五十話
投降遅くなりました。
残 業 は 突 然 に 。
ストックが切れた瞬間、残業で執筆時間が確保できずに更新を断念。
また突然更新が切れたら社畜ってるんだなーとでも思ってください。
なるべく更新頑張ります!
休息を取りぼちぼちバイクに跨がりながら走っていると散発的な襲撃を受けるも轢き逃げ上等、全く悪びれもせずに当たっていく。
俺じゃなくて暴走族軍団なんだけどね。俺と従者一行は掃除されたその後を進んでいるだけだ。
飽きてきたのか、投降を呼び掛けたり相手を気遣う素振りも見せ始める。
「ヒャッハァー!怪我したくなきゃ退きやがれぇッ!」
「武器を捨てて投降しなッ!投降した奴にゃ危害は加えねえぜッ!」
「オーホッホッホ!総長の前に立つ者は皆、地に這いつくばり頭を地面に擦り付けるのがお似合いですわッ!!」
「おい、お前らテンション高過ぎだろ…あとノブヤス、お前は晩飯抜きな?」
「あんまりですわー!」
というようなやり取りを交え三分の二くらい上がってきた所で開けた所にたどり着いた。
そこには大将と武将数名と兵士らしき人影がざっと一万…盾を構えながら此方に備えていた。
しかし、それを見て取ったノブタダが単身で突撃。
華麗に舞うように兵士を蹴散らすその姿は…なんと言うか綺麗だった。
まぁ、こんなこと考えてるなんて本人に知られれば調子に乗るのは確定だろうな…黙っとこう。
「ふん…所詮は寄せ集めの木っ端か…興醒めよ。妾は野良犬の元に戻る。ムネシゲ、マサムネ、主らに手柄を譲ってやろう。妾優しい!」
「ノブタダ殿、それは些か暴論では?一人で半数近く倒しておいてそれは無かろう?」
「そうだそうだ~!あと!あーしの事はしぃちゃんて呼んでってば~!」
「くくく…」
二人の文句(一名は追従するだけだ)がノブタダに飛ぶも立て板に水、聞き届くことはなかった。
が、やがて気が済んだのかマサムネとしぃちゃんはここで吠えてても何もならないと判断したのか戦闘モードに移行する。
「はぁ…ノブタダ殿には困ったものだ…さて、此処で嘆いていても仕方ない。やるか、ムネシゲ殿は左を頼む。……〈風竜〉」
「むぅ~…あーしはまだ言い足りないんだけどぉ…もういいや、面倒だし、やっちゃお!〈雷切〉モード開始ィ!」
マサムネが片手に持った刀を天上に翳す。
剛風が吹き荒びやがて一頭の竜を形成する。
マサムネがそれを振り下ろすと敵陣目掛け突っ込んだ。
マサムネが指定した範囲の敵に攻撃する広範囲技、それが〈風竜〉だ。
「粗方片付いたか…ムネシゲ殿、其方は…ふっ、杞憂だったか。」
「ぜぇ…ぜぇ…あんまし可愛くないから使いたく無いんだよねこれ。髪はボサボサだし、埃まみれになるし…うぅ~、お風呂入りたい~!」
マサムネが風竜を打っている間にしぃちゃんは全身に雷を纏い瞬発力を活かした近接戦闘を行っていた。
たった十秒程度の時間で二千近くいる兵士を紫煙へと変えた。
どうやら兵士は俺で言うモンスター扱いらしくSPで生み出せるんだろうな。
「ぬうぅぅ…強い!敵ながら天晴れぞ!我が名は馬超、一騎打ちを所望する!」
「ならばこの趙雲も前に出ようぞ!眼帯の御仁、付き合い願おう。」
馬超に趙雲ね…名前は聞いたこと有るんだけど三國志は範囲外なんだよなぁ…
マサムネもしぃちゃんも、一騎打ちには乗り気のようで一歩ずつ前に出て近場を走っている馬の手綱を掴み飛び乗った。
「我が名は伊達 政宗なり!趙雲殿、行くぞッ!」
先に動き出したのはマサムネだった。
趙雲に向け加速したマサムネは刀を横凪に振るう。
刀と槍じゃ分が悪い…かと思いきや風の刃で槍をあしらっている。
「何のッ!おおー!」
激しい攻防が続く。
しかしマサムネは戦いの中で獰猛な笑みを浮かべている。
肉食獣が獲物を見つけたと言わんばかりの鋭く突き刺さる様な笑みだ。
普段時折見せるはにかんだ笑みとは全然違う。違うけど…良い!
はっ?!危ない…変な扉を開けてしまいそうだ。
視線を移して…と。
しぃちゃんの方も始まったかと思うと馬超と距離を取る様に移動し、地面に突き刺さっていた槍をひょいと拾うと大きく振りかぶり馬超に向けて投げ出した。
有りなのかこれ?
「逃げるか、卑怯者め!」
「これも~立派な策略的な?」
「ぬぅ~…ほざきよって!武人の風上にーーのわぁっ!」
何度も何度も同じことを繰り返しやがて一本、二本と馬超の跨がる馬に深々と突き刺さり、馬は足を上げ嘶くとそのまま横に倒れ、馬超は落馬してしまった。
多分だけど、相手と距離を取り怒らせてから狙いを付け易くし、必中になったら微弱な電撃を槍に纏わせそれで痙攣させたんだろう。
中々にエグい戦法である。
馬から降りて、ノブシゲから投げ渡された縄で馬超を縛り上げる。
うちの基本方針は殺さず捕縛、出来れば登用だからね。しぃちゃんもそれを覚えてたみたいだ。
崖から突き落としたのは…うん、ノブヤスに責任を取って貰うか。
「いよっし!いっちょ上がり的なー?まぁちゃんは…そろそろ終わりそ?」
そう呟くとマサムネの戦いに目を向けた。
すれ違い様の一刀が趙雲の足を薄く切り裂いた。
そこから調子を崩したのか、マサムネの攻撃が当たり始め、趙雲は傷を負っていく。
「投降せよ。貴殿とは死合いたくない。真の武将とは勝機ではなく引き際を見誤らぬものだ。貴殿もそれは知っているだろうが、な。」
「……承知した。この趙雲、マサムネ殿の言葉に従おう。」
「うむ、懸命な判断だ。趙雲殿、共に行こうぞ!」
趙雲が 仲間に なった▽
ふざけるのは止めて、趙雲は両腕を縄で縛られ合流した後方支援部隊に馬超と共に引き渡すと俺達は先を急いだ。




