弟が出来ました。
アーリクルト邸でのお茶会が終わった後、お父様から大事な話があると言われ呼び出された。
なんだろう?と思いつつ行くとそこには5歳くらいの少年がいた。
、、、、だれ?
「、、お父様。この少年はどちら様でしょう?」
「あぁ。この子は新しいお前の弟だ。」
「、、、、弟ですか。」
「あぁ。ほら。この子はお前のお姉ちゃんとなる子だ。」
「、、、、こんにちは。カインです。」
「ごきげんよう。アリスと言います。」
二人の間に気まづい空気が流れた。
カインと名乗った弟は少し緊張しつつ私のことを見てきた。
しかし私はそんなことには目も向けずお父様を呼び出した。
「申し訳ありません。お父様。少しこちらへ。」
「ん?なんだ?」
そうしてカインには聞こえない距離で私はキレた。
「、、お父様。」
「なんだ?」
「誰の子ですか?」
「、、、、ん!?」
「すみません。言い方を間違えました。
誰とヤった子ですか?申し訳ありませんが私はお母様に説明してあげられませ」
「ちょっと待て!?何か勘違いしてるよな!?とりあえず今すぐユーリのところに行こうとするのやめて!?」
「、、、なにか弁明したいことがあれば一応聞きますが。」
「その軽蔑した目やめて!?ちがうんだって!俺の子供じゃないから!」
「、、まさか誘拐!?」
「ちがう!!孤児院から拾ってきたの!」
「どういうことですか?」
「はぁ、、。やっと聞いてくれた。カインはたまたま仕事で孤児院に行った時に見つけた子なんだ。そもそも最近俺とユーリの間には子供が出来なくてな。養子をつくろうかユーリと考えていたんだ。そんな時にカインを見つけて引き取ることにしたんだ。」
「なるほど。カインになにか光るものがあったってことですか?」
「いや。そこにいた雷属性の子がカインしかいなくてな。だからカインを選んだんだ。」
「、、、、、、そうですか。お父様が浮気をしておらず良かったです。」
「する訳ないだろ!!俺はユーリを愛してるんだから!!」
「そうですか。」
お父様が何か言っていたがスルーしてカインのところに戻った。
「カイン。これからよろしくお願いします。」
「は、はい。よろしくお願いします。」
カインは少しびっくりした顔をしていた。
まぁそりゃあそうか。
てか父よ。
なんで妹じゃないんだ。
まぁ年下好きだからいいけどな。
そうなんだよ。
意外だと思うけど実は私年下好きなんだよ。
だって可愛いじゃん。素直で。
普通に年下見るとホッコリする気持ちになる。
それに上から潰せばすぐに大人しくなるのも年上と違って楽だし。
まぁ完全なる恋愛対象は妹だけどな。
グヘヘヘ
「あ、アリス様?」
あ、やべ。
「コ、コホン!アリス様ではなくアリス姉様で大丈夫です。」
「分かりました。アリス姉様よろしくお願いします。」
いいね。姉様って響き。
「カインは雷属性らしいですね。」
「はい。アリス姉様もそうなんですよね。」
「そうですね。私は剣にまとって使っています。カインが剣が得意ならやり方を教えてあげますよ。」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
「はい。」
こういうの!
やりたかったんだよねぇ!!
私周りの人に年下いなかったからこういうのずっとやりたかったんだよなぁ。
「なんだ。もう仲良くなったんだな。」
あ。存在を忘れていた父ではないか。
「そうですね。カインが優しい子なので話しかけやすいです。」
「いえいえ!アリス姉様が話しやすくしてくれるので僕も話すことが出来て、、。」
「うんうん。姉弟仲良いのはいいことだ。」
なんかイラッとした。
「カイン。お母様には会いましたか?」
「いえ。まだ会ってないです。」
「そうですか。なら今から会いに行きますか。」
「はい!」
そう言ってカインと私はお母様のところに行った。
「あら?アリスちゃん。どうしたの?」
「お母様新しい弟を紹介しにきました。」
「、、、、誰の子?」
「え?」
「誰に手を出されたの!?大丈夫!今すぐそいつを殺して」
「お母様!?落ち着いてください!!私の子ではなくお父様が」
「あの人が浮気したの!?信じられない!!そんなことをする人ではないと信じてたのに!!」
「違います!!!とりあえず落ち着いてください!!お母様!!」
「ど、どうしよう、、。」
「なんか騒がしいな、、。ユーリ達に何かあったのだろうか。」
彼はまだ知らない。
その後に離婚されそうになる危機に陥るということを。
自分がちゃんと説明しなかったせいで変な誤解を招いていることを。
その時の彼はまだ知らないのであった。