三十話
2日が経った。
今日が三回目の昇王戦の日だ。
ジャンヌの歓迎会は中止…
とは行かず、今夜勝てれば行う予定である。
謹慎中のアンも独房から出し、カノとクフも付ける。
今日はこの三人が主攻部隊である。
先日の一件からマルは何処か元気がなく、俺に近付こうともせず、少し寂しい気持ちでいる。
まぁ、気を取り直して部隊の話に戻る。
カノは防御寄りではあるが、攻撃もそこそこ出来るのだ。
この前披露してくれた捕縛術、そして盾による制圧を得意としており、とにかく相手を無力化する事に長けている。
意外だったのは、刀も扱える事だろうか。それもマル以上の剣技を修めている。
しかし本人はあまり刀を使いたがらないのだからそれも宝の持ち腐れだろうか。
普段はのほほんとしたツインテール美女のドMなんだけど、きっちりするところは締めて、誰よりも全力で仲間を守る。
こんなに頼れる強者がどうして変態なのか甚だ疑問である。
クフは、典型的な魔法使いだ。各属性中級までを行使することが出来て四位階を扱うらしい。
マルの使う風刃が一位階でブラックグリズリーを五発でギリギリ倒すのに大してクフは風の槍一発で脳天を刺し一撃で葬る。
比較対照にマルを使っているが、マルが決して弱くないことは彼女の尊厳のためここで追及しておく。
周りが化け物ばっかりなんや…
アンはカトラスと拳銃の二刀使いで決して弱いこともない。
ブラックグリズリーを同時に二体相手取って無傷で倒せるくらいには強い。
というかジャンヌとの一悶着以来、彼女の中の何かが弾けたのか、デイリーの強襲を全部一人でこなす程の気迫っぷりだ。
クフに関してはあまり情報をもってないんだが…影を操って戦うと聞いている。どんな風に戦うのかは分からないがまぁまぁ期待出来るのではないだろうか。
そんなことを考えているとそろそろ時間だ。
目の前に突然お城が建った。
手前にはジャングルか?
その回りには蝙蝠と血だらけの槍…?
うぇぇ、何か厄介そうだ。
最低でも一回は昇王戦を勝ち抜いているってことか。
と、そんな風に観察していたらカノ達が出てくる。
「主様!態々お出迎え頂き至極の至りッ…!宜しければ拙者の尻を平手打ちして下さるとーー」
「よーし、行ってこい!勝ったら考えてやらん事もないぞー」
「なんか雑…もといお預けプレイでしたか!分かり申した!行って参ります!んほぉー!発情してきたー!」
「抑えて抑えて。では行って参ります、王よ。」
「あぁ、気を付けてな!」
「親分、行ってくるぜぇ!」
「頑張ってこい!アン、あまり気負いすぎるな。お前は自分の戦いをすればいい。あの時の失態も頑張れば不問としよう。怪我をしないよう気を付けろ?」
「おう、行ってくるぜ!」
三人と召喚獣達を見送ると俺もこっそり準備を始める。
実は俺も一人で潜入するつもりだ。最近鍛練を怠っていたからな。




