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第十一話 転校生ですか?

 次の日僕は、早々(はやばや)と学校に到着し、誰も居ない教室で一人自分の席に座っていた。


 昨日ありとあらゆる手段で入手した、LOVEゲームの実態を纏めていたら、一睡もできなかった。


 重い瞼を擦り、生欠伸をしながら一つ一つ整理していく。

 

 最初にホログラムディスプレイのしまい方だが、これは凄く簡単で、頭の中で念じるだけで出し入れ可能だ。


 次に運命値、これについては100がMAXだと分かったのだが、運命値がMAXてのは類稀(たぐいまれ)な事らしい。


 そして恋愛経験値、これは簡単に言うと相手との親密度で、会話や行動によって増えていきレベルが上がっていくらしいのだが、ここで重要なのはレベルが上がり得られるスキルポイント。


 1レベル上がる事に1スキルポイントが貰える、そのポイントを使用してスキルを覚えるのだ。


 恐らくRPGをやったことがある人は、なんだそんな事か全然重要でもなんでも無いと思った事だろう。


 僕も同感だ、ではなぜ重要だと言ったか?スキルを覚えないと手を繋ぐ事すらできないからだ。


 もしスキルを覚えず強行すると、けたたましい音の警報音がなり、体に異常をきたし立っていることすら困難になってしまうのだ。


 このシステムが今物議をかもし出している。


 なぜかと言うと、運命値すら現れていない者同士だとデートにすら誘えないからだ。


 その反面で、犯罪を抑止する事にもなっているので、完全に悪いと一概に言えないシステムになっている。


 もちろん例外はあって、明らかに友人同士の行為や言動に関してはシステムは発動しない仕組みとなっているらしい。


 因みに今僕が取得できるスキルはざっとこんな感じだ。


ーーーーーー


使用できるスキル

トゥンクトゥンク


覚えられるスキル


スキンシップ(小) キスをする

壁ドンッ      恋人繋ぎ

番号の交換     告白

顎クイッ

デートに誘う

スキンシップ(中) 


ーーーーーー


 レベル4でこれだけのスキルが覚えられるようになってるのにはかなり驚いた、だってレベルが上がり続けたら、いったいどんなスキルが覚えられるのか?正直興味が湧いてしまった。


 ただ、スキルを取得する予定は今のところ無い。


 ここからは補足になるが、運命値が現れる相手は()()()()に限らなかったり、カップルになると()()()()()()()()()()()()()が出現し色々な特典が受けられるようになるなど。


 まだまだ不明な点は多いものの、なかなかに使えるシステムだと騒がれ始めてるらしい。


 ふと気付くと、教室内が登校してきた人達で賑やかになってきていた。


 一人でずっとブツブツ喋っていたせいか、やたら視線を感じる。


 我ながらキモ過ぎだと思い机に頬杖を付いて、知らぬ顔をしていると。


 「転校生ですか?」


 一人の女子が近づき話しかけてきた。


 「て、転校生ですか?」


 普段話しかけられる事なんてほとんど無いからびっくりして、訊き返してしまった。


 それに対し訝しげな表情で話を続けられる。


 「その席、目元まで髪が伸びて明らかに暗そうな感じの人が座ってたような?」


 「この席ですか?うーん分かりませんね?元々僕の席でしたよ」


 なーんか微妙に会話が噛み合って無いような気がするけど?と首を傾げていると後ろから。


 「二階堂くんおはよー」


 「あ、立花さんおはようございます」


 満面の笑みで挨拶をしてくれたのだが、昨日の件もあり警戒していると、前の方が少し騒がしくなっていたので、視線を先程の女子へ戻すと。


 何故か口を大きく開けて、唇を震わせ目を丸くしている。


 「あ、あの大丈夫ですか?」


 と尋ねると小さな声で『ヒィッ』と声を上げて、逃げるように立ち去って行った。


 なにか気に障ることをしてしまったのだろうか?と考えを巡らせてみる、うーん敢えて挙げるなら先ほどまで一人ぶつぶつ話していた事?


 うん、そんなキモい行動していたら避けられて当然かと納得して苦笑していると。

 

 「クーックックッ!コンタクトにするともっと破壊力凄いんだから」


 「突然何を言っているんですか?」


 また立花さんが悪代官みたいな笑い方をしたことは置いといて、破壊力?何を言っているか分からないが、クラスメイトの僕に対する好奇の眼差しがより一層強くなった気がした。


 「二階堂くんコンタクトに変えなさい」


 「へ?昨日禁止と言われたから持ってきていませんよ」


 昨日自分で言ったこと忘れたのか?


 「なんで忘れたの?」

 

 「話聞いてます?そしてなんで僕が悪いみたいな言い方するんですか?」


 「クーックックック」

 

 「横暴です」


 確信犯だな、わかっててわざとやってるよこの人、と疑いの眼差しを向けると、立花さんが真面目な顔をして話し始めた。

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