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＃36　0次職

部屋に帰ると、キスケが泣きそうな顔で迫ってきた。

「アッシュ！もう怪我は良いんすか？」

「ごめん。心配かけたな。魔無しの魔女の薬でこの通りだいぶ回復したよ。」

キスケが安堵の表情を浮かべる。

「それで、キスケたちにお願いがあるんだ。」

僕は、部屋にいたダイモンやシノも含めて、ユウとのやり取りを伝えた。

「自分は良いっすよ！」

キスケは、食い気味に答える。

「お、おう。ありがと。ダイモンとシノはどうかな？」

「(　゜д゜)ウム。」

「おいらは、ちょっと芸のネタを仕入れたいからパスだな。」

シノは行けて、ダイモンは行けないようだ。

「じゃあ、明日な。」

僕は、そういうとミストレルからもらった薬を飲んで

苦みに悶えながら寝たのだった。

翌日、キスケ、シノと待ち合わせ場所に行くとユウはもう待っていた。

キスケがうるさいから少し早めに来たというのに、こいつどんだけ早く来てるんだよ。

「待たせたか？」

「いや、俺が楽しみで早く来すぎたのだよ。」

「遅いです！ユウ様を待たせるなんて信じられませんわ！」

そう、待っていたのはユウだけではなかった。

「申し訳ない。来る途中で桃瀬君に見つかってしまって。一緒でもいいかい？」

「まあ、ユウ様ったら。マホとおよび下さいと申してますのに。

まさか、断らないですわよね？」

なんで、ユウはこういう癖の強い女ばかり引き寄せるんだ。

ユウに女難の才能でもあるのか。

おかげで、いつも僕が絡まれるじゃないか。

「女難とはなんですか！」

「アッシュ、声に出てるよ。」

キスケの声にはっとしてマホを見ると、

こちらを睨み付けていた。

まさか、声に出ていたとは。

「いつも絡まれるのは、アッシュにも原因があると思うっす。」

キスケが楽しそうに茶々を入れる。

「(　゜д゜)ウム」

シノも大きくうなずく。

僕があまりの気まずさにおろおろしていると、

「えーと、じゃあ、行こうか。

まず、0次職を得るために神殿に向かおうと思うけどいいかな。」

ユウが、気を使ってさりげなくマホの手を引いた。

「はい、行きましょう！」

マホは、ユウの手に触れたことで機嫌が直ったようだ。

これが、イケメンスキルか。

いつもなら悔しさがこみ上げる場面だが、今は感謝の念しかなかった。

僕は、これまでユウに向けたことのない精一杯の笑顔で答える。

「ああ、よろしく頼むよ。」

神殿では、5人とも市民の職業を手に入れたが、

レベル10を超えているのは僕とユウ、それからキスケだけだった。

キスケは、どうやってレベルを上げたのか。

最近は一緒に行動していなかったことが多かったからか、分からないな。

1次職は、戦士、ごろつき、学徒、修道士、支援者、農民の6つだった。

ユウとキスケは戦士を選んだようだ。

僕は、神父に勧められた支援者にした。

薬師との相性も良く、2次職には投擲士というものがあるらしい。

今のステータスは、こうなった。

名前

ハイバラ　ミズキ　Lv.12（8700（8500+20*10）/10240）

スキルP　5

ステータス

　体力

　　命力　60（5）

　　活力　780F（5+60）

腕力　72（5+1）⇒素手312（5+20+1）

脚力　216（5+10+3）⇒素手456（5+10+20+3）

剛力　72（5+1）⇒素手312（5+20+1）

技力

　出力　55（5）

　速力　300（5+20）

　操力　60（5）

　知力　900（5+10＋60）

　眼力　816（5+60+3）

心力

　霊力　7269（5+600）

　気力　132（5+6）

　巫力　60（5）

　理力　144（5+6+1）

　胆力　132（5+6）

才能

魔無し（闇属性）　Lv.13：平和を求めるあなたへ魔法禁止。（魔無しと表示）

霊力強化　Lv.10（MAX）：霊力上昇（超＋）、霊力回復（超＋）

魔素拒絶　Lv.2：範囲（小＋）常時

闇耐性　Lv.1：闇軽減（小＋）

吸収　Lv.0

闇魔法　Lv.0

水属性　Lv.5：お酒好きなあなたへ。二日酔い防止に水耐性。お酒は20歳から。

知力強化　Lv.3：知力上昇（中）、胆力上昇（小＋）

理力強化　Lv.1：理力上昇（小＋）

水耐性　Lv.1：水軽減（小＋）

水流操作　Lv.0

