自称婚約者野郎様が来ました。
あの後お母様がお父様のところに突っ込みちょっとした修羅場になった。
いやぁ、、、。怖かったよ。
怒りながら花瓶をお父様めがけて振り下ろすお母様。
誤解だと叫びながらお母様からの攻撃を避けるお父様。
お母様を宥めるメイドと執事と私。
その光景を見ながら涙目で震えるカイン。
まぁ結局私が魔力を抑えつつお母様に触りお母様を気絶させその場は落ち着いた。(ちなみにこの事を自慢気に魔法の先生に言ったら死ぬほど怒られた。なぜだ。)
そのあと落ち着いたお母様にカインは孤児院で拾ってきた養子であること。決してお父様が他所で作ってきた子でも誘拐してきた子でもないということを伝えた。
そうしてお母様とお父様は仲直りし今は元の仲に戻っている。
まぁ結果良ければ全てよしかな。
うん。言葉合ってるか分からないけど。
そして修羅場から2日後。
自称婚約者野郎様がきやがった。
「ひさしぶりだな。」
「、、、そうですね。」
「なにか最近変わったことはあったか?」
「いえ。特に大きなことは。(嘘)」
「そうか。そういえば最近ローデンベール家に養子が来たと話題になっていたな。」
「アァ。ソウデシタネ。ワスレテマシタ。」
「そろそろローデンベール夫妻にも話を、、。」
「あぁ!そういえば最近お加減はどうでしたか!?」
「そうだな。特に変わりは無いが最近婚約者の手紙の返事が遅くなってきていてな。」
「そうなんですね!!ところでバラは好きでしょうか!?」
くっそ!!ホントこいつ嫌い!!
私か自称婚約者野郎様の戦いをしていると知らない少女がお茶を持ってきた。
「どうぞ。」
「えぇ。ありがとう。ところで貴方ローデンベール家で働かない?」
「、、、申し訳ありません。私は王家で雇われているため私では判断することが出来ません。」
チッ!!だめか。
「お前本当に女となると見境ないな。」
「何を仰られているんですか?私は女性を愛しているだけ。それに見た目や身分など関係ありませんよ?」
「その執着を少しでも俺に向けることは出来んのか。」
「無理です。」
、、てかさ。最近この自称婚約者野郎様なんか変なんだよな。
そもそも私たちの婚約は仮なのにそれ忘れてきてるよね?
私一応婚約する前に男は恋愛対象外言うたよね?
なんか結構執着されている気がするんだけど、、。
だってほら。今も私が告白したメイドさんに少し睨みながら下がるよう言ってるし。
いや。睨むなよ。
はぁ、、。早く終わらねぇかなぁ、、、。
早く終わらして私の嫁候補に会いたい、、。
あの胸に顔を埋めたい、、。
ゾワッ
「どうしたの?」
「いや、、。なんか今不埒な気配が、、、。」
「ははっ。お嬢様だったりして。」
なんやかんやでお茶会は終わった。
おわった後あのメイドを探していたが何故か見つからなかった。
だけどカインに会い少し剣道を教えた。
うん。頑張っててほっこりした。
そういえばさっきの自称婚約者野郎様はさすがと言うべきか第一王子。
なんでも出来るらしい。
ちっ!!うぜぇ。
ちなみに私は勉強はまぁそこそこ。
まぁ一応公爵令嬢だからな。
だけど魔法に関しては私はピカイチ!!
なんて調子には乗らない。
乗ったらあの地獄の魔法の先生にぶち殺される。
てかさほんとに何度でも言うけどあの先生の態度おかしいって!!
こないだも魔力制御失敗してミスって先生に当てたらその倍の威力の魔法当ててきたし。
『お前ならこんくらい防げ!!』なんて言って本気で当ててきたし。
防げたからよかったものの。
「お嬢様。」
「なに?とうとう結婚する準備できた?」
「出来てませんし違います。そろそろ魔法のお時間です。」
「、、、今何時?」
「1時です。」
「、、分かったわ。」
、、、終わった。遅れる。
そして確実にぶち殺される。
絶望しながら私は部屋に入った。
「おいおいおい。俺の授業に遅れるとはいい度胸だな?また空に打ち飛ばされたいのか?」
「、、、すみませんでしたぁ!!!」