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アンファンタジーな少年の異世界冒険譚  作者: ほまれ
成り上がりの主人公編
9/47

#8 魔剣士と勇者(笑)

お読みいただきありがとうございます。

下手な文章ですが、少しでもお楽しみいただけると幸いです。

黒髪は、突然のことに呆然としている。

兵士や鑑定士たちは、そんな黒髪を取り押さえながら口々に罵っていた。

「この悪魔め。漂流者の中に紛れ込みやがって。」

「我が国を破滅させるつもりだろうが、そんなことさせんぞ。」

「あ、こいつ暴れようとしているぞ!」

「おとなしくしろ!」

だんだん過激になり、黒髪はすでに何発か殴られている。

姫様が毅然とした態度で兵士に指示を出す。

「黒野さんを傷つけるのはやめなさい。すぐに地下牢へ。

黒野さん、申し訳ありませんが、しばらく拘束させていただきます。」

あいつ、黒野っていうのか。

あー、連れられて行く。可哀そうに。

そう思っていると巨乳魔導士としゃべっていた金髪が口をはさむ。

「姫様。あなたを怯えさせる悪魔は、ここで俺が始末して差し上げます。」

そういうと金髪は女騎士から剣を受け取る。

周りの兵士や鑑定士たちは、「さすが勇者様だ。」とか言っていってすっかり応援モードだ。

近くにいたメイド風の女性にいたっては、泣きながら

「この悪魔を殺してください。お願いします。」

とか言っている。

なに?黒野君に親でも殺されたの?

てゆーか、勇者(笑)は人を簡単に殺せるの?

ひくわー。どんびきだわー。

と、他人事で済ませたいところだけど、

殺すのはだめだ。

姫様は、だれも死なせないようにと言っていた。

あの感情があふれた言葉は本心だろう。

とりあえず前に出る。

「あのー。ちょっといいですか。」

「なんだ。今は取り込んでいる。あとにしてくれないか。」

そう答える金髪の手を見ると震えている。

やはり人を殺すことには抵抗があるみたいだ。

きっかけがあれば、引っ込むかもしれない。

「まあまあ、まだ何かしたわけじゃないし。

いきなり殺すのはどうだろう。

ほら、僕らは記憶もあやふやなわけだからさ。」

「魔無しが、勇者である僕に意見か?」

いやいや、授かった才能だけで人を下に見るとかどんな勇者だよ。

「そうよ。勇者様がせっかく悪を討たれようとしているのに。

無礼よ。下がりなさい。」

巨乳魔導士も勇者に同調する。

「おい、やめとけよ。」

後ろにいた赤髪が僕の肩をつかむ。

周りを見るとみんな同じ意見のようだった。

なんで、金髪勇者の言葉を受け入れている?

「分かったよ。じゃあ、ひとつだけ。

姫様。ここは、分けもわからないうちに身に覚えのない理由で殺される。

そんな世界なんですか?」

と、姫様に振る。

姫様は、驚いた顔でこちらを見ていた。

そんな姫様もかわいいが、早く答えてほしい。

「誰も死なせないでほしい」と言っていた姫様ならば、殺すことはないと思う。

しかも、かわいいし。

そんなことを考えていると、姫様が金髪と黒野君の間に歩み出た。

「もちろん違います。魔剣士の才能があったとていきなり殺すことはありません。

ですので、勇者様。この件はこちらで対処させていただきます。」

よし、予想通りだぜ。

金髪勇者は、舌打ちして黒野君に向けていた剣を鞘に納める。

「そうですか。姫様にそう言っていただいたならお任せいたします。

しかし、ゆめゆめ油断されることなきようにお願いいたします。

おい、おまえ。とりあえずは見逃してやる。

だが、何か怪しい動きをしてみろ。その時は容赦しないぞ。」

なんだ、あいつ。ビビっていたくせに。

殺さなくていい雰囲気になったとたん、あからさまにイキイキし始めやがった。

周りを見ると、「さすが勇者様、寛大でいらっしゃる。」とか言われているし。

ふと、黒野君を見る。

うわ、すごいにらんでいるよ。

そりゃそうだよな。訳も分からず殺されそうになったんだもんな。

まるで、成り上がり系の主人公みたいだ。

間違っても勇者(笑)が主人公ではないはずだ。

イケメンが!

ふと、勇者(笑)をみると、何故かこちらを睨んでいる。

意見したことを根に持っているのか?

まあ、どうでもいいけど。

それにしても、とりあえずは誰も死ななくて済みそうだ。

少しは姫様の助けになれたのだろうか。

あと問題なのは・・・

僕も闇属性を持っていることだ。

魔無しって表記されるみたいだけど。

隣にいた鑑定士に話しかける。

「魔剣士とか闇属性は、差別の対象なの?」

鑑定士は再び驚いた顔をする。

「差別じゃないですよ。」

ほっとしたのもつかの間、鑑定士はすごい剣幕で叫んだ。

「魔剣や闇属性は、邪悪なのです!すべてを破滅に導くのです!

この世界では、はるか昔からそう言い伝えられております。」

差別どころじゃなかった。

黙ってよ。

姫様は、忙しく指示を出していらっしゃる。

そんな姫差を眺めている。かわいい。

ふと目が合うと、僕に向かって微笑まれた。

天使?天使なのか?

頑張った甲斐があったぜ。

次回「#9 自己紹介」は、予定です。翌10時に更新予定です。

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