第1話 新しい日常
初めて書きました。 感想などいただけたらとてもうれしいです。
「ふぁぁ〜あ」
「なんだ、幸。すごい欠伸だな。」
「仕方ないじゃん? 幾らなんでもあの校長の話ながいよ…」
心底疲れたような顔をして幸と呼ばれた背の高い男が言う。
「確かに長いが… もう少しで終わるだろうからシャキッとしておけ。」
眼鏡をかけた男が返答する。 彼は姿勢をしっかり正したまま校長先生の話を聞いている。
ここは県立神辺高等学校。 今は入学式の真っ最中で、髪が程よく無くなった校長先生が話を始めてからはや数十分。 大体の生徒は疲れた顔をしている。 それに気がつかないのか、壇上の校長先生は拳を握って熱く語っている。
「よくあんなに話すことがあるもんだ。 ビックリだよ。」
「まあ、確かにな… おっ、終わるようだぞ。」
「…では皆さん悔いのないように高校の三年間を送ってください。」
入学式が終わり、それぞれ事前に振り分けられた教室に向かっていく。先程の二人も彼らの教室に向かっている。
「幸!、祐一!」
後ろから名前を呼ばれ幸は振り向くと仲の良い、飯村絵美子と榊雪がいた。因みに幸は中村幸て入学式の時に幸と話していたのは近藤祐一である。
彼らは皆同じ中学校出身である。
「どうした?」「いや〜 幸と祐一を見つけたもんだからさ。 あ、そうそう、言っておかないとね…」
「なに?」
「いや〜 今年も同じクラス。よろしくねぇ〜!」
とても嬉しそうな顔をして絵美子は言う。
「幸君、祐君よろしくね。」
続いて雪も言う。
「こちらこそよろしく。」
「ああ、よろしく。」
幸と祐一も答え、皆で彼らのの教室である、1年四組へ向かう。
教室はやはり初めてのメンバー同士だからなのだろう、静かで多少気まずい空気が流れている。
「やっぱり、ってかんじだねぇ」
「まぁ、最初だからな…」
そんなことを話している内に担任の先生が入ってきた。
「はい、こんにちは! 私がこのクラスの担任の二階堂 睦月です! 1年間よろしく!」
かなりテンションが高い人のようだ。あっけにとられている生徒もいる。
「よっし! んじゃまず、自己紹介ね! そっちから一人ずつよろしくね!」
そんなかんじで自己紹介が始まった。一人ずつやっていくが、真面目にやる奴もいればウケを取ろうとする奴もいる。そしてまず絵美子の番だ。
「東中出身の飯村絵美子です! 部活はバスケに入ります! 1年間よろしくお願いします!」
続いて祐一。
「近藤祐一だ。よろしく頼む。」
更に雪。
「榊…雪です。 えっと… 部活は料理部に入ろうと…思、ってます。 人見知り…が激しいですが…、皆さんと仲良く、したい…です。よろしく、お願いし…ます。」
最後は幸。
「中村幸です! 趣味は多彩で一言ではいえません! いろんな人と仲良くなりたいです! よろしくお願いします!」
そして順調に自己紹介は進み、終了した。
「よっし! 終わりね! あ!今日はもうこれで終わりです! お疲れさまでした!」
幸が帰りの準備をしていると祐一が声をかけてきた。
「幸 これから用事あるか? なければどこかに行かないか?」
確かにまだ昼頃であるし、このままかえってもおもしろくない。そう思った幸は、祐一の提案を了承した。
「あ、どうせなら雪と絵美子も誘おうよ。」
「そうだな、そうしよう。」
そう言って祐一は雪と絵美子の方に歩いていった。
祐一たちの話している声は聞き取れないが、幸のところからでも、絵美子のリアクションで、提案が受け入れられたのはわかった。
「んで、何処に行くの?」
「そう言えば、決めてなかったな、どこがいい?」
祐一が皆に聞く。
「カラオケ!」
これは幸。
「ボウリング!」
これは絵美子。
「ボウリングだって!」
「い〜や、カラオケだ!」
二人とも譲らない。
「祐一と雪は何がいい!?」
見事にハモった声で問いかける。
「俺は何処でも。」
「えと… カラオケかな…」
と、答える2人。
「よっしゃ!」
「あぁ〜…」
結果、今日はカラオケということになった。