六話
戦闘を終え地べたに座り込む。
一息着いて俺を心配するような表情を見せる少女…
マルに安心させるように笑い掛け、視線を向けると、俺は疑問に思っていた事を問い掛ける。
「それでどうすれば良いんだ?真の王を目指すっつったって何も指標が無いと今後の行動方針が取れない。マルは何か知ってるか?」
「わたくしが知っているのはみっしょんなるものを達成し、他の王候補者との対戦資格を稼ぐというものです。」
「他にも候補者が居るのか?」
「はい、その通りです。二百人はいるかと…わたくしの知る情報は微々たる物では有りますが、精一杯支援させて頂きますよ。御屋形様!」
「了解。んじゃ、気になる項目が有るから調べてみるかな。ーーーおっ?」
ステータス表示なるものが解放されたと先程のログ(便宜上そう呼ぶことにする)を思い出した。
ライトノベルとかで良くある様に頭の中で表示されるように念じるとポケットに入れていたスマホが鳴り出す。
画面には俺の情報が載っていた。
南雲 獅剛
見習い王 レベル3
HP 28
MP 46
ATK 14 (+200)
DEF 16
MAT 18
MDE 14
AGI 18
LUK 22
GP 462
SP 24
従者 森 蘭丸 ▼
ショップ▼
簡易召喚▼
ミッションボード▼
………とりあえずショップから調べてみるか。
ショップの欄にはGP、SPと交換で食料や生活品、SSR以上確定召喚チケットなるものや他の候補者の情報なども交換出来る様だ。
だがまだ灰色表示で買うことは出来ない。
売却の項目もあり、マルが5万GPか10万SP、鬼丸国綱は100万GPか200万SPで売れるらしい。
いや、売る気はないけどね?
だからそんな悲しそうな顔を止めてくれ、マル…。
取り敢えず一番安い塩むすび三つ入り(お新香付き)1GPを二つ購入。すると目の前に突然葉っぱに巻かれた俵むすびが現れる。
一つをマルに渡してもう一つを自分で食べる。
うん、コシヒカリのおにぎりっぽいな。うまうま。
他にもパンとか素パスタとかあったけど、日本にゆかりのあるマルには塩むすびが合うだろうと少し気を遣った。
でもこの美味しそうにほっぺたや指に米粒を付けながらも幸せそうに食べるマルの姿だけで選んでよかった、と思える。
俺の分を一つやると喜んで食べ始めた。
さて、次は簡易召喚を試してみるか。
スマホを操作し確認するとーー
低級黒狼 10GP
粘魔 1GP
餓鬼 4GP
人犬 3GP
この四つの項目しかない。
ファンタジー風に言えばウルフ、スライム、ゴブリン、コボルト辺りだろうか。
残りは463か…
あれ?塩結びで減ったGPが増えてるな。
今度どのくらいで回復するのか時間を図ってみるかな。
取り敢えず一体ずつ簡易召喚をする。
18GP…まぁ、大丈夫だろう。
召喚されたのは予想通りの奴らだった。
命令待機状態なのか、姿勢を低くし、此方に顔を向けている。
いや、スライムが姿勢を低くして何処にあるのか分からない顔を向けているのかは分からないんだが…
取り敢えず適当にやりたいことをしていいと伝えると散っていった。