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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第5章《ひとつの結末》
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9話「24時間④」

先日はちょっと体調を崩して寝込んでおりました

なるべく2-3話は投稿していきます

色々と話が終わり、精霊王なりに世界のために動いてくれるらしい

ちなみに精霊王ですら聖龍の動きはよくわからないのだそうだ


「未来でもここに来ても良いだろうか?」

俺は帰還地点未登録の鈴を取り出して妖精女王に確認をとる


「えぇ、ですが詳しい場所まではどなたにも教える事はなさらないでくださいますか」

もちろんである、妖精族はわざわざ隠れて過ごしているというのにそんな事をしては俺の気持ちがそれを許す事はできないだろう


少しお礼もしたいと言ったのだが、自然の恵で生きる妖精達にとってお礼になるような物もなかったので

言葉だけでしっかりと礼をし、王都へ戻る鈴を使う


リドラに乗って帰れば妖精の村の位置もわかるのだろうが、俺なりの気遣いだった


王都の入口には多くの冒険者や商人が列を成している

丁度皆が街に戻るような時間なのだろう、街に入れた頃にはもう日も暮れていたのだ


「思ったより時間が経ってしまったな…」

おそらく過去にいられるのは明日の昼頃まで、帝国側にも出向くつもりであったが、精霊王を優先してしまいどのみち今日はもう謁見できるような時間ではない


もし王国側が裏切ったというのならば、この国に武具を提供したことは間違いだったのかもしれない

俺はそんな事を思いながらキルディアの父がいる工房へと足をのばす


「これはこれはシュウ殿、こんな夜更けにどうかなさいましたか?」

工房長は俺が入るやいなや声をかけてくる


すでに炉は新しいものになっており、そこかしこに新しい道具も並んでいる

「いや、実は一つ伝え忘れていた事があってな」


そんな事はないと信じたいのだが、万一ここの武具が戦に使われているのであれば

俺が王国に加担したことにもなるのだろう

そう思うと、何か言わずにはいられなかったのだった


「渡した武具には精霊王による加護が施されている

魔物退治でなく、もし戦争などの邪な考えで利用するとなると

精霊王は黙っておらずすぐに人族をこの世から消し去ってしまうだろうから、くれぐれも注意して扱ってくれ」


後から考えたらちょっと言い過ぎだったと思う

この時代でも盗賊や追い剥ぎは存在する

そんな者が勝手をしたらどうなるんだって話だからな


あと、せっかく来たのだし頑張っている工房の人には美味しい物でも食べてもらいたかったので

そんな時はやっぱり霜降り肉に限る

未来でガンガン狩っておいたからここぞとばかりに配りまくるのだった


住民もぼちぼち寝静まる頃、ギルド酒場はまだまだ活気付いている時間だ

「戻ったか、どうだったんだ?シュウ」

多くの人で溢れる中、ピルスルが声をかけてくる


リヴァイアサン、妖精女王、そして精霊王アイオーン

いずれもこの世界を良くしたいと思う者達

人もエルフも世界が滅ぶ事は望んでいないのだろう、だからこそ俺は全ての種族が平和に暮らす未来を作りたかったのだ


皆が俺の理想に耳を傾けてくれていた

もう二度と会えないだろうこの4人の冒険者は、俺が消えてもこの世界を良くしようと動いてくれるのだろうか…


宿に入ると月が窓から覗かせている

山々に囲まれて美しく光を放つ大きな月

こんなにも素敵な世界がどうかなってしまうなど、考えたくもないことだ…


明日の朝、早くに出て帝国へ向かおう

俺は昂ぶった気持ちが、どこかスッとするような気になり

そのまま眠りについたのだった

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