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恋した僕と地縛霊さん

作者: 青い筆

新年あけましたパソコン頑張れ

 僕には好きなのかもしれない人がいる。その人を初めて見かけたのは、一か月ほど前だったと思う。

 趣味の深夜の散歩(友人にはやめとけと言われる)をしていたとき、墓地の近くで見かけたときだ。

 今にも消えてしまうのではないかと思わせる、おぼろげな存在。少しの間目が合っただけなのに、僕はその人の事を忘れられなくなっていた。


「―――と言う事なんだけど」


 ここまでの話を僕の事を気持ち悪いと言った友人、律花に話してみた。話した理由は何個かあるが、彼女が泊まりに来て、いきなり、好きな人とかいないのか?と聞かれたことが大きかった。


「あー・・・うん」

 困った顔を浮かべている。

「どう思う?」

「どう思うって言われても困るんだけど、一言で言うならめっちゃ怖い」

「どのあたりが?」

 僕は全く自分に怖い所がないので質問した。

「ただでさえ深夜の徘徊怖いのに一種の心霊体験にしか聞こえないような事言われて怖くない人はいないだろ。てか墓地まで散歩行くな」

「あそこ涼しくて夏最高だよ」

「もう冬だわ!いっそそのままその幽霊と雪だるまでも作ってこい!」

 外を見れば、雪が降っていた。結構強めの。


「それもいいかもなあ・・・」

 僕はすぐ行動に移すタイプのアクティブボーイなので洋服を着こんだ。

「じゃあ行ってくるから。留守番頼むよ」

 マフラーを巻きながらそう言って外へ出た。



「あいつまじか・・・もう夜の十一時回ってるぞ・・・凍死すんじゃねえの」

「まあいいや。寝よう」


 律花は睡魔に負けるのだった。



 寒いし、駆け足で墓地へ向かった。いるかも分からないのになぜ出てきたのか自分でも不思議になってきている。普通に考えればいる訳がないじゃないか。そう思った時にはもう着いていた。


 目の前に、その女の人はいた。こんなに寒いのに、かなり薄着で雪だるまを作っていた。

 かなり暗くてもよく見える。雪だるまを完成させて満足そうな顔をしている若干半透明な彼女に僕は話しかけた。


「こんばんは」

「うわぁっ!」

 いきなり声を掛けたせいか驚かせてしまったようで、雪だるまの上の部分。頭をこちらに投げてきた。

 直径1mはありそうな雪の玉を避けれるはずもなく、余裕をもって潰された。


「わわ・・・ごめんなさい!」

 そう言って僕を救助してくれた。


「全然大丈夫ですよ」

 笑顔でそう言った。死んだかと思ったけど。


「よかった・・・」


「こっちこそ、雪だるまの頭を壊しちゃって・・・」


「いえいえ、そんなのすぐできますし」


「いや、僕にも手伝わせてください。てか手伝いに来たので」


「え?じゃあそこまで言うなら・・・」


 話はまとまり、一緒に雪だるまの頭部分を完成させるのだった。




 ――――――――――――



「できたー!」

 直径1mの雪玉を作るのだから大変だった。あっち行ったりこっち行ったり、滅茶苦茶なまでの達成感がそこにはあった。


「にしても、こんな寒い中僕達よく作り上げましたよね」


「えっ?寒い?幽霊だからそういうの感じないじゃないですか?」


「え?」

「え?」

 二人で顔を見合わせた。


「失礼ですが、幽霊さんじゃないんですか?」


「死ぬ思いは体験しましたけど、まだ生きさせてもらってます」


「わああああああっ!」

 ものすごい声を上げて、ものすごい速度で消えていった。


「・・・名前聞けなかったなあ」


 なんかずれている気もするが、とりあえず家に帰るのだった。

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