九話
三日が過ぎた。
ログインボーナスなるもので一日500GPの配給も受けた。
ミッションをこなし、一日二回の突発的出現も対応し、新規出現の簡易召喚の枠も五体ほど増えた。
レッドリザード 30GP
ブルーホース 27GP
グリーンホーク 26GP
イエローラビット 19GP
ホワイトキャット 33GP
の五種類だ。
それぞれ色通りの魔法を使い、ホワイトキャットは何と回復魔法を使える。
こいつやばい…!
瀕死寸前の敵をどんどん甦らせて物量で圧してくるのだ。
しかも本猫は小さい体を仲間の背や体に隠し、此方を奔走させる厄介な相手だ。
だが、此方もその恩恵を預かれるのは有難い。
倒すと召喚コストの倍のGPを貰えるので、ホワイトキャット五体の依頼で経験値GP稼ぎを行い余裕を持ってガチャ一回分のGPが用意出来た。
今手元にあるGPは2481GP。
ガチャが…ガチャが引きたい…!
ということで…
「さて…ガチャの時間だ…!」
「新しい仲間が増えるのですね!御屋形様頑張って下さい!知っている方なら嬉しいんですが…」
カッコつけて見たもののマルにこのネタは伝わらないのが肉癢ゆい…。
マルの期待に応えてやりたいが、天運に任せるしかないな。
相変わらず女体化マイナー武将ピックアップなんだが、光 闇と書いてある。
ん?まぁ引けば分かるか。
「よっしゃ、やるぞ!」
「はい!御屋形様!」
白、
まだまだァ!
青、
次々ぃッ!
黄、
マルは此処で止まったが…
止まら…ない!
緑、
えっ?えっ?まじで?
紫…
紫で止まった!
まじか、日頃の行いが良かったからかな…。
カプセルに触れた瞬間、燃え上がり始めた。
炎は宙に浮かび鳥の形を象ると、羽がーー
一枚ーー
二枚ーー
三枚ーー
合計九枚の羽が落ちた。
瞬間舞い落ちた羽が燃え上がると、空へ舞い上がり周囲を炎の塊が燃やす。
炎が消えるーー
そこには真っ赤な髪のスウェット姿の美女が現れる。
「あたしを呼んだのはあんたか…?あぁ、死にたい…あたしの代で小田家を潰してしまった…ご先祖様に顔向け出来ない…あぁ…死んでしまいたい…!」
スゴいネガティブな人だな…大丈夫か、この人?オダ家?
「えっと、君の名前は?」
「小田 氏治…」
小田 氏治…もしかしてあの?!
あの?と言われて何の事か分からない人の為に説明しよう!
戦国時代、武名や策略で名を馳せた者は数多く居た。
人の浮き沈みの激しい乱世なのだから仕方ない。
しかし此処で一つ疑問が残る。
ーー戦国最弱の武将とは?
其処で名が挙がるのがーー
目の前にいる小田 氏治である。
九度居城である小田城を落とされた
しかしその度に尽きぬ闘志で甦る常陸の不死鳥
最後は天寿を全うした最弱の武将
ーーそれが小田 氏治だ。