五話
「すぅーッ…行くぞ!」
鬼丸国綱を手に俺は一足飛びに狼へ向かう。
跳ねるように狼の背後に立つと、上から下に振り下ろす。
それだけで狼は真ん中から二つに分かたれ骸と化した。
続け様に左へ振るうと鼻先から横に綺麗に一本線が入りそのまま倒れた。
「すごいッ…!わたくしも…負けていられませんッ!」
マルが小さく呟くと大きな声と共に傷を負っていた狼の首を跳ねる。
これで終わった、と安堵すると視界に突然ーーー
〈ミッション完了 報酬をお受け取りください・・・▼〉
ーーーと出る。
▼に触れると情報が表示された。
『・48の経験値を獲得。
・見習い王のレベルが3に上がりました。
HP 28
MP 46
ATK 14 (+200)
DEF 16
MAT 18
MDE 14
AGI 18
LUK 22
GP 460
SP 24
・12のスキルポイントを割り振り可能。
・ステータス表示が解放されました。
・ミッションボードが解放されました。
・ショップが解放されました。
・F級魔石を三つ手に入れました。
・従者 森蘭丸のレベルが4に上りました。
・規定数の討伐を充たした為、低級黒狼の召喚が可能になりました。
・簡易召喚を解放しました。』
気になる事は多いけど、とりあえずは放置しっぱなしだったマルとの契約を済ませてしまおう。
その旨をマルに伝えると心得ていたとばかりにもう一度教えてくれた。
「コホン…ーーよし、分かった。【俺、南雲獅剛は森蘭丸と共に真の王を目指す戦いに参戦する】ッ!!うおぁッ!」
俺とマルの体を一本の眩い光が包み込み、霧散する。
心がぽかぽかするような気持ちいい感覚と共に、二人の繋がりが深まった気がする。
お互いの考えていることがぼんやりとだが分かるようなそんな不思議な感覚だ。
「御屋形様…シゴウ様。わたくしは貴方様と運命を共に致します。不束者ですが、幾久しく…お願いいたします…ね?」
マルに手を取られ上目遣いでそんなことを言われてしまった。
俺の顔は真っ赤だろう…
だけど、マルとなら上手くやっていける。
そんな気がするんだ。