私は戦います。
「おいおいおい。俺の授業に遅れるとはいい度胸だな?また空に打ち飛ばされたいのか?」
「、、、すみませんでしたぁ!!!」
私はスライディング土下座でもするかの勢いで頭を下げた。
そんな私を見下ろす黒髪の頬に傷がある女子供にこわがられそうな顔をした男。
そう私の魔法の先生である。
名前はシリウス。
平民出身らしくお父様が昔拾ってきたらしく幼い頃から私の事を知っている。
もちろん最初からこんな態度だったわけではない。
最初は丁寧に令嬢に接するように接していたのに魔法の授業最初の事件で完全に態度が変わった。
ていうかなんか素に戻ったって言うのだろうか。
とにかく私の態度が明らか酷くなった。
「で?遅刻した理由は?」
「殿下が来ててぇ、、、。」グズグズ
「ウザイからその顔やめろ。」
いやさ?別に男からそんなお姫様のように優しくされたいわけじゃないんだよ?
でもさ。この態度はなんか違うやん。
しかも幼い頃は丁寧に接されてきたのに急にこれはなんというか、、違うじゃん!!
「おい。」
「はいィィ!!!」
「うるせぇ。」
「すみません!!」
「はぁ。ッチ。行くぞ。」
「仰せのままに!!」
面倒くさそうな先生に連れられて私は山の上に来た。
「何するんですか?」
「今日は野外演習だ。俺が今から分身を出すからそれを弓で倒せ。」
「アイアイサー!!」
そう言うと先生は自分の分身を出した。
その間に私は良い木を探す。
良い木を見つけるとそこに飛び乗り弓を構える。
ふふん!
私は平成のガキ大将猿と言われたほど木登りが上手いのだ!!
木に登ると私は雷の魔法を弓に変化させ的に構える。
そして矢を打つが勿論防がれる。
しかしそこから追撃するように矢が曲がり的を追いかける。
先生が逃げているうちにもう一本矢を打ち的に直撃する。
すると的は霧が晴れるように消えそこには何も残らない。
「ふぅー。出来ました!」
「おう。次は近距離だ。」
「分かりました!」
そうしてまた先生は自分の分身を出す。
そして私は雷の魔法を剣の形に変化させ、自分の周りにエレキシールドを纏わせる。
今回は静電気レベルではなく触ったら感電死するレベルだ。
人相手じゃないしね!大丈夫!!なはず。
そして私と的と向かい合う。
2人とも相手の隙を伺って動かない。
先に動いたのは私だった。
隙だらけの私はすぐに攻撃されるがエレキシールドがあるため効かない。
そして相手が少し下がったところを見計らい私は的を切った。
そうするとまたそれは霧が晴れるように消えた。
「終わりましたー!!」
「ああ。」
「先生!どうでしたか!?結構良かったんじゃなかったんですか!?」
「そうだな。令嬢辞めちまえと思った。」
「それ褒めてます?」
先生は私の問いを無視しなにか作業を始めた。
「何してるんですか?」
「準備。」
「何の?」
「、、、、。」
ほんとに態度おかしくない?
これ私じゃなかったらクビだよ?即クビだからね?
そんな不満をぶつくさ言っていると先生が立ち上がり私に杖を投げてきた。
「うわっ!?急になんですか!?」
「これをやる。」
「え?なぜ?」
「宿題だ。」
「はい?」
「この杖を使いこなせ。次回までの宿題だ。」
そう言うと先生は去っていった。
私と杖を置いて。
「、、、、はぁぁぁぁ!?」