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十三話

シカノスケからのリクエスト通り一番キツそうなのを選択する。


魔物が七十体、ランダムで出てくる様だ。


最後の一体は初見の奴が出てくるらしい。

これでGP600、プラス倒した魔物分加算だからまぁ悪くはないか。


先鋒はスライム十体のゴブリン十体。


シカノスケがいつの間にか大きな盾を持って前に出ている。


防御役(タンク)か!



「主殿、戦いに犠牲は付き物だと思うの。そうは思わない?」


「難しい質問だな。だが…ソウウンの考え方も分かる。もしかして君のギフト…恩寵に関わる事かな?」


「えぇ、そうよ。拙僧の恩寵は味方を瀕死に追い込む代わりに他の味方を強化する。試しにその水まんじゅうみたいなのでやって見せようかしら?」


「待て待て!アオはうちのマルのお気に入りだから!他の奴を召喚する!ちょっと待ってろ」


粘魔を三体召喚するとそれで良い、とソウウンが頷く。


「我が命に従え!【非情ノ決断】ッ!!」


宗運の高らかに上げた声に従い召喚したばかりの粘魔三体がしなしなと萎んでいく。


粘魔って瀕死になると萎むんだな…


対照的にかなり動きが良くなった魔獣達が動き出す。


ゴブリンのジロが同種相手に無双してるんだけど。


アオも活発化しており、鞭状の触手で粘魔を叩き潰している。


ん?俺も身体が熱くなってきた。


これ、味方なら見境無しで全員に効果があるのか?



「うぉおお!なんだコレ!ソウウン、俺だけ解除出来ないのか?観察出来ない!」


「無理よ。これ場全体に効果が出るんだもの。」


「まじかぁ…しゃあない。戦闘が終われば解除されるんだよな?」


「ええ。あの子達もやる気みたいだし大丈夫じゃないかしら?」


粘魔、ゴブリンは倒し終わり、追加が現れる。


レッドリザード五体

ブルーホース四体

グリーンホーク六体

イエローラビット十三体

ホワイトキャット二体だ。



ソウウンの指差す方向にはマル、ハル、シカノスケがおりすごい勢いで敵を倒している。



「あ、熱い…!うおぉぉ!戦闘が終われば御屋形様が頭なでなでしてくれますよッ!ハル、カノ、行きますよ!」


「頑張るのやだなぁ…でもシゴウに頭撫でられるのは…うん、悪くない。不本意だが少しだけ…ほんのちょびっとだけ頑張ってやらなくもない…」


「そのなでなでとやら、拙者もお受け出来るのでござろうか…?むふー、やる気が漲って来ましたぞー!」


なんか勝手に彼女達の中でご褒美が決まっている様だが、仕方ない。


俺も頭を撫でるのは好きなので構わないのだ。



これで五十体。


追加で黒狼十九体と新種の黒い熊が現れた。


マル達はご褒美の話に夢中になって気付いていない。


ソウウンはニヤニヤと笑みを浮かべていた。


二メートルを超す巨体で目元は黒いもやで覆われている。


召喚獣達を黒狼の対処に向かわせる。

数は多いがそのうちマル達も加勢するはずだ。

その間に熊に一人で挑んでみる。


駆け出し近付くと振り下ろされる腕、それを鬼丸国綱で受け流し横っ飛びに回り背後を取る。


ここだッ!


鬼丸国綱ならば固い熊の頭骨も切り裂ける筈だ!


「うぉおおおーッ!!〈魔力撃〉ッ!!」


渾身の力で振るわれた刀身が熊の身体を両断する。


「はぁ…はぁ…イケた…!」


膝に手を付き、息を整える。


すぅーっはぁーっ


よし、オーケーだ。


ここでスマホが鳴り出す。


ちりりんーー


ーー新召喚獣獲得チャンス!

倒してGPと新たなレア召喚獣を簡易召喚しよう!!




奇襲にはまだ早いんだけど、これ別枠かな?


そうなのならば運が良いのだろうか?


煙の中から出てきたのは人型の何か。

それが十体。


いや、甲冑を着ている?

顔は仮面…というより面頬だっけ?

あれを付けていて鉄笠を被り、槍を持っている。


と、突然一人が甲冑姿に不釣り合いなラジカセを取り出す。


音楽が流れ出すと一斉に踊り出した。

なんだコレ??



あ、マルが突撃した。


シカノスケも盾を構えてシールドチャージをしている。


ハルもデバフを撒き始めて踊ってる連中の動きが段々鈍くなっていく。


やがて一分もしない内に蹴散らされ、戦闘は終わった。




ちりりんーー



ーー新召喚獣 足軽ダンサーを解放しました


足軽ダンサー…そのまんまだな、おい。


「御屋形様ー!わたくし頑張りましたッ!」


「まぁ、あたしも。頑張ってやったぞ?」


「拙者も一杯殴られてきましたぞ!」


あー、ご褒美の時間か。


よし、気分は動物研究家のあの人だ。


よ~しよしよし!うりうりうり~!


「はうわ~///…御屋形様、技巧派ですぅ~!」


「ま、まぁ、悪くないんじゃないか///?だけど…手つきがヤラしいな…?」


「も、もっと!激しくッ!アッー!」


…これ以上エキサイトする前に終わりだと告げ、でこぴんするとソウウンに向き直る。


軽く撫でてやると、頬を赤らめた。


「な、何見てるのよッ!変態ッ!」


ソウウンは走ってタロ達の方へ向かい隠れてしまった。


照れ隠しかな?


けど、変態はちょっと言い過ぎだと思うんだよなお兄さんは…うん。


悲しいなぁ…



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