ミリとティカ （２００文字 掌編集）

ミリアム

彼女の名前はミリアムというが、僕はちぢめてミリと呼ぶ。

何だかちっぽけそうなその名前を、彼女はあまり良く思っていないらしい。

呼びやすくて、柔らかくて、おまけに僕のお気に入りの本に出てくる

飄々とした黒ねこの友達の名前とせっかく一緒なのに。

彼女は姉のような存在だ。

ような、と言いたくなるのは、どう考えても僕より子どもっぽいからだ。

昼間はいつも思いっきりはしゃぎまわって、夜になるとすとんと眠りに落ちるのだ。