#4 魔無し
お読みいただきありがとうございます。
下手な文章ですが、少しでもお楽しみいただけると幸いです。
赤髪が銀髪に尋ねる。
「どんなことが書いてあるんだ。」
「名前とレベル、あとは才能がいくつもある。」
「力とかSTRとか数字でわかるステータスはないのか。」
「ない」
銀髪と赤髪が会話をしていると、姫様が補足した。
「才能については、その才能に意識を集中すると説明が頭に浮かぶと思います。」
「これから、皆様には鑑定を受けていただきます。こちらに3人の鑑定士がおりますので、順番にお受けください。」
姫様が仕切りなおす。
切り替えの早い姫様もかわいい。
意外にもみんなはてきぱきと並び始めた。
僕は、姫様の可愛さを再確認していたので遅くなった。
後ろから3番目であった。
これが、物語の主人公であれば最後に鑑定を受けて、
何かすごい才能や禁忌にふれるような才能が発覚しそうなものだが、
後ろから3番目という順番では期待できそうになかった。
ちなみに僕の後ろは金髪イケメンで、最後は目つきの悪い黒髪だった。
鑑定を受け終わった者から、次々と歓声が上がる。
「侍!しかも、二刀流だ。」
「賢者?魔法が使えるの?うれしい!」
「うわー、斧か。槍か剣が良かったな。」
「努力?努力ってなに?」
いいなー。盛り上がっているなー。
努力は嫌だなー。
僕の番も早く来ないかな。
姫様に見とれていた僕が悪いのだけどね。
あー、姫様かわいい。
「次の方、どうぞ。」
しばらく姫様を眺めていると、いつの間にか順番が来た。
姫様が可愛すぎるせいで、時間が一瞬で過ぎてしまった。
いよいよか。
そう思うと緊張してきた。ドキドキ。
「じゃあ、鑑定しますね。ステータスオープン。」
バキン!
あれ?あのウィンドウみたいのが出てこない。
「あ、あの。もう1回やりますね。ステータス、オープン。」
バキン
首輪が壊れた時とおんなじ音がする。
そして、ステータスはわからない。
鑑定士が姫様に報告に行った。
いいなー、姫様とあんなに近くで話せて。
そう思っていると、鑑定士が姫様を連れて戻ってきた。
グッジョブ!
姫様は、こちらへ来るなり早口で説明し始めた。
「あなたは“まなし”のようですね。
こちらの世界でも、一万人に一人くらいいらっしゃいます。
“まなし”だと魔法や魔道具が使えませんので、これを使います。」
よく見ると、手にテレビで見る羊皮紙のようなものを持っている。
「“まなし”とは何ですか?」
僕が聞くと、鑑定士は答えづらそうだった。
「“まなし”とは、魔素を受け付けない人のことですよ。魔法がないので“魔無し”です。」
姫様がかわいい声で教えてくれる。
魔無しかあ。
魔法は使えないのかな。楽しみだったのに。
少し落ち込んだが、近くで見る姫様は遠くから見るよりもさらに可愛く、すぐに立ち直った。