3、4倍の時間が過去では流れていた

と、すればもう既に3ヶ月以上が経過しているはずだ


王都はどうなったのか、皆は元気でいるのだろうか

…ピノは過去に戻ったらどうするのだろうか


俺が悩んでいることも全て分かっているかのように、ピノは俺にこう伝えるのだった


「今度こそ、みんなの幸せを取り戻しましょう…」

俺は決心し、過去へ向かう準備をする

ピノも、再び俺に(ターゲット)のスキルを使い準備は済んだ


再び俺はこのスキルを使うことになった


[再開]


ピノも後に続き[目的地(ディスティネーション)]のスキルで追いかける


こうして再び俺たちは過去の大地に立っていたのだった

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