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二十二話

試合が終わって翌日。


天守閣の評定の間にて、俺の従者達が集められる。

今回の論功行賞をする為だ。


俺は直接褒めようとしてたんだけど、ソウウンが評定でしっかりと褒めた方が良いと煩いからこういう形を取ることにした。


「第一功メアリー・リード、小田氏治。両者前へ。」


ソウウンの厳かな声音が評定の間に響き渡る。

ハルとメアリーが俺の前に立つ。


「主攻部隊として先陣を切り見事従者ニトクリスを制圧、その後王であるサラーを捕縛した。これを持って両名を勲一功とする。褒美は主殿から受け取って。」


「ハル、メアリー、良くやったな!お前達の活躍、ちゃんと見てたぞ。二人だけで敵の本拠地を落とすなんてやるじゃないか!」


「「ありがたき幸せ。」」


「後で褒美をやるから期待しててくれ。」


「「はい!」」


その後他の皆にも褒美を渡して話しは戦後処理となる。

ハルとメアリーには俺が出来る限りの願いを叶えられるチケットを渡した。

食べ物でも武具でも召喚獣でもいいと伝えてある。

全部有ることはショップ画面で確認済みだからな。


「続いて捕虜についてね。まずは主のサナー、貴方の考えを聞かせて?」


「全面降伏します。従者も好きにお使い下さい。」


両手を縛られた二十代前半の女性がそう告げる。その表情は何処か安堵している風に見えた。

翔王戦の参加条件を満たしたばかりだと言う彼女は戦う事を恐れていたと聞いている。


「貴方の従者はこの二名だけ?」


「はい、ニトクリスとクフの二名のみです。二人とも前へでて自己紹介をして。」


「クフだ。」


「ニトクリスよ。」


うわぁ…本物のファラオじゃん!すげえ!


クフ王が女体化してるけど…まぁオッケーだ。


後者のニトクリスはハル達と戦っていた死霊使いだ。


「あー、ここの主のシゴウだ。改めて問う、俺に仕えるか。それとも去るか。どっちだ?」


「我はそなたに忠を誓おう。」


「わらわも…誓う。」


「分かった。今日から仲間だ、宜しくな!サナーの拘束も解いてやってくれ。それからサナーは暫くこの二人との接触は禁止だ。まぁ頑張ったら会わせてやるから少し頑張って見てくれ。」


「ありがとうございます、頑張ります。」


「二人には一度ハルとメアリーの下に付いて貰う。そこで新人研修を受けて貰ってここでの生活に馴れて貰うつもりだ。」


「承知した。」

「……分かった。」


「んじゃ解散だ。次の昇王戦は四日後か…それまで頑張ってくれ!」


俺はそう告げると自室へと向かう。

自室と言っても一番上の部屋で皆の溜まり場になってるんだけどな…


いやー、倒したハル達の下に付けて良かったのかな?


めちゃくちゃ睨んでたんだけど…


睨むってことは反骨心があるって事だし、上手くプラスに働いてくれりゃ良いんだが…


まぁ、マルやカノ、アンに様子を見ておく様に伝えてあるから大丈夫だとは思うけど。


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