二十六話
応接室に戻ると改めてエマが頭を下げてくる。
「申し訳ありませんナグモ様、これらの商品は此方で持ちますので…他にもサービスさせていただきます。」
「いやいや、気にしないでくれ。それより目録を見せて貰えるか?良いものが有ればいいんだが…うん?」
・人型援護ユニット D-0770 5000SP
・若年女性奴隷十人セット 1600SP
・若年男性奴隷十人セット 1700SP
・回復ポット 3000SP
・自律援護型ドローン十基 2600SP
・初級魔法セット(火水風土無強) 1800SP
・中級魔法セット(雷氷光闇溶幻) 4000SP
・永久電池使用通信機セット十台 1500SP
現在のSPは六万ちょい。
どれも三千前後するが余裕で買えてしまう。
一つずつ説明を聞こうかな。
「人型援護ユニット D-0770は所謂機械生命体です。高度な人工知能を備えており戦闘面だけではなく生活面でも補助を行います。」
「へぇー。じゃあ試しに一体買ってみようか。」
「主殿、早計では?」
「良いんだよ。ソウウンの補助に付ける。そうすれば飯時に顔を出さない事もなくなるだろう?仕事熱心なのは良いことだけど、ちゃんと食事や休憩を取らないとソウウンがダメになる。これは日頃頑張っているソウウンへの恩返しだよ。」
「あ…主殿…!そこまで拙僧の事を?」
「当たり前だろ。俺の大事な家族なんだからさ。」
うん、寝食を共に過ごして同じ場所で働いてる。
俺の中の定義では家族同然だろう。
「ふみゅ…うぅ…!」
おっと…
自然とソウウンの頭に手が伸びていた。
いつもは嫌がるからあまりしないがたまには良いだろう。
「仲が宜しそうで…さて、次は奴隷セットですね。とある惑星から宙賊が拐った子供達なのですが、その惑星ごとプラズマ砲で破壊されまして…巡りめぐって我が商会の手に渡りまして。可哀想なのですが、彼ら彼女らは自ら奉公することを望んでいます。出来ればナグモ様に引き取って頂ければ…と。」
「なるほどな…銀河商会ってのはそのままの意味なんだな。全員で何人だ?」
「男女合わせて六十八名です。男女比は半々、そのうち自活できない乳児幼児が十八名、自活できる十代が二十四名、二十代が二十六名です。」
「全員買った場合、多少は融通してくれるか?」
「勿論ですとも。当商館としても勉強させていただきます。そうですね…これくらいで如何でしょうか?」
エマが算盤を弾き、計算を行い紙に金額を書く。
10000SPか…それくらいなら出せるが…
「そこから3割引でお願いするわ。衣食住全て此方負担だし、そちらも不良在庫を捌けれるんだから。」
「いえいえ…それは…1.5割引では?」
「じゃあ2.5よ。これ以上は無理ね」
「此方としても痛手でして…1.8では?」
「ふぅ…2割で落としましょう。」
「お買い上げ有り難うございます。ソウウン様は中々どうして手強いお相手でございますね。」
「ふふん…主殿、交渉とはこうやってするものよ?覚えておきなさい!」
未だに頭を撫でられながら鋭い眼光でどや顔されても可愛いだけなんだよな…
だが、ソウウンが頑張ってくれたし、乗ってやるか。
「お見逸れしやした」
俺はテーブルに手を着き平伏する真似をした。ソウウンもご満悦だ、よし!