水魔法　Lv.0

氷属性　Lv.12：お酒好きなあなたへ。ロックはいかが。お酒は20歳から。

眼力強化　Lv.10：眼力上昇（大＋）、速力上昇（中＋）、脚力上昇（中）

気力強化　Lv.1：気力上昇（小＋）

氷耐性　Lv.1：氷軽減（小＋）

氷操作　Lv.0

氷魔法　Lv.0

素手　Lv.20：平和を求めるあなたへ武器禁止。

武器拒絶　Lv.10（MAX）：全武器破壊（常時）

格闘　Lv.7：パンチ、腕力上昇（中＋・素手）、キック、脚力上昇（中＋・素手）、

投げ、剛力上昇（中＋・素手）、ガード

体さばき　Lv.3：ステップ、ジャンプ、ローリング

投擲　Lv.0

闘気　Lv.0

　薬師　Lv.10：回復魔法が使えないあなたへ。癒してください。

　　植物知識　Lv.4：植物観察、植物発見、中級植物鑑定

　　調合　Lv.3：下級傷薬調合、初級解毒薬調合

　　投薬　Lv.3：薬効上昇（中＋）、2剤投与

　　消耗品知識　Lv.0

　　魔法薬　Lv.0

狩人　Lv.4：おいしいものを求めるあなたへ。武器拒絶だけど（笑）

　　動物知識　Lv.1：動物観察

　　探知　Lv.1：聞き耳

　　狩り　Lv.2：狩猟本能、山歩き

　　解体　Lv.0

　　罠設置　Lv.0

　学習　Lv.22：惰眠を求めるあなたへ。勤勉になってください。

　　記憶　Lv.10（MAX）：速読、全文字記憶、全言語理解、瞬間記憶、瞬間理解、知力上昇（大＋）、睡眠学習

　　演算　Lv.2：四則演算、関数演算

　　効率化　Lv.10：省エネ（大＋）、スキル効果上昇（中）、学習効率化（大＋）、自動学習

　　応用　Lv.0

発展　Lv.0

　健康　Lv.18：健康を求めるあなたへ。そのままですが(笑)

　　活力強化　Lv.10（MAX）：活力上昇（大＋）、活力回復（大＋）

　　食事　Lv.4：大食い、味覚強化、食事マナー、食事効果（中＋）

　　睡眠　Lv.4：入眠、熟睡、覚醒、睡眠回復（中＋）

　　自然回復　Lv.0

健康診断　Lv.0

支援者　Lv.1：縁の下の力持ち

　　応援　Lv.1：声援

　　援護　Lv.0

　　輸送　Lv.0

　　手当　Lv.0

整備　Lv.0

市民　Lv.1：納税者が得られる

　　労働　Lv.1：ギルド登録

居住　Lv.0

　　購買　Lv.0

　　帰郷　Lv.0

街の加護　Lv.0

特殊スキル

　　下級魔力操作（体内）

新たな職業である支援者と市民はレベル１からのスタートのようだ。

支援者の応援スキルにある声援は、対象者1人に対し活力回復（微）＋気力回復（微）の効果がある。

僕が使えば、活力回復（小＋）＋気力回復（小＋）となる。

バッファーとして活躍する未来もあるな。

試してみよう。

僕はキスケに声援を使う。

「キスケ。がんばれ。」

その瞬間

パキン。

・・・

聞きなれた音が響いた。

思わず崩れ落ちて膝をつく。

「そうか、こういうスキルも使えないのか。」

キスケが、不思議そうな顔をしながら

肩に手を置いて慰めてくれた。

「アッシュ、よくわかんないけどドンマイっす。」

「( ´,_ゝ｀)プッ」

シノは空振りした僕を笑っていた。

なんてひどい奴なんだ。

それにしても、応援スキルは魔力が使えるようになるまでお預けだな。

じゃあ、5P残しているスキルPを何に振るか悩むな。

ちなみに、素手の4つ目のスキルの投擲にもポイントが振れるようになっていた。

素手の才能レベルが20を超えたからだろうか。

しかし、レベル20を超えている学習の応用スキルにはポイントが振れない。

他の要因もあるようだ。

とりあえず支援者スキルの援護、輸送に1Pずつ振る。

援護　Lv.1：投石（ものを投げる。石以外も可。スキル発動時：腕力補正（微⇒小+））

輸送　Lv.1：投げ渡し（投擲できる範囲なら壊さず届けられる）

を得た。

うーん。

援護の投石や投げ渡しは、投擲の相性はよさそうだけど、実用性は微妙だな。

輸送は、薬師と相性がいいのか？

とりあえず投擲にも1P振る。

投擲　Lv.1：投擲精度上昇（中⇒大＋）

コントロールか。

まあ、当たるようになったんだ。

少しは投石も使えるようになったか。

残り2P。

ここで決めるにはリスクが高いな。

もう少し様子を見よう。

名前

ハイバラ　ミズキ　Lv.12（9000（8700+30*10）/10240）

スキルP　2（-3）