「お前を愛する事はない」と新婚初夜で愛人を隣にした旦那様に言われた新妻の私、仕方ないのでお飾り妻として屈辱にむせび泣き真実の愛を見届けようとした話
「お前を愛する事はない」
新婚初夜の寝室で言われたわ。
相手は旦那様のクラマー侯爵閣下・・・
私は今日侯爵夫人になったリーナ、22歳だわ。
8歳年上の旦那様に言い放たれたわ。
愛する事はない。と・・
「な、何故でございましょうか?」
「フン、私には真実の愛の相手がいるのだ」
「そ、そんな」
「世間の目があるから仕方なく君を迎えた。入るが良い。マッシュ君」
「はい、フランツ・・・」
入って来たのは・・・男、赤毛でヒゲも赤で、身長は180センチくらいで旦那様と同じくらい・・・
「そうだ。私達は真実の愛で結ばれている。君はお飾り妻としてむせび泣くが良い」
「そ、そんな・・・」
どうりで実家に多額の援助金を頂けたわけだわ・・・
「わ、分かりましたわ。真実の愛を見届けます・・わ」
「フン、良いから出ていけ!」
寝室を追い出された。
翌朝から使用人達に馬鹿にされたわ。愛されない夫人は女主人として認めないと言うのね・・・・
「奥様、お食事でございます」
ガチャンとトレーを乱雑に置かれたわ。
「あ、奥様、帳簿は私がつけますので」
「え、じゃあ、私の仕事は・・・」
「大丈夫です。奥様は見ているだけでいいです」
帳簿は執事長がつける。仕事をさせてもらえない。
退屈だわ。
旦那様はと言うと、
「フランツ」
「マッシュ」
リビングで見つめ合っている。絵になるわね。
旦那様は使用人達には優しいので見守られている感じだわ。
二人は戦場出会って助け助けられる仲であったらしい。
私は軟禁状態になり。お飾り妻としてむせび泣く日々を過ごした。
「グスン、グスン、軟禁、怖いですわ!嫌ですわ!」
そう言うとガッチリ警護が付くようになったわ。
軟禁生活でどこに行くにも使用人が後をついて来た。
外出も自由にさせてもらいえない。友人とも会えない。
そんな不自由な日々を過ごした。
私は侯爵夫人なのに、もお、嫌だわ。
「本当に嫌だわ」
プルプル震えて屈辱にむせび泣いたわ。
そんなとき、両親達が面談に来た。何やら従兄弟も連れていた。あれは・・・確か。外国で商会長をやっているルドラ君、子供の頃、いつも私の後ろをついて来たわね。領地の商会長の息子だったわね。
応接室で面談をしたわ。
「リーナ、すまない、何回も侯爵家に面会を求めたが婿殿に拒否された・・」
「リーナ、本当の事を話して、虐待されていない」
「リーナ嬢、ルドラです。外国で商売が成功しました。金銭的な事は大丈夫ですよ」
「そうだ。リーナ、ルドラ君の援助で領地経営は安定している・・・」
皆、私を心配しているようだわ。そうか、領地は災害で甚大な被害を受けた。でも、今は復興が進んでいるのね。
私は無事だわと返事をしようとしたら、メイド長に口を挟まれた。
「私は・・【奥様、習い事の時間でございますわ】」
通常、使用人が主人の言葉を遮ることは許されない。
これは何かあった事を示すサインと思われるかもしれない。
だから私は軟禁生活を続けるために。
バチン!と思いっきり老齢のメイド長の頭をはたいた。
「お、奥様、なにを・・ウグ!」
頭に注意が向かったのでがら空きのボディにブローをぶち込んだ。
そうだ。私の家門は貧乏人の子だくさん、男兄弟と壮絶なおやつの奪い合いをしたのだ。
気風も荒く盗んだ馬車を乗り回したわ。ごめんなさい。農家のハンスさん・・・と今では本気で思う。
その若気の恥ずかしさをパチンパチンとメイド長の両の頬をはたいてごまかした。
もう、床にエビのように丸まって転がっているわね。
「あら、メイド長、女主人の言葉を遮るなんて、無礼にもほどがありますわ。リンチいたします」
「な、何を・・・」
寝っ転がったメイド長を蹴り転がしたら・・
「ウグ、ウグ、おやめ、おやめ・・」
「まあ、謝罪はないのかしら」
「リーナ、やめないか!」
「リーナ、また、グレた時に戻って」
「リーナ嬢・・・」
三人に止められたわ。
結局、メイド長は包帯を巻いて勤務することになった。休ませて外で入院させたら旦那様が男色家である事がバレてしまうかもしれない。真実の愛は全てに優先するのだ。
「はあ、はあ、奥様、スケジュールです」
「遅いわね。そんなのでは私を軟禁できませんわよ」
警衛隊の杖を持って屋敷を巡回する。誰も後をつけなくなった。
旦那様が男色家であることがバレてはいけない。
「おい、リーナ、何をしている・・」
旦那様に呼び止められたわ。
その背中にメイド長がブルブル震えて隠れている。
「旦那様・・・私、旦那様の真実の愛に賛同していますの。誰にもチクらせませんわ」
「いや、やりかたって言うものが・・・」
「それよりも旦那様、どちらが男性役ですか?私・・・殿方同士の愛し方を見てみたいですわ」
「ヒィ、何てはしたない」
「だって、生殖を伴わない性行為こそ真実の愛ですわ。さあ、屈辱にむせび泣くお飾り妻の出番ですわ!」
「頭、おかしい!離縁だ!」
「旦那様、それだけはお止め下さい!旦那様が言ったのではないですか?屈辱にむせび泣けと!」
ええ、それからは、毎日、考えました。その、男同士の愛し方って何なのかしらと・・・
寝室に入れてくれませんわ。
ですから、深夜、無理矢理窓から入りましたの。
ガチャンと窓を割って入ったら。
旦那様とマッシュ様は手をつないで寝ておりましたの。
「旦那様・・・」
「ヒィ、何だ!どうして入って来られた!」
「ロープを伝って、それよりも、チ〇にク〇が付いていませんか?確認したいのですが?どっちが突かれているのか、気になって仕方ないのですわ・・・」
「そうじゃない、ロープじゃなくて、本物の愛に肉欲は不要。キスだけだ」
「フ、フランツゥ、怖いわ」
「おお、マッシュ、やはり女は怖いな」
二人はベッドの上で手を握り合いブルブル震えていましたわ。
ですから、
「早く愛し合いなさい!チンをチンを出しなさい!」
ええ、寝室で暴れ、使用人達が大勢来ました・・・
「お、奥様!」
「旦那様、お逃げ下さい!」
☆☆☆王国家庭裁判所
「・・・以上、元侯爵夫人リーナ様の陳述でした・・・」
「・・・いや、これは、その何だかとてもうやむやにした方が良いと思うので離縁を確定します。元夫人には金貨100枚・・・え、とそのいろいろ、夫側の方からの請求は無しで、いいの・・か?」
「ヒィ、それで良いから離縁をよろしくお願いします」
「裁判長、わ、私はお金ではなくて、真実の愛を見たかっただけですわ」
王国最初の男色裁判であった。
後にクラマー家は親戚から当主を迎える事になった。
最後までお読み頂き有難うございました。




