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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第1章《始まり》
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11話「えくすぷろーじょん!」

ブクマありがとうございます

初めて投稿してみて、必ず完結までやり遂げようと心に誓っているつもりでしたが

こうやって沢山の方が読んでくださっているのを感じると忙しい最中でも

書いていることが本当に楽しくなってまいります

昨日はなかなか楽しかったので、つい呑みすぎてしまった

しっかりと宿で目が覚めていたので、どうにかここまで帰っては来ていたようだった


「おはようございます、大丈夫ですかー?」元気いっぱいな声で癒される

呑みすぎた俺を心配してくれたのか部屋までお湯とタオルを持って来てくれた

気付けば日もけっこう上っているような時間だった


「あぁ、わざわざありがとう」お礼を言ったら、昨日手品を見せてくれたお返しだってさ

そんなものは見せた覚えがないのだけれど


さて、と酔い覚ましに水を一杯飲んでから持ち物を確認する


昨日ゴブリンロードを倒した際に【ゴブリンスリンガー®️】なる武器を入手していた

Rと書いてあるくらいなのだからLもあるのか、両手持ちのできる装備なのだろうか


見た目は幅の狭い弓というかボーガンのような形状をしていて、おそらく矢かなにかを打ち出すであろう装置が付いている


こうかな?んん…?握る場所はあるのだけどイマイチ安定せず使いづらそうなので何か間違ってるのだろうと、その時は一旦インベントリにしまいこんで保留にしたのだった


武器のことは武器屋に聞きゃいいな、よし行ってくるか

俺はゴブリンスリンガーを手に持ち武器屋の玄関を跨いだ


せわしなく在庫整理をする少年が「いらっしゃいませ」と手を止め軽く会釈をする

つられて俺も頭を下げていた


「よぉ、にいちゃんか、今日はどうしたんだ?金を払いに来たのか?」

そうだった、俺は後払いで短剣を購入していたのだ、忘れてたわけじゃない


忘れてたわけじゃない…


「あぁ、それもあるんだけど、ちょっとこの武器の使い方がわからないんで教えてくれないかと思って」

右手を前に差し出し、手に持っていたゴブリンスリンガーを親父に見せる


ふん…また珍しいもん持って来たなと言うと、それを受け取ってしげしげと眺めている


親父は5分くらいあちこち叩いたり引っ張ってみたりして、別の冒険者(おきゃくさん)が強い剣を買いたいというのを

「黙ってろ3流冒険者、てめえにはこないだくれてやった剣で上等だ」などと言うものだから

その冒険者の視線がこちらにも向かい、とても気まずい感じだったのだ


「そうだな…俺の知っている武器ではないが似たようなものなら扱ったこともある

こいつは利き腕と反対の腕に嵌めて矢を打ち出すもんだ、利き腕は剣を装備しておけ」

そう言うと、カチャカチャと俺の腕に装着し始めた


うん、確かにこうやって腕に巻きつくように装着すれば安定もするし、なにより両手が思いのほか自由に使える


「いい武器だな、どこで手に入れたんだ?」

ゴブリンロードを倒したら手に入ったんだ、と素直に答えたら


アイツの落とすもんったら棍棒(コレ)だろ、本当ならよっぽど運が良かったんだろうな…とか

嘘ついてんじゃねぇだろうなとか

珍しい武器拾ったらじゃんじゃん持って来いとか

そのゴブリンスリンガーも買い取ってやろうか、と机に銀貨10枚を並べられたりもした


「また、見つけたらその時はお願いします」と言って

あと、短剣の代金を支払おうとしたのだけれど


「面白いもん見してくれた礼だ、その短剣はくれてやるよ!お前さんにゃ貸しを作っておきてぇからな、がっはっは」

こちらは借りを作りたくはなかったのだけど、まぁ長い付き合いになるかもしれないので好意は受け取っておこう


武器がどんなものか分かると、試し打ちをしたくなるもので

近くの森へと向かおうとする


「あ、そうか矢がないとダメなんだった」

【アイテム生成・初級】のスキルで制作できる中にも矢はあるのだけれど

【木材】も【鉄】も持っていない、森にしか行っていないのだから手に入るものも限られている


仕方なく武器屋に戻って、「親父、矢を売ってくれ」と言うと親父に

「そんなチマチマしたもんはうちじゃねぇ、むこうのガラクタ屋に行け」と怒られた


ガラクタ屋、もとい雑貨屋で聞いたら30本単位で売ってくれた

少量とはいえ、鉄がいい値段するもので30本銀貨1枚と

消耗品にしては非常に高く感じたものだ


それなのに俺は【お得な100本セット銀貨3枚】をしっかりと購入させていただいたのだ


「うーん、ちょっと使いすぎたかな」

お金のことが若干心配になってしまい、雑貨屋の店主に買取もしているのかを聞いてみる


「ええよ、金額はうちが決めるけど大体のもんは買うてやんで」

さて、何があったかな…とインベントリを覗きフレイムボムが目についたので取り出して聞いてみた


「あ、あ、あんさんっアホなこと言わんといてや!店破壊する気なんかい、早よそれ持って出てってやー!」


追い出されてしまった、そうだった【フレイムボム】はこういう扱いだった、と反省をする

仕方がない、と前を向くと頭の中でいつものウィンドウ画面の出る感覚が現れる


【生成しますか?】

フレイムボムを作る時にも出ていた言葉だ

しかし、何を?材料を全て手に持つと現れるのだからきっとこれ…


そう思い手に持ったものを見ると【矢】【フレイムボム】だった

以前ドルヴィンから【アイテム生成・初級】で作れると聞いたものに心当たりは無かった


聞き漏らしただけなのか、いやそもそもフレイムボムを扱う人が少なすぎて知られていないだけじゃないのか…

そんな事を思いながら、まぁ悪い結果にはならないだろうと手に軽く力を込めていた


【EXPフレイムアロー・30本】

持っていたうちの30本だけが上から下まで真っ赤に染まった別の矢に変化していた

火属性の付いた矢なのだろう、俺はその時はあまり深く考えていなかった

【EXP】の意味を…


さてさて、と森に入ると

「一応短剣もすぐ使えるように…」と腰に装着する

ちょうどめぼしいスライムを発見した


そこそこ強いなら多分、一撃で倒してしまうだろうから

この武器の力まではわからないだろうけど

まずは使い勝手の良さを確認しておこうという感じだ


俺は右手に一本の赤い矢を取り出し、ゴブリンスリンガーに装着する

大した力も必要なく簡単に扱えそうだった

そのまま目標(スライム)に向け発射させる


赤い矢は見事にスライムを射抜いた、と思った瞬間


スライムは跡形もなく爆散して、俺の顔にスライムだった何かがピチャピチャと音を立て纏わりついてくる

一瞬遅れて激しい熱気が全身にチリチリと感じられるのだった


「………」これ以上接近してたらどうなっていたことか…

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