三十九話
モチベーションを上げると俺は注目を集める様に手を大きく開き大声で叫ぶ
「気を取り直して行くぞー!取り敢えず引くか…来い、ゴッドレア!」
まぁ十連といっても単発十回引くだけなんだけどさ。
一回目 銀!中々幸先良いな!今日はいけるんじゃないか!?
あ、演出がない…?まぁ有っても無くても困らんけど、見てて面白かったから残念だ…
光の中から現れたのは…
「おろ?貴方がご主人さま?ハッ…!いっけなーい!ちょっと待って…よぉし!・・・きゅるるーん☆貴方の側に軍師系アイドル、ハンベエちゃんッ華麗に参上☆貴方の心のお城奪っちゃうぞ☆ゴホッゴホッ…ごめんなさい、よろしくおねがいしまーす☆」
少女は決め台詞と共にポーズを決めながら最後に片足を上げて手のひらをこちらに向けて親指、人差し指、小指を立てると片目を瞑りポーズを取る。
が、派手に噎せてしまう。
大丈夫、と小声で言われたので俺は少し、今起きたことを整理した。この子ハンベエちゃんって言ってたよなぁ。
・ ・ ・
ハンベエ…半兵衛!?
いきなり凄い人物が来た!
が…すごく、ロリだ。あとキャラが濃い。
ソウウンより小さく小学六年生くらいか、白髪で目が赤い…アルビノってやつか。あとキャラが濃い。
服装はゴスロリだ…何故に?凄いキャラが濃い。
動転しすぎて三回も言ってしまった。◯ずやでも二回なのに。
「あ、あぁ!宜しくな。もしかして家名は竹中さんか?」
「ういー☆そうだよぉー、ハンベエちゃんの知識をいっぱい活用してね、ご主人様ッ☆でもぉー、ハンベエちゃんは病弱だからあまり働かせちゃダ・メだぞッ?具体的には一日三時間労働の三食昼寝おやつ付きをご所望だぜッ☆」
本物のハンベエさんっすわ…今公明とも呼ばれた秀吉の軍師。
その知力は天井知らずで身体が弱くなければ天下統一が早まったと俺は考えている。
「分かった。なるべく希望には応えるが出来ればもう少し働いてほしいかな。」
「ぶぅ~…」
ブー垂れたよ、やる気削いじゃったかね…
まぁ気を取り直して…
二回目 緑か。悪くはないな。
「小生は土居宗珊と申す者。土佐一条家に仕えておりました。」
見た目は黒髪ロングの優しそうなお姉さんだ。
歳は…俺と同年代くらいだろうか?
「宜しくな!戦闘能力より後方支援希望ならソウウンの管轄かな。ハンベエもそっちで頼む!」
「よろしくお願いし申す。小生は戦働きもそこそこ出来ますので、どちらでも構いませんよ。ハンベエ殿、よろしくお願いしますね。」
「ういー☆」
土佐一条家か…確か…名門だったな。あまり詳しくは知らないんだけど…
ぱっとしないけど、ウチにはあまりメジャーな人は少なかったから大歓迎だ。
ハンベエが来たからマイナー度は下がってしまったが…それでも仲間が増えるのは嬉しい。
三回目 銀?!
今日は運が良いな。
欲を言えば金が出て欲しかったが…それでも流れは来てる。
良い感じだ!
「あーしは立花 宗茂…あんまかーいくない名前だからしぃちゃんて呼んで?しくよろー!」
「ぶほッ…!た、立花 宗茂…?!西国無双やんけッ…!!」
テンション上がりすぎてエセ関西弁を使ってしまった。
「んもぉー、かーいくないから呼ぶなってぇー!二つ名も禁止だかーね?」
「貴様!新参の癖に主様に向かってどの様な口の聞き方をしているッ!」
「止めろ、カノ。これから仲間になるんだ、少しは多めに見てやれ。すまんな…しぃちゃんだったか?よろしくな。」
「ごめりんこ!うんうん、あるじくん。話、分かってるぅー!ちょっとやっていけそうかも!」
ふぅ…少し冷静になろう。
西国無双、九州の逸物、武神…etc‥
色々な二つ名があるが彼‥じゃない、彼女を彩る逸話は語るに尽きない。
個人的には本多忠勝とどちらが強かったのか気になるが、それは妄想だけに留めておこう。
長年九州の大大名、大友家に仕えていた立花道雪の娘誾千代を娶り、大友家を支えた武将の一人。
その後大友家は衰退し、一家臣として秀吉に仕え、九州征伐を成し旧所領を賜った。
当時としては異例の大出世を遂げた武将…それが立花宗茂だ。
余談だが名前がコロコロ変わって宗茂は壮年時の名前だと聞いた事がある。
そんな凄い武将が俺の目の前に居るのか…感動の一言である!




