ヒロインがなんの努力もなしになれると思うなよ
優しい、可愛い、貴い、なんて言葉を当たり前のように受け取って笑っているあの女の妹だなんて反吐が出る。
ミヤビ・スロイル、それがわたしの現世での名。わたしの生き様はミヤビなんて言葉とはほど遠いのに親は何を考えているのだろうか。
前世は悪女のテンプレートなのでは?と言われるくらいの悪女だった(らしい)。
嫌いな女の男は寝取って捨てたりしていたし、貢ぐだけ貢がせたらポイだ。
友達と必要ないから作らずに好き勝手生きてきた報いだと言わんばかり、刺されてあっけなく死んだ。
そんなわたしも結婚はしていたし、子供もいた。
良妻賢母していたさ。
死んだことに関しては自業自得、因果応報。構いやしない。
なぜ!、そう、なぜわたしのような人間を転生させたのか?だ。
興味もないが。
それは置いておこう、かわいいと褒め称えられ、貴いと持て囃されいる姉は毎日家では威張り散らしている。両親も姉が一番大事、二番目のわたしはゴミ同然の扱いだ。
「ちょっと!ミヤビ!お茶出しなさいよ!ゴミのくせに!」
さすがにわたしもキレる。
さて、ここで姉の大本命、エドワード・ガルシア・キングストに触れておこう。
名前が長いがこの国の王子だ。
この王子はなんとわたしと同じ転生者、それも前世でのヤンデレ旦那である。
だからこそ、わたしの前世の愚行を笑って許していたりしたのだ。あとで報復いくのは相手側だし。
『…ハァ。ほんと、あんたはいつまで経ってもバカの一つ覚えのような罵倒ねぇ。なにかあればゴミ。気に入らなければゴミ。ツマンナイ女、だからエディに相手されないのよ?それじゃ、わたしはエディと住むわ。じゃあね、ツマンナイお姉さんとご両親。』
「は?あんた、エディって…」
エディはエドワードの愛称で本当に親しい人しか呼べない愛称。
ツマンナイお姉さんことサイカが呼んだら間違いなく侮蔑にまみれた目で睨まれる、というより睨まれていた。
そりゃそうだ、初対面で最初から顔目当ての勘違いぶりっこが満面の笑顔でエディなんて呼んできたら睨みもする。
その時はサイカにめろめろな生徒会メンバーに守られていたけどね。
わたしをゴミ呼ばわりしているサイカにはさぞかし堪えるでしょう。
内心高笑いしながらさっさとエディがわたしのために取ってくれた(むしろ買い取った)高級ホテルのスウィートルームへ。
家を出たところで門の前にはなぜかリムジンが。
また盗聴したな、あのヤンデレストーカーめ。惚れ直した。
リムジンに乗れば行き先も告げずともすぐに発進してわたしは優雅にお茶をすする。
耳を済ませてみるとサイカの謎の奇声[アノクソゴミオンナーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あたしのエドくん誑かしやがって!!!!!!!!!!!!殺す!!!!!!!!!!!!殺してやるからな!!!!!!!!!!!!]とガチャンバリンと壊れまくる音がする。
予想以上だわ、これは学校はサイカが退学処分食らうまでエディとラブラブするか。
『ご愁傷様~、ご両親(笑)』
終
キャラ設定のようなモノ。
ミヤビ・スロイル
現世でのミヤビ
学生。
この世界では名門私立高校へ進学。首席。
正直乙女ゲーの世界なんてどうでもいいが楽しんでいる。
次席の人とは親友。
今回もなんだかんだ男食い漁る股緩ビッチ。
前世のミヤビ
本名:桜井雅
寝取りだのなんだのを楽しんでいた真性クズ。
その後?ポイだよポイ(ミヤビ談)
そんな真性クズの雅にも惚れる男が。
結婚後は良妻賢母としていたが、子供が成人後にはまたいつも通りのクズに。
そして旦那はヤンデレストーカーになるがそこが好き。
エドワード・ガルシア・キングスト
ミヤビのためならなんでもするヤンデレストーカー。盗聴盗撮は毎日毎時毎分毎秒している。
罵倒されると射精、馬鹿にされると勃起、足蹴にするともう目も当てられないほどの変態
前世のエドワード
本名:桜井薫
ドマゾ。彼女が他の男と寝てるのが楽しくてしょうがないらしく、にこやか。
なにを勘違いしたのか優しいだけの男はイヤだと逃げられてばかり。
ミヤビだけは違い、「喜んでじゃねぇよ、ばぁーか。」と馬鹿にしてきたり喜ばしてくれたので飼い犬になる。飼い犬から旦那になったのは予想外だった。
そしたら案外ヤンデレになった(謎)
サイカ・スロイル
乙女ゲー[禁断の箱庭]の主人公に転生したミヤビとは別ベクトルでのクズ。
男は全部奴隷、顔が良いのはサイカの旦那様♡らしい。
ドストライクなのがエドワード。
彼に近寄るために学校に入学。
この時彼女は首席だと勘違いしたまま二年間いる。基本的に本人にも入学テスト時のランキングは公開されない。
卒業時の答辞で判明する。
だってサイカは主人公だから頭良いし勉強しなくていいもん♡と本気で思っている。
(舞台はゲームと言えど現実なのだから)勉強すればするだけ頭よくなるが、勉強しなければ結果が出せずに底辺になるだけだ、というミヤビの忠告にも耳を貸さずにバカにしくさっている。
こいつのめんどくさいところは男がすべて自分に跪くと本気で考えているところ。
次席の子
真面目系ビッチ。
ぶっちゃけ学生としての本分はたしてるからヤってもいいんじゃね?的な考え。
結構ミヤビと遊んでいる(もちろん男)
親が放任主義で結果出せるならいいよって思われてる。
彼女自身も遊びすぎて結果出すのも自業自得であると考えている。