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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第4章《それぞれの戦い》
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22話「治安」

とりあえずギルドで待っているのも、と言うので

俺たちは食事処に向かうことにしたのだが


ギルドから出たところで、見るからにゴロツキ5人組がお出迎えしてくれるのだった


【レベル16、弱い、火が弱点】

ん?なんか読み取れた…超感覚効果か?


「よぅあんちゃん、なかなか景気が良さそうじゃねえか

ちょっとばかり恵んじゃくれねえか?」

スキンヘッドで頬に大きな傷痕を付けた男が、どすの利いた声で話しかけ、ニヤニヤと近づいてくる


【ゴロツキのボス、食料不足】

ヤバイ、超ワクワクしてきた


アイリスとアレクがギルドへ駆け戻ろうとするのを他の4人が止める

【雑魚×4、飢えている】

俺は、思っていた


「なぁ、冒険者相手に襲いかかるって事はそこそこ腕が立つんだろ?

なんで街中でこんな事やってんだ?」


キョトンとして武器を持った手が垂れ下がってしまうゴロツキ

「え、何言ってんだおめぇ…」


この状況分かってんのか?的なことだろう


「いやさ、まぁ上手くいくこともあると思うけど

強い冒険者相手にして追い払われるのが関の山じゃん

最悪衛兵に捕まってお前ら処刑されるのになんでこんな危険な事やってんのかな?って」

俺は語りながらインベントリからイフリートの剣を取り出す


真っ赤な刀身は薄く炎を纏い、周りに陽炎がゆらめいている

それを見るとゴロツキ達の態度が急に変わり焦っているようだ


「バ…ババ、バカな!武器なんて持ってなかったじゃねぇか!

やめてくれ!すまなかった!」

焦って後ずさりし、その拍子に躓いて尻餅をつくゴロツキ

【恐怖状態、非常にメンタル】


気付いたら後ろの4人は一目散に逃げていた

「あぁ、皆の武器を荷物になるからって俺が預かってたからな」

そうか、得物が無いからやられないと踏んでいたわけか


「お前達は一人でゴブリンを倒せるのか?」

「い、いや一人じゃ難しい」

【無理、死にます】

まぁそう言ってやるな…超感覚さん…


今度同じことをしていたら衛兵に突き出す、日銭くらい自分たちで稼げ

ついでに治安維持にもなるし、ゴロツキのストレス解消にもなるだろう

決して荷馬車など襲うなよ、と言い追い返す…


のは簡単なのだが、ここはゴロツキどものあなぐらへ案内させて

全員を改心させねばな、と移動していた


「まず、お前達に金貨1枚をやろう酒でも女でも買えばいい

それと武具もだ、この装備ならばゴブリンも余裕で退治できる

今後は城下町周辺の魔物を狩って生計を立てろ

技術を持つものはアイテムや装備品を作れ

素材なら俺もある程度は持っているし、なければ自分で調達してこい

買取は武器屋でも雑貨屋でも持っていけばいいし、良いものが出来たのなら俺が高値で買い取ってやる」

【雑魚×15、弱い×3、不満あり7割】


ここまで言って、『はいわかりました』と言うゴロツキではないことは分かっているので

剣を取り出し、近くに置いてある木のテーブルを斬りつける


切り口から炎が広がり一瞬にして消し炭となったテーブルを、アイリスが魔法で消火してくれていた

【アイリスのおかげで火災は免れました】


「今後人を襲ったり犯罪行為を行えばどうなるかはよくわかったろう

ちゃんと働くのであれば、俺はお前たちに協力してやらんでもないぞ」

【恐怖100%期待70%】


とは言ったものの…今は金もあまり残って無いんだけどな


スキンヘッドの男に金を渡し、武具は人数分インベントリから取り出す

【攻撃力16、防御力計33、現状の倍の数値は確認、ゴブリン退治も可能】


ちょっと超感覚さんうるさいかもな…

【無視してください】


ちょっと試してみるか…

超感覚、こいつらは今後どうなる?

【冒険者14名、職人2名、料理人1名、死亡1名】


死亡?誰だよ…

【ブルンという手前の長髪の男、剣の腕が良いが死相有り】


どうすれば?

【過信しての魔物からの致死ダメージと推察】


「ブルンという奴は剣の腕が良いらしいな、国を守るために働いたりする気は無いのか?」

「なんで俺の名前まで知ってやがんだよ、気持ち悪ぃ」

【不快感】

見りゃわかるよ!


「腕を過信して死なれても寝覚めが悪いからな

一つ別の装備も出してやるから皆の剣の指導とかもしてやってくれ」

そう言ってインベントリから®️の付いた武器を探す

[水竜の剣®️(+4)]


以前ピルスルが見せてくれた剣だ…まぁその後何本か拾ったから合成してあるのだけど


そういえば未来はどうなっているのだろうなぁ

【不確定要素が多いためエラーになりました】


ブルンが水竜の剣を受け取ると、こちらにその剣で斬りつけてくる


【防御可、実行します】

「なっ?!」ブルンはただ驚く

見事に首を狙いにきていたのだが、それを俺は…あろうことか小指で受け止めていた


「てめぇっ、おちょくりやがって…そうかよ、どうせこれもお遊びだってんだろ

せいぜい気の済むまで付き合ってやるよ」

【怒り、憤怒に変わりました】

誰のせいだよ!


「料理人志望もいるのか…だったら食料も少し置いといてやろう」

まぁ魔物の肉くらいしか無いけどな


どこまで施しをするんだこの人は?って顔でゴロツキ共がこちらを見ている


「勘違いするなよ、俺はお前たちにそうしてもらうのが都合が良いだけだ

まぁ死にたいのであれば好きにすれば良いがな」

頼むから面倒起こさないでほしい

【特に問題無しと推察】


じゃあ戻って俺たちも飯にするとしよう


「シュウさん…なんであんな方達と?」

アイリスは俺の傍から覗くように当然の疑問を投げかけてくる

「あ、いやただの気まぐれだよ」


そうただの気まぐれ、だいたい追い返したりして終わってしまうシチュエーション

負けるためにわざわざ出てくる者達

ちょっとした好奇心で裏側を見てみたくなっただけなのかもしれない


「変なの」

そう言いながらもアイリスの表情は(にこや)かだった

【マスターの恋は届きません、諦めてください】

知ってるよ!


結果的には治安維持にもなったのだと思うから悪いことはないと信じたいな

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