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アンファンタジーな少年の異世界冒険譚  作者: ほまれ
プロローグ
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#0 プロローグ

お読みいただきありがとうございます。

下手な文章ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 その夜は、雨が降っていた。

一回り下の妹から傘を持って迎えに来いと言われ、

30過ぎたニートの僕は肩身が狭く、しぶしぶコンビニへ向かった。

電灯が少ない暗い道を歩いていると、

「おい。」

途中で背後から声を掛けられる。

驚いて振り向くと、

「お前がいるせいで、姫は俺と一緒になれないんだ。」

身に覚えのないセリフとともに、電柱から雨合羽が現れた。

「誰ですか?」

そう問いかけても返事は帰ってこない。

薄暗い電灯に照らされた雨合羽の手元が鈍く光った。

そう思うや否や、雨合羽はこっちに向かって駆け出してきた。

あまりの恐怖に動けず、ぶつかってしまう。

「ひゃはは、やった。これで姫と・・・」

そう叫ぶと雨合羽は立ち去ってしまった。

何が何だかわからず、

落とした傘を拾おうとしたとき、

腹が燃えるように熱くなる。

見ると服もズボンも手も地面も真っ赤に染まっていた。

あぁ、そういえば妹がストーカーとか言っていた気がする。

朦朧とする頭からそんな記憶がよみがえる。

やばい。

痛みと寒さで震える体に鞭をうち、スマホに手をのばす。

1・・・1・・・0・・・

妹が待っているだろうコンビニに不審人物がいることを

息も絶え絶えに伝えていく。

電話口の声は遠く、何を言っているか分からない。

小さい声はさらに小さくなっていき、

僕は意識を手放した。




「・・・見つけた。この人なら・・・」

遠くから声がする。

「お目覚めください。」

いやだ。

このまま寝ていたい。

「お目覚めください。」

・・・

あぁダメだ。

すっかり頭がさえてきてしまった。

ん?

ここはどこだ?

周りは暗く何も見えない。

そうだ。妹は?

「妹さんは無事です。あなたが通報したおかげで犯人は捕まりました。

その後は幸せに暮らしたようです。

しかし、あなたは亡くなってしまって・・・」

そうか。無事だったか。

良かった。

で、だれ?

「神というのが最も分かりやすいでしょうか?

あなたの死は予定外でした。」

これは、あれか?

転生の流れか?

「はい。あなたは転生しましたが、大罪を犯してしまい

この次元の狭間へ放り込まれました。

そして、長い年月が経ちました。」

あれ?もう転生しちゃったのか。

記憶がないけど。

「記憶が奪われるのも罰の一つです。」

大罪って?

「それは教えられません。」

じゃあ、何の用?

「取引をしに来ました。

ここから出して別の世界へ転生させます。

可能な限り望む力を与えます。

代わりにこちらの願いをかなえてほしいのです。」

願いって?

「あの子を助けてほしいのです。」

具体的に誰の何を助ければいいのさ?

「すみませんが、詳しくは伝えられないのです。

伝えてしまえば気づかれてしまう。

これが限界なのです。」

えー、じゃあ無理だよ。

もう寝ていることにするよ。

「・・・・」

プレッシャーを感じる。

だめか。

じゃあ、望む力をください。

平和で健康で

美味しいものがたくさん食べられて

誰も殺さずにすべてを守ることができる

そんな力をください。

「平和で健康ですか。やはり前世や前前世の影響が・・・?

でも、いい願いですね。分かりました。

では、これから転生させます。」

・・・

眠くなってきた。

「どうか、あの子を宜しくお願いします。

永遠に苦しめてしまったあの子を・・・・」

声が遠のいていく。

でも、死ぬ時とは違って安らかだ。

夢を見ながら、夢に落ちる感覚。

落ちていく中で声が聞こえる。

「平和を望む人。

どうか・・・をお救い・・・い。

・・・は、私のために・・・を。

・・・に苦しむ・・・を。

私ができることは、あなたに・・・」

声が遠のいていく。

・・・

・・・・・

・・・・・・・・・

冷たい。

床だ。

冷たくて硬い。

ここはどこだ?

硬い床で寝ていたせいか、体中が痛い。

記憶があやふやだ。

夢で誰かと話していたような気がするが、

ほとんど思い出せない。

誰かを助ける?

誰を?

名前は・・・

はいばら

灰原水樹

ここはどこだ?

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